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本日は、今なおアフガニスタンで恐怖を抱えながら暮らす、女性のストーリーをお届けいたします。
自らも家族と逃れた隣国で育ち、教育を受けて身をなした女性として、今は恵まれない女性のために働く彼女の使命感は並々ならぬものです。その一方で、タリバンからの脅迫による恐怖と、子どもを安全のために家に閉じ込めておかなければならない母親としての葛藤は並大抵のものではないはずです。
ぜひ、ご一読ください。
『恵まれない女性のために働くマラライの恐れ 』
私の名前はマラライ・エマニ(仮称)34歳です。夫、子ども、夫の姉妹と一緒に首都のカブールに住んでいます。私の夫は旧ガニ政権の公務員として働いていましたが、タリバン暫定政権となってからは職を失いました。幸い、私が国際機関の職員だったので、なんとか7人家族を私1人の稼ぎで養っています。
2021年9月以降、タリバンを名乗る脅しの手紙をいくつか受け取りました。それは、私が女性への暴力の撤廃や保護、権利への啓もうを推進する責任者としての役割を国際機関で与えられ、積極的にイベントを企画し実行してきたからです。
私は国際機関に務めてきた11年間、青少年・大人が、小学校3年生レベルまでの字の読み書き・簡単な算数ができるようになるための教室の運営に関わってきました。アフガニスタンでは成人の識字率が国全体の人口の半分に満たず、特に女性と地方の状況は劣悪です。地域によってはほぼ100%の女性が読み書きをできないところもあります。そのため、識字教室の参加者は、ほとんどが女性でした。これまで識字の仕事を通じて、多くの女性が置かれた困難な生活を見聞きしてきました。教育や就労する上で、女性の権利が大きく妨げられている国に育ちましたが、タリバン政権だった1990年代は隣国に逃れた両親のお陰で、私は教育を受けて教師免許を修得し、のちに国際機関での仕事をみつけることができました。恐らくこの国の数パーセントでしかいない幸運に恵まれた女性の職業人として、他のアフガニスタンの女性の困難な状況へなんらかの良い変化を少しでも起こしたいという思いは強いものでした。
この教室は、日本政府の支援に拠って実施されていて、研修のために日本を訪れたこともあります。夫も私も、短い期間ですが、アメリカ政府のプロジェクトで働いていたこともあります。このような私の経験や、この国の女性の権利・立場の向上への取り組みと思い入れは、今も女子中学生・高校生のための学校を閉鎖し、女性は頭からつま先まで姿を隠して外出し、遠くへ行くときには男性の親族に付き添われなければならないとするタリバン暫定政権とは相いれないものです。
私が最も恐ろしく感じたのは、タリバンが首都を制圧してすぐに受け取ったタリバンからのメモです。「家族全員を私の目の前で殺して、私を罰する」というメモが家のドアに挟まれていました。さらに、数日後には、車の窓に、「人権と女性の権利を主張し、外国勢力と働く私は罰を受ける」という手紙が挟まれていました。タリバンに危害を加えられることを恐れて、私は家族と隣国へ逃れました。しかし、滞在費は高く、滞在許可が切れたので、今はカブールに戻ってきています。
アフガニスタンで生活していくことに身の危険を感じています。私の身の危険以上に、私の子どもたちを外出させることが恐ろしく、昨年9月からずっと学校には通学させていません。子どもたちが学校に通えず家で無為な時間を過ごしていることに、母親として心を悩ませています。
これまでの女性支援の仕事で、私の上役だった日本人に日本に逃れることができないか相談をしました。特別な配慮で滞在が認められるよう依頼をしてもらいましたが、留学か就労が日本でできるという事前の許可を取得してからでないと日本へは来られないという回答を得たそうです。ですので、日本語学校へ留学するという形で、日本への滞在資格を得て来日したいと思っています。2年間勉強をしながらアルバイトをして、いずれは自分の教師の経験を活かして、子どもに英語を教える職を日本で得たいと思っています。
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本クラウドファンディングへの挑戦では、このような社会課題がまさに私たちの目の前でおきているということを広く伝えていくことも、大切な目的の一つとしています。
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