サニーウインググループPRコーディネーターの今井美穂です!
おれんじマートクラウドファンディングにご支援頂いた
企業の皆様をご紹介していきます!
一般社団法人 日本グリーフ専門士協会
代表理事 井手 敏郎様にお話お伺いしました。
Qどんなきっかけでおれんじマートを知ってくださったのですか?
(井手様)サニーウインググループの皆川さんとは30年来の友人なんです。
私が経営者として駆け出しの頃に色々と協力してもらって、理事にも入ってもらいました。そういったご縁もありますが、今回おれんじマートのクラウドファンディングを知り、自分の地域の課題でもあると思って、ご協力させて頂きました。
Qグリーフケアについて教えて頂きたいです!
(井手様)グリーフって日本人には馴染みのない言葉ですよね。死別などによる悲しみ嘆き、それに伴う反応をグリーフと言います。大切な人を亡くした後に、悲しむだけではなく、眠れない・食べられない・物事に集中できない・人に会うのがつらいといったさまざまな心身の反応のことです。
グリーフの状態は必ずしも病気ではなく、喪失体験においての当然の反応です。しかし自分の状態がグリーフと分からないと、病院に行ってうつ病と誤診されたりすることもあり、抗うつ剤などで余計に調子が悪くなることもあったりするんです。
こういった状態の時に必要なのは、寄り添ってもらえることと時間。身近に寄り添ってくれる人がいれば良いですが、支えになってくれる人が近くにいない場合も多いですよね。そんな方々の悲しみや嘆きに同行していける人材が必要だと思ってきました。
ー大切な役割のお仕事ですよねー
(井手様)死別は、人が誰しも通る道であって、特別な支援やグリーフケアは必要ないのではないかという声もあります。でも誰しもが一人で生きていけるわけではない。幼い時につらく困難な経験をされた方が、何かの形で気持ちを表出することができない場合、大人になってからの死別などの体験をしたで、痛みを抱えきれなくなってしまうことがあります。
例えるなら、コップに衝撃を加えてもそんな簡単に割れません。でもコップにひびが入った状態だともろくなって、後の小さな衝撃でも壊れやすくなることがあります。
そういった時に相手の背景を深く理解しながら寄り添うことで支えになることもできます。
心に傷を抱えた時に、その「哀しみの居場所」を作る取り組みがグリーフケアだと思っています。
Q協会としてどのような活動をされているのですか?
(井手様)哀しみに同行するグリーフ専門士とペットロス専門士の養成です。グリーフケアスクールを立ち上げ、資格取得された方が850名ほどいます。看護師・介護福祉士など、医療福祉の現場の方をはじめ、さまざまな立場の方が学びにいらっしゃいます。
訪問看護だと死別まで関わることもあります。しかしその後、ご遺族にどう接したらよいか分からないという場合もあるのではないでしょうか。死別をされた方のお気持ちはとても繊細で、中にはトラウマを抱えているケースもあり、普段とは異なる接し方が必要なことがあります。にも関わらず、心理系の大学や大学院でもほとんど学びが提供されていないのが現状です。
そこでグリーフケアについて専門的な知識と実践的な関わりを学べる場と、死別経験者同士が支え合っていく場を用意しています。
グリーフケアの中心的な取り組みとしてIERUBAというサイトを運営しています。死別した後、誰にも話せなかった本当の想いを「言える場」 心の痛みが「癒える場」であることを願ってスタートしました。大切な存在を亡くした哀しみが、周りに支えられて、やわらいでいく場であるように、希望に合わせて、遺族同士で語りあえる「わかちあいの会」と1対1でゆっくり想いをお話しいただける「カウンセリング」があり、いずれもオンラインでご参加頂けます。
特に死別を経験した直後はエネルギーが消耗していて、外に出たくない、人に見られたくないという人も多い。この場所に来てくださいといっても行けない人も少なくありません。そういう方に自宅で自分がリラックスできる環境でお話しできるというのは重要かなと思っています。
Q参加された方の心の変化は?
(井手様)集っている方たちが、それぞれの死別の経験に近いことを語りあうことで、私だけじゃないと思って一定の安心を得られたりします。
死別の経験を「哀しみ」という言葉で表現することがありますが、「哀」という文字は、口という字が衣という字で隠されていますよね。引き裂かれるような自分の気持ちが衣で覆い隠され、そのまま外に出せないことがある。死別をすると、この哀しみを中核にして、混乱・否認・怒り・罪悪感・抑うつ・その他、さまざま状態を経験します。蜂が巣箱を行き来するように、この状態を行き来するんです。しかし、人は、それらを繰り返しながらも徐々に再生へ向かっていく。哀しみがなくなったわけではありませんが、徐々に自分らしく生きていけるようになっていきます。
IERUBAは生きることが困難になっている方の、学校でいうと保健室みたいな役割になっているかなと。病気じゃないけど、ちょっと休むことができる心の避難場所になれたらと思っています。
Q最後にメッセージをお願いします!
(井手様)苦しいときとかつらい時に黙って聞いてくれる人っているようでいないんですよね。つらいと言うと、頑張って前向こうよとかアドバイスしてしまう方も多くいますが、それを言われた人は苦しい気持ちに蓋をしてしまうかもしれません。まずは横にいること、黙って耳を傾けることは、薬以上の支えになると思います。
ーだからこそ同行者なのですねー
あと、つらい時は誰かに頼っていいよって伝えたいですね。苦しい時に支え寄り添ってくれる場所があるよと知ってもらいたい。哀しみってなくしたり、隠さなくてもよい、大切な感情で人間にとって必要な感情だと。
グリーフという状態は病気ではなく、死別という非常時においての正常な反応です。その反応を知ることで自分の今の状態を認められることもあります。結果的に心身を守ることができるんです。
今後誰しもが関わることなので、グリーフという言葉が広がっていくことを願いながら活動を続けていきたいと思います。
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大切な方との別れは今後誰しも起きうること。
今からグリーフケアの存在を知っておくことで未来の自分のためになるんだと実感しました。
一般の方でも無料で受けることのできる入門講座をはじめ、グリーフケアに触れる場、語る場などが沢山用意されています。
自分のために誰かのために、まずは知ること、関心を持つことが大事ですね。
貴重なお話ありがとうございました!
一般社団法人 日本グリーフ専門士協会
グリーフサポートIERUBA