2022/06/27 17:00

こんにちは

鈴木彩花です。

たくさんのご支援いただき、ありがとうございます!
みなさまのおかげで、100%以上を迎えられていて胸がいっぱいです。

クラファンもいよいよ残り3日となりました。

今回は、絵描きであり俳人でもある

境 航さんの活動報告です。

今年原始感覚美術祭に初参加してくれます。


2021年は、原始感覚美術祭のメンバーが各地に巡業する流れがうまれました。


そのひとつである北海道・北東北の縄文遺跡群のユネスコ世界遺産登録を祝う
縄文巡礼イベントで、境さんは襖絵を展示しました。


青森在住の 舞踏家 雪 雄子さんや、縄文友の会 山田スイッチさんらと企画をし、
津軽三味線の演奏などもあり、青森の地を感じるイベントでした。
https://www.primitive-sense.com/tour3/


クラウドファンディングがはじまってから、何か貢献したいという熱い想いから
「全てを許す雨」と「METAMORPHOSE」いう返礼品を用意してくださいました。
この機会に、境さんの作品をぜひチェックしてみてください。

それではどうぞ。


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「全てを許す雨」


今回、初参加の境航です。

原始感覚美術祭には初参加ですが、去年、縄文巡礼というイベントが地元の青森でも開催され、ご縁があって襖絵6枚を展示させて頂きました。


どんな絵を描くかは

二つ候補があって、

森か雨でした。


これは実際に使用する会場を見学して雨に決定しました。

会場は旧水元小学校という木造の立派な校舎で付近に津軽富士見湖があったからです。

(後で気づいたのですがこの小学校は祖父が校長を勤めた学校でした。本当にやってよかったです。)


絵は一週間ほどで大体出来上がりました。


この際、いつもそうですが、制作においては常に完成形は想定せずに描くのが私のやり方で、描いていく内に無心で出てくるものをまず出して、後は霊感に従って、インスピレーションのおもむくままにという具合です。


自分としては絵を描くというよりは、絵具を使って画面上に自然を形成するイメージです。


大体なんでもそうですが、

あーしよーこーしよーとコントロールするような考えでなにかをすれば醜くなるだけです。

なにかのはずみで出来てしまって、思いもしない人生を歩むから面白いのだと思います。


描いてて思った通りに出来ることほどつまらないものです。

逆に失敗したり、偶然傷が生じたり、色を濃くしてしまったり、塗らない方が良かったなんてことが起こってしまってからが面白い。


完成した雨はメインイベントの舞踏の舞台背景として、

これから何か始まる期待感の演出と、終わってからの余韻を静かに受け止める役割を果たしたと思います。


即興で、この襖絵の両脇からつむらさんと黒田さんが踊りながら出てきたのが特に嬉しかったです。

作って良かったと思いました。ありがとう。


以前には、本当に原始感覚美術祭が開催し始めの頃だったと思いますが、観客として木崎湖を訪れたことがあります。


私の地元青森で活躍されている舞踏家の雪雄子さんの公演を見学するのが目的でした。

(雪さんが居なければ私は参加していないでしょう、雪さん、ありがとうございます。)


初めて木崎湖を訪れた時は抜群のロケーションの中でゆるい共同体のようなものが祭を通して出来上がっている様子に感動したものです。


これは時代の最先端をやっているなと思いました。


というのは日本の衰退に合わせて社会保障が破綻すれば、自然と共同体をつくって助け合うことで貧しくとも豊かに暮らせる環境を創り出していくことににるだろうと予見していたからです。


原始感覚美術祭にはその萌芽のようなものが感じとれました。


ここをご覧になられている皆様も生きている以上は苦しんでいらっしゃるに違いないと思いますが、

その苦しんでいる時に一人でいるのと、共同体にいるのとでは全然気分が違うと思います。


もっとも例え一人で居たとしても淋しくない人間になることが重要ですが、

そういう人間が集まって助け合うなら、それは強力な集団になるでしょう。

それは生き残る集団です。


芸術というのは生き残ることです。

ポンペイの人々は滅びても、ポンペイの美術は残る。

芸も術も、正に生き残るための文字です。

ARTの原義も、元々は技術でした。


強引な解釈で申し訳ないですが、

芸術を生き残るための手段として捉え直せば、それは誰にとっても真剣な問題になるでしょう。


原始感覚という言葉には芸術の本来を問い直す力があります。


きっとここをご覧の皆様はそのような生き残るための感覚を敏感に察知して来られたのではないでしょうか?


世間の邪智の洪水から身を守るために、

原始感覚という言葉や、

楽しげで、

自由な人間らしい雰囲気に光明を感じていらっしゃったのではないでしょうか?


最期に残るのは思い出だけです。


苦しい思い出を楽しい思い出で塗り替えるためには、

苦しさに執着する呪いを断たねばなりません。

そのためには全てを許すことです。

この世の邪智を許しましょう。


僭越ながら、

返礼品として「全てを許す雨」を用意させていただきました。

あなた様の芸術とその先の楽園へと繋がりますように



深々と傷を許して八雲湧く破顔のごとに雨後の風から


令和四年6月20日京都、和束町にて

境 航 https://www.instagram.com/watarusakai/