2022/06/28 10:00

こんにちは


鈴木 彩花です。


今回の活動報告は

昨年パフォーマーとして参加した

実験躰ムダイさんと、当時1才の娘のルカちゃんが

原始感覚美術祭で体験したお話です。


わたしはムダイさんとルカちゃんにボディペイントをして

コラボレーションしました。


ムダイさんから聴いたお話を

わたしの目線も交えてお届けします。


それではどうぞ。


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お腹にルカちゃんが宿ってから

身体を大切にしつつ


臨月までお腹の中の生命とともに

舞台で踊り続けてきたムダイさん。


ルカちゃんが産まれてからも


舞台の上で、時にあそびながら

時にあやし乳をあげながら

一緒にパフォーマンスをしてきました。


踊りながら

すくすくと育ってきたルカちゃん


初めての子育てのなか

娘のことを本当に想い

たくさんのことを考え

試行錯誤してきたムダイさんは


東京で暮らすなかで

ルカちゃんがテレビやスマホが好きで離れないことや

食が細いことを心配していました。


断乳した方が、ご飯をもっと食べるのじゃないか?

という、周りのアドバイスもあり

ルカちゃんのために、断乳に踏みきろうかと考えていたこともあるなか


原始感覚美術祭に誘われ

パフォーマンスをしにきました。


2021年は

火おこしの儀・宵祭り・本祭りと

3日間のお祭りがありました。


長野の山々を眺め、空気を吸い

木崎湖の雄大な水に触れあそんだり



昔ながらの木ともぐさでの

火おこしを体験し


不思議な存在

もののけのような獅子舞たちが踊る姿に

驚き泣いたり


千年の森での山道を

母子ぴったりくっつき登り降りして

作品を鑑賞したり


太鼓の鳴る音を聴き


山車を引いての木崎湖一周で

みんなと練り歩くなか

最後ルカちゃんは両手を上げ下げしながら

みんなと一緒に笑顔で踊っていました。


そうした時間を過ごしてから迎えた

最終日、本祭りでの即興パフォーマンス


準備の段階で、ムダイさんにボディペイントをしているときに

ルカちゃんがじっと見ていて

ときどき指をさし「あ!」と話す姿が印象的でした。


本番がはじまり

抱かれて登場したルカちゃんの顔は

凛と澄んでいて


ムダイさんと一体となっていました。


場には静謐な空気がうみだされ


そのなかで、徐々に轟くように鳴り響く

永井朋生さんの演奏があり


佐々き み菜さんも

ひとじゃない生き物のように

同じ場で踊るなか


ルカちゃんは一度も泣かず

じっと前を見据えていました。


パフォーマンスが終わったあと

ムダイさんが驚いた様子で言ってくれたこと


ルカちゃんが、はじめてパフォーマーの顔になった。


さまざまなパフォーマンスや作品を、

3日間通して観て

場の空気を体感して


ムダイさんが研ぎ澄まして 入り込みたい

今回の踊りの流れも感じて

「わたし、できるよ!ママ」

と言ってくれているような

どっしりとした頼もしさを感じた。と。


パフォーマンスをやる前は

泣くこともあるかもしれない。と

共演者と相談していたムダイさん。


泣いたら泣いたで、それが自然な姿だから

泣いてるのをみんなで見守るのもよいのじゃないかと伝えてくれた永井朋生さん。


ちいさな存在が

その場で思う存分

自分の感覚を生かし在れること


泣いてもよいし

自分を試してもよい。


さまざまな表現をするひとたちがいるなかで、何を感じとるかは本当に自由で


自分が感じとったことから

何がうまれてくるのか。


体験して

おもいもよらぬものが

うまれてくることもあるとおもいます。


まだ知り得ぬ自分や

関わりあったからこそうまれる

さまざまなこと。


土地の自然や、ひと

さまざまな生きものたち


音、空気、水


すべてを感じとり生きれること。


祭りが終わってから

ムダイさんと話したことは


ルカちゃんが長野にきてから

もりもりご飯を食べ

お乳もたくさん飲むようになったこと。


しっかり排出もして


あるときから

スマホをポイと手放したこと。


この世は、たくさんの刺激やおもしろいものであふれていて


虫や、草や、湖や

不思議な表現者たち


出逢ったものたちが

ルカちゃんのなかで

どのように存在して

光っているのだろう。


今年2歳になったルカちゃんは

よくしゃべるようになり

「踊らない、見てる!」と言ったり

「やっぱり踊る」と言ったりするそう。


そのひとつひとつの姿が

今を生きていて

とても心地よいなぁとおもいます。


ルカちゃんや、ムダイさんや

ひとりひとりの姿から

感じて、学ぶことがたくさんあり

嬉しくおもった出来事なのでした。


個人的に、泳げなかったムダイさんが

最終日、木崎湖に飛び込んでいる姿にも

感動しました。


たくさんのものを
はぐくむ世界。


さて今年は、

どんなものがうまれてくるのか

どきどきと 心踊っています。


自分が何を見て 何を感じるのか

未だ知り得ぬものを感知し、歩んでいけることが

この世界の醍醐味のひとつなのだとおもっています。


鈴木 彩花
https://www.instagram.com/tenohirayaka/

実験躰ムダイ & ルカ 
https://www.instagram.com/8mudai8/