飛行機乗りに憧れた森さんは、コンボイの運転手をしながら軽飛行機のライセンス取得に挑戦し、猛勉強と実技訓練の末、見事、パイロットになります。森さんにその教科書を見せてもらうと、分厚くずっしりと重たく、当然のことながらすべて英語です。「めちゃくちゃ難しそう」、「スゴい」、「かっこいい」・・・、私は興奮しながら夢中でページをめくりました。教科書にはアンダーラインや重要な単語の書き込みが残っていて、その筆跡から、異国でひたむきに学ぶ、森さんの姿が浮かび上がりました。
こんなにもアクティブで実行力にあふれた人生を送っていた森さんが、全身麻痺で言葉を発することができなくなりました。2年間、心ない言葉や粗雑な扱いに耐え、じっと天井だけを見つめて過ごした後、視線入力という方法を習得し、私たちにメッセージを投げかけています。
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