アンサンブル・フリーJAPANとして初めてお披露目の場となる室内楽リサイタルまで、あと2日となりました。
会場は渋谷の美竹清花さろんで、ヴァイオリンはアンサンブル・フリーJAPANのコンサートマスターの城所素雅さん、チェロはチェロ首席奏者の田辺純一さん、そして、ピアノは井上響子さんです。非常に良い曲で、私・浅野の大好きな曲ばかりを集めました。
プログラム
W.A.モーツァルト:ピアノ三重奏曲 変ロ長調 KV502
逢坂 裕:ピアノ三重奏曲《乙女と一角獣》(委嘱作品/初演)
J.ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 作品8
プログラムのご紹介
ブラームスのピアノ三重奏曲第1番は、彼が若い頃に書かれた作品です。他にも、若書きの作品と言えば、弦楽六重奏曲第1番やピアノ協奏曲第1番など…若い頃のブラームスの流れるような旋律を味わうことができます。 また、このピアノ三重奏曲第1番は、ブラームスには珍しく改訂前と改訂後の両方の楽譜が残っている曲です。改訂後の楽譜では、晩年のブラームスが「これは無駄だ」と思ったところが片っ端から削除されています。そのため「若い頃のブラームスの流れるような旋律」と「極限まで無駄を排した枯淡のブラームスの作曲技術」の良いとこ取りの作品に仕上がっているのです。 なかなか生で聴く機会のない作品でもあり、城所さんたちに頼み込み、プログラムに入れてもらいました。8月10日の第一回演奏会では、ブラームスの弦楽六重奏曲第1番の弦楽合奏版をやりますので、その先駆けとして、このピアノ三重奏曲第1番を楽しんでいただければと思います。
一緒に演奏されるモーツァルトのピアノ三重奏曲も、大変良い曲ですが、長くなってしまうので割愛し、演奏を聴いてのお楽しみとさせていただきます。
そして、逢坂さんの新作、ピアノ三重奏曲《乙女と一角獣》を聞いた私の感想としては、「現代でも、こんな美しい作品が生まれるのか」と思いました。先日の活動報告で逢坂さんについて紹介した通り、調性を使って作曲された現代音楽であり、まさに「理解しやすい現代音楽」の代表的な作品と言えます(語弊があるか?)。この曲の題材である、架空の生き物「一角獣(ユニコーン)」は、獰猛な性格を持ちながらも、乙女に心を惹かれるという両面性があります。 その獰猛さを象徴するような疾走感あふれる2楽章の演奏の一部を先行して公開しています。城所さんたちも「この作品は素晴らしい」と太鼓判を押してくれる一曲です。そして、奏者も素晴らしいです。リハーサルでは、3人が作品と真剣に向き合う姿勢も素晴らしく、もちろん音色も素晴らしいと、改めて感じました。
ピアノの井上響子さんのご紹介も。 桐朋学園でピアノを学び、「異質な環境で音楽を学びたい」とパリの音楽院に留学されました。ドビュッシーやラヴェルなどももちろん、ドイツ系の作品も熱心に学ばれたそうです。 オーケストラに詳しくないピアニストも多い中、井上さんは交響曲をよく聴かれるそうです。ブラームスのピアノ作品を演奏するのに大変重要なポイントです。 好きな交響曲を尋ねたら、「ブラームスとスクリャービンです」とのお答えに(スクリャービンとはなかなかマニアックです)、私は非常に嬉しく頼もしく感じました。
アンサンブル・フリーJAPANは、作品も奏者も作曲家も、私の大好きな曲や大好きな方々を集め、作り上げているのです。奏者は技術的にも音楽的にも素晴らしいプロフェッショナルな方々達を集めています。そうすることで、心の底から、皆様におすすめすることができます。さらにこの室内楽演奏会は、そのエッセンスの詰まったトップ奏者たちと作曲家で行うので、まさにイチオシの演奏会となっています。6月20日の夜は渋谷にぜひお越しください!私の大好きで素晴らしい音楽が詰まった演奏会を、一緒に楽しみましょう。
そしてクラウドファンディングは目標金額の61%を達成し、残り1ヶ月を切りました。本当にありがとうございます。引き続きご声援やシェア・拡散等にご協力を何卒よろしくお願いいたします!