こんにちは。アンサンブル・フリーJAPANです。クラウドファンディングが早くも募集期間の折り返し地点を過ぎ、残り18日となりました!クラウドファンディング開始前は梅雨入り前で、現在は早いもので梅雨が明けてしまいそうな程暑くなりましたね。(みなさま熱中症にはご注意を)プロジェクトは目標金額70%を達成し、143名の方々にご支援いただいております。当プロジェクトにご支援いただいた皆さまに大変感謝しております。残りの期間、私たちは目標に向けアンサンブル・フリーJAPANの価値をお伝えできるよう努めたいと思います。さて、先日の6月20日に、アンサンブル・フリーJAPANの首席奏者らによる室内楽演奏会が開催されました。月曜日の夜にもかかわらず、満場に近いお客様にお越しいただき、楽しんでいただきました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました!演奏はいかがでしたでしょうか?モーツァルト、ブラームスのピアノ三重奏曲はもとより、逢坂裕さんの新作、ピアノ三重奏曲《乙女と一角獣》に対しても好評の声が多く、奏者や関係者一同、大変嬉しく思います。今回ご来場が叶わなかった方のために、動画での公開も予定しております。後日お知らせいたしますので、楽しみにしていてください。ここからは、演奏会前の様子や本番の感想について、代表の浅野よりご報告いたします。〜〜〜開演2時間前、当日リハーサルを別スタジオで終えたアーティストたちが会場に到着し、本番と同じ環境で最後の調整が行われました。普段は朗らかな彼らから殺気に近い緊張感が漂います。 このモードチェンジ、メンタルコントロールを間近で感じられたことは、私にとって大きな勉強になりました。彼らはプロフェッショナルなので、技術的に上手いことは当たり前なのです。その上で如何に音楽に気持ちを乗せることができるか、「気分屋」では済まされないことは彼らが一番よく理解しています。私は必要最低限のことだけ伝え、なるべく彼らの邪魔にならないように離れた場所から最終調整を見守りました。そして演奏会本番を迎えます。熱演。この言葉に相応しい本番があるとすれば、まさにこの日の演奏のことであろうと思います。この演奏会は私の希望で逢坂裕さんの新作とブラームスのピアノ三重奏曲1番をプログラムに入れてもらいましたが、自分の好きな作品をこれほどの名演で聴けたことは至上の喜びでした。会場に満たされる3人の楽音を全身で感じることは、オーケストラの中で指揮をすることと同じくらいに刺激的な体験であったと思います。これこそライブの醍醐味です。ご来場下さったお客様たちからも「とてもレベルの高い演奏だった」「大変楽しめた」という感想を口々にいただきました。私たちアンサンブル・フリーJAPANは、まだその実態も全貌も多くの方には知られていないのが現状です。そのような状況の中、この新しいオーケストラが一体どれほどのレベルなのか、この室内楽演奏会をもって推し量ろうというお客様も多かったのではないかと思います。私自身、この演奏会の出来不出来がアンサンブル・フリーJAPANの今後を占う指標になると思っておりましたので、とても緊張した気持ちで演奏会の日を迎えました。しかし、リハーサルも見学し、彼らがリハーサル通りの力を出してくれれば、必ずや聴きに来て下さった方に満足していただけると確信もしておりました。彼らが首席を務めるオーケストラ「アンサンブル・フリーJAPAN」は、彼らだけが上手いのではありません。全員が彼らに匹敵するほどのレベルを持ったプレイヤーです。 是非、8月10日の第1回演奏会も楽しみにしていただきたいと思います。〜〜〜〜〜8月10日(水)にはJ:COM浦安音楽ホール コンサートホールにて、 アンサンブル・フリーJAPANの第一回演奏会が開催されます。注目は、山本 和智:ソロバン、打楽器、弦楽器のための《マーマレード》(初演)です。ソロバンは、西久保 友広さん(読売日本交響楽団 打楽器奏者)が演奏してくださります。おそらく世界初の「ソロバン独奏」、どんなパフォーマンスになるのか、非常に気になります。たくさんの方々に演奏を楽しんでいただけるよう、精一杯準備してまいります。ぜひお越しください!アンサンブル・フリーJAPAN第1回演奏会のチケットはこちらよりご購入できます。またクラウドファンディングの応援も、引き続きよろしくお願いいたします。
室内楽 の付いた活動報告
アンサンブル・フリーJAPANとして初めてお披露目の場となる室内楽リサイタルまで、あと2日となりました。会場は渋谷の美竹清花さろんで、ヴァイオリンはアンサンブル・フリーJAPANのコンサートマスターの城所素雅さん、チェロはチェロ首席奏者の田辺純一さん、そして、ピアノは井上響子さんです。非常に良い曲で、私・浅野の大好きな曲ばかりを集めました。プログラムW.A.モーツァルト:ピアノ三重奏曲 変ロ長調 KV502逢坂 裕:ピアノ三重奏曲《乙女と一角獣》(委嘱作品/初演)J.ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 作品8プログラムのご紹介ブラームスのピアノ三重奏曲第1番は、彼が若い頃に書かれた作品です。他にも、若書きの作品と言えば、弦楽六重奏曲第1番やピアノ協奏曲第1番など…若い頃のブラームスの流れるような旋律を味わうことができます。 また、このピアノ三重奏曲第1番は、ブラームスには珍しく改訂前と改訂後の両方の楽譜が残っている曲です。改訂後の楽譜では、晩年のブラームスが「これは無駄だ」と思ったところが片っ端から削除されています。そのため「若い頃のブラームスの流れるような旋律」と「極限まで無駄を排した枯淡のブラームスの作曲技術」の良いとこ取りの作品に仕上がっているのです。 なかなか生で聴く機会のない作品でもあり、城所さんたちに頼み込み、プログラムに入れてもらいました。8月10日の第一回演奏会では、ブラームスの弦楽六重奏曲第1番の弦楽合奏版をやりますので、その先駆けとして、このピアノ三重奏曲第1番を楽しんでいただければと思います。一緒に演奏されるモーツァルトのピアノ三重奏曲も、大変良い曲ですが、長くなってしまうので割愛し、演奏を聴いてのお楽しみとさせていただきます。そして、逢坂さんの新作、ピアノ三重奏曲《乙女と一角獣》を聞いた私の感想としては、「現代でも、こんな美しい作品が生まれるのか」と思いました。先日の活動報告で逢坂さんについて紹介した通り、調性を使って作曲された現代音楽であり、まさに「理解しやすい現代音楽」の代表的な作品と言えます(語弊があるか?)。この曲の題材である、架空の生き物「一角獣(ユニコーン)」は、獰猛な性格を持ちながらも、乙女に心を惹かれるという両面性があります。 その獰猛さを象徴するような疾走感あふれる2楽章の演奏の一部を先行して公開しています。城所さんたちも「この作品は素晴らしい」と太鼓判を押してくれる一曲です。そして、奏者も素晴らしいです。リハーサルでは、3人が作品と真剣に向き合う姿勢も素晴らしく、もちろん音色も素晴らしいと、改めて感じました。ピアノの井上響子さんのご紹介も。 桐朋学園でピアノを学び、「異質な環境で音楽を学びたい」とパリの音楽院に留学されました。ドビュッシーやラヴェルなどももちろん、ドイツ系の作品も熱心に学ばれたそうです。 オーケストラに詳しくないピアニストも多い中、井上さんは交響曲をよく聴かれるそうです。ブラームスのピアノ作品を演奏するのに大変重要なポイントです。 好きな交響曲を尋ねたら、「ブラームスとスクリャービンです」とのお答えに(スクリャービンとはなかなかマニアックです)、私は非常に嬉しく頼もしく感じました。アンサンブル・フリーJAPANは、作品も奏者も作曲家も、私の大好きな曲や大好きな方々を集め、作り上げているのです。奏者は技術的にも音楽的にも素晴らしいプロフェッショナルな方々達を集めています。そうすることで、心の底から、皆様におすすめすることができます。さらにこの室内楽演奏会は、そのエッセンスの詰まったトップ奏者たちと作曲家で行うので、まさにイチオシの演奏会となっています。6月20日の夜は渋谷にぜひお越しください!私の大好きで素晴らしい音楽が詰まった演奏会を、一緒に楽しみましょう。チケットはこちらそしてクラウドファンディングは目標金額の61%を達成し、残り1ヶ月を切りました。本当にありがとうございます。引き続きご声援やシェア・拡散等にご協力を何卒よろしくお願いいたします!
今月6月20日(月)19:00より、渋谷の「美竹清花さろん」にて、逢坂裕さんのピアノ三重奏曲《乙女と一角獣》(アンサンブル・フリー委嘱作品)がアンサンブル・フリーJAPANのコンサートマスター城所素雅さん、チェロ首席奏者の田辺純一さん、そしてピアノ奏者の井上響子さんによって初演されます。こちらはアンサンブル・フリーの委嘱作品、逢坂裕さんの「交響曲」です。映画音楽のようなドラマティックな音が沢山しますが、それでいて先の展開を読み切ることができません。 逢坂裕さんは、「調性音楽には、まだまだ可能性があると思います」と言い、活動されています。「調性音楽」とは、「ハ長調」や「イ短調」のように「調」の仕組みを使って書かれた音楽で、一般に生活していて耳にする音楽のほとんどは「調性音楽」です。20世紀の初頭、「調性音楽にできることは既に終わった」という観点から「無調」の音楽が書かれはじめました。現在も芸術音楽(現代音楽)の分野で「調性音楽」を書く人は、それほど多くありません。いま「調性音楽を書く」ということは、過去の偉大な作曲家たち、ワーグナーやブルックナー、マーラー、ドビュッシー、バルトークにストラヴィンスキー…彼ら以上のことを成し遂げねばなりません。そうでなければ、「やっぱり過去の作品のほうが良かった」という結論になり、「調性音楽」は過去の遺物になるからです。これが、この21世紀に商業音楽ではなく芸術音楽の分野で「調性」を使って作曲することの厳しさです。 逢坂裕さんは「調性音楽を書く作曲家」として、挑戦し続けているのです。クラシック音楽だけでなく、現在の商業音楽(映画音楽やテレビのCM音楽など)さえも研究し、常に自らの知識を蓄え、作曲の技術を磨いています。私はスコアリーディングで分からないことがあると、真っ先に彼に連絡し、教えを乞います。彼の教え方は素晴らしく、丁寧に解説して下さるし、私が分析に迷っている和声が過去に一体どの作品で使われているか、いくつも例を挙げて示してくれます。この逢坂さんの作品を是非聴いていただきたい。そして戦い続ける彼の応援者を増やしていきたいのです。6月20日の室内楽演奏会の奏者たちもまた、逢坂さんの作品の素晴らしさを最初のリハーサルから理解してくれました。高い技術を身につけた奏者になればなるほど、楽譜を書いた作曲家の技術を瞬時に理解できるものです。作品が奏者に愛されてこそ、真に良い演奏ができると私は思います。私たちの周囲には、「まだ有名にはなっていないだけで、一流の技術を身につけた音楽家」の方々が沢山いらっしゃいます。このような方々が存分に力を発揮できるよう応援してこそ、私たちの国の音楽文化は豊かになるのではないでしょうか。よろしければ6月20日のピアノトリオの演奏会"アンサンブル・フリーJAPAN 室内楽コンサート vol.1”に是非お越し下さい。優れた作曲家と演奏家を応援するクラウドファンディングも引き続き、よろしくお願いいたします。チケットはこちらから逢坂裕さんの「交響曲」