応援してくださっている皆さまへ
大原とき緒です。皆様、すっかり緑の季節ですが、お元気でお過ごしでしょうか?
おかげさまで『人形たち~Dear Dolls』×『Bird Woman』の東京シネマ・ロサさん、大阪シアターセブンさんでの公開は、終了いたしました。特にシネマ・ロサさんには多くのお客様に来ていただき、感想などSNSで盛り上げていただき、感謝しております。今後の公開については、近日中に、お知らせできるかと思います。
私は、大阪公開が終わった翌日4月22日に成田空港を発ち、アルゼンチンのブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭(BAFICI)に参加しておりました。『Bird Woman』がコンペティション部門に選ばれ、初めてブエノスアイレスに行ってきました。ブエノスアイレス、飛行時間だけでも、片道24時間以上かかり、帰国には3日間かかりました。時差も12時間。時差ぼけに、行ってからも帰国してからも苦しみましたが、行って本当に良かったです!
ブエノスアイレス、街中に映画館と本屋とゴミ箱がとても多かったの印象的でした。「南米のパリ」と称されているそうですが、歩道に犬の○ンチがたくさん落ちていたり、歩きタバコの人が多かったりと1990年代のパリに似ているなって個人的には思いました。古い建物がそのまま使われているので、街並みがとても美しく、巨樹が多いのが印象的でした。
そして、国民の9人に1人が銃を所持していたり、貧富の差が激しいことから、治安があまり良くないということで、かなり緊張感をもって行動していました。繁華街の街中の普通の歩道に寝泊りしている人も多かったですし、滞在中、何度か外務省や大使館から、治安に関する注意喚起が届きました。コロナに関しては、街中や劇場、バスやメトロではマスクを着用している人は、ほとんどいなくて、している人は医療用のものを付けていました。
『Bird Woman』は、3回の上映とQ&Aがありましたが、全回、映画祭が始まる数週間前から完売と聞いていました。どちらかというと若い観客が多くて、笑い声も大きく、とても熱い反応でした。3回のうち2回は21時以降の上映で、Q&Aが終わるのが23時以降というにもかかわらず、多くの方が残ってくださり、積極的に質問をいただきました。BIFANの時にも訊かれた「なぜ鳥なのか?」に加えて、どのようについて製作されたのか?どこまでが日本の現実の状況を表しているのか?女性たちは声をあげ始め、声をあげることによって政府は何か策を出してきているのか?などといった質問が印象的でした。ロビーに出ても、音楽がとても良かったと音楽家に伝えてくれ、過去作観たい、バードマスクを創ったアーティストの名前を教えて欲しい等、質問いただいたり、鳥マスク姿で写真を求められたりしました。痴漢撃退!缶バッチを今回も配ったのですが大好評でした 。女性からは勇気を出してこの映画を創ってくれて、ありがとうという言葉が多かったです。そして、泣いている女性もいました。
観客の皆さんの感想を伺いながら、Flashクリエイターの岸本真季さんからいただいたコメントを思い出しておりました。
出発前、『Bird Woman』を観てくださったアルゼンチン大使館の方から、アルゼンチンの女性は痴漢などにははっきり声を上げる方だと伺っておりました。通訳をしてくださっている現地の方からは、意外と声をあげないということもお聞きしました。アルゼンチンでは、主にカップルや夫婦がメインですが、男性から女性の暴力や、暴力からの殺害が増えていると教えていただきました。また、コロナ以降、子どもの自殺も増えているそうです。
残念ながら、コンペティション部門での受賞はできませんでしたが、いくつかのスペイン語の記事でも注目されていたようです。
アルゼンチンの美味しいものも映画祭の招待でいただきました。お肉ばかりですが、アルゼンチンは人口の数よりも牛の数の方が多いということです!
『Bird Woman』の国際映画祭への応募は、今年の3月でちょうど応募開始から1年になることから、一旦終了しようと考えております。『人形たち~Dear Dolls』と『Bird Woman』の日本国内での上映は今後も続いていくかと思いますが、必要な人のところにこの映画を届けられたらと願っております。どうぞ今後とも、応援の程、よろしくお願いいたします!
かつては動物園でしたが、多くの動物が野生へ戻され、孔雀たちが自由に歩き回るブエノスアイレスのエコパルケの孔雀さんたち。