2022/07/07 19:36

杉浦菜々子です。

今日は、母校である武蔵野音楽大学へ行き、本プロジェクトの返礼品になっているCDを寄贈してきました。現在制作中のCDと楽譜も母校にいずれ、寄贈したいと思っています。本プロジェクトのミッションは何といっても、日本の貴重な文化遺産である「知られざる山田耕筰のピアノ音楽」の普及です。皆様から頂いた資金はこうした活動に充当させて頂きます。

 そんなわけで、今日は久々に母校に足を運びましたが、武蔵野音楽大学では、大学院博士前期課程の2年間学びました。それまで音楽大学に在籍せずにピアノを学んできた私にとっては、まさに夢のような環境で、夢のような2年間でした。社会人を経ての入学でしたので、当時27歳で、ピアニストとして既に成熟していても良い年齢ですが、そこからがスタートでした。出会った先生方、友人たちとの時間は、かけがえのないもので、今に繋がる大事な大事な2年間です。

さて、本日、武蔵野音大に寄贈したのは、以下のCD5点です。

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①「休暇の日々~フランスバロックからセヴラック、タイユフェールまで~」 ピアノ:杉浦菜々子

②「山田耕筰ピアノ作品集《子供と叔父さん(おったん)》 」【レコード芸術特選盤】 ピアノ:杉浦菜々子

③高久敏春「リュート、19世紀ギター,ギター」

④「J.S.バッハ&S.L.ヴァイス  リュート作品の鍵盤用トランスクリプション集」【レコード芸術準特選盤】杉浦菜々子(ピアノ)

⑤「近藤浩平&山田耕筰◆ピアノ作品集◆『麦草峠のギター』」ピアノ:杉浦菜々子 ギター:坂場圭介

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① 〈神秘のバリケード〉を原調の変ロ長調ではなく、ピアノの適正音域の変ロ長調に移調して演奏したり、ルイ・クープランの小節線のない前奏曲をピアノで演奏したり、、、実はこれまでにない試みを色々やってる挑戦的アルバムですが、家具のように生活に溶け込むようなとてもナチュラルな仕上がりです。

② 入手し得る限りの出版譜はもとより、自筆楽譜、初出版譜などを徹底的に校閲し検証。テンポや響き、表情など、洗いなおされて甦る山田耕筰の魅力。演奏と校訂の両面で高く評価された一枚です。

③名曲・秘曲揃いのアルバム。3つの楽器の特性に合い、且つクラシック音楽として一級と言える作品を厳選した充実の2枚組。その表現の可能性を開拓する高久敏春の卓抜した演奏をお楽しみください。

④J.S.バッハとS.L.ヴァイスのリュート作品を完全な鍵盤作品として生まれかわらせたアルバム。静岡バッハハウスのベーゼンドルファーで収録。『レコード芸術』6月号より、「温もりと艶のある音色がリュートの持つ優雅で木質の響きを代弁している。」「ヴァイスの4作品は全て山中哲人の編曲によるもので、ピアノ書式からの積極的な表現方向が明瞭で、それぞれの曲のスタイルを十全に活かしている。」(草野次郎氏)「モダンのピアノにしては響きの混濁が少なく、しかも響きの作り方がリュートに近い。フーガの各声部の動きもよくわかる。」「当盤を機にこれらの曲をもっとピアノで弾く人が増えてくれればと願う。」(那須田務氏)

⑤これまでにない不思議な時間感覚を体験できるイチオシの最新作です。麦草ヒュッテオーナー島立正広さんの美しい写真や、作曲者近藤浩平による観光案内など、現代音楽やクラシックの概念を超越して自然存在に昇華した仕上がり。徐々に近藤浩平と山田耕筰の境目が失われて行き、近藤の会心作〈三段峡と八幡高原〉の神々しいサウンドは時が止まったよう。ヤマハC3Xespressivo の響きも圧巻で録音も秀逸です。


①②④⑤がクラウドファンディングの返礼品になっているCDです。

このプロジェクトで制作を進めているCD「知られざる山田耕筰のピアノ音楽」と楽譜「山田耕筰ピアノ拾遺1〜3集」も寄贈後、音楽大学の学生さんにたくさん触れていただきたいと思います。