一年前の3月22日。
私と妻は、関西空港第1ターミナルの国際線到着口の前で、じっと時計と電光掲示板を交互に見つめていた。感じたことのないような、複雑な思いを抱きながら。
二人を戦禍から避難させてこられた安心感や、久しぶりに会えるという期待はありながらも、今後、どのような生活になっていくのか、どうやって養っていけば良いのかという不安が私と妻の頭の中には確かにあった。
もちろん、その場で、この話題を口に出すわけもなく、その話をすることになるのは、少し後の話である。
「明るく全力でサポートしよう」という決意を固めながらも、正直、憂慮に耐えなかった。
待つこと5時間。
ついに、待ちに待ったイリーナさん、ギャリーナさん二人が
到着口から姿を現した。
『泣かないようにしよう』という口約束は、一瞬で破られた。『再開の瞬間を撮っておいて』という妻からのお願いも、全く叶えられなかった。
感情の種類は、うまく表現できないが、込み上げてくる強い思いが私の身体の自由を奪い、ただただ、その光景を見ることしかできなかった。妻曰く、私も涙が出ていたそうである。
私たちは、ようやく、再会することができたのであった。
あの日から一年が経ちました。
小生の人生の中で最も多くの皆さまに支えていただき、助けていただいた一年間でした。本当にありがとうございます。
2月 ロシア侵攻
3月 母と祖母避難
4月 キッチンカープロジェクト始動&県庁にて記者会見
5月 キッチンカークラウドファンディングを開始&出店開始&市役所にて記者会見
6月 キッチンカー納車
7月 本オープン
8月 東京店オープン&大阪ウメキタ広場出店
東京丸の内出店時
大阪ウメキタ広場出店時
9月 イナズマロック出店
10月 鈴鹿サーキット出店&キッチンカー交通事故
F1鈴鹿サーキット日本選手権決勝出店時
11月 ふるさと納税開始
彦根市ふるさと納税Faina利用券
京都国立博物館出店時
これほどまでに、多くの方々の優しさに触れることができ、笑顔をお返しする機会を持てたウクライナ避難民は、なかなかいないと思います。
多くの苦難がありながらも、なんとか前向きに歩みだすことが出来ております。
皆さまの優しさやお力添えのおかげです。本当に本当にありがとうございます。
昨年の今日、私たち夫婦が抱いていた、
『今後、どのような生活になっていくのか』
という不安は、私と妻の頭の中には、依然として残ってはおります。
しかし、
当時は考えられなかった『未来に向けて、頑張ろう』という活力が、私たち家族やFainaのメンバーの間に満ちております。義父:ローマンさんも、です。
これは、とても大きな変化です。
心より感謝申しげます。
今後は、より、和を広げられるように精一杯頑張ります。
引き続き、何卒よろしくお願いいたします。