前回の活動報告(ヘアロスキッズアンバサダーをご紹介します その①)の続編です。
私自身の事を振り返ってみました。
私と家族
私の髪が抜けたのは12歳。10代はウィッグをつけて過ごし、20歳を過ぎてウィッグをとり、それからはずっと日常生活も仕事も素頭です。でもそれは、決して簡単なことではありませんでした。私が「素の頭で生きたい」と言った時、両親は強く反対しました。もちろん私を想っての事でしょう。30 年近くも前です。両親は情報も少ない中、高額なウィッグ、正解の分からない治療の数々、健康食品 等、出来るだけのことをしてくれました。私のケア、学校との話、近所の目 ……様々なことに心を痛めながら、 向き合ってくれたことでしょう。 故郷を離れ、生まれ変わるように素頭生活を始めましたが、今は故郷でも素頭で歩きますし、親も私らしい幸せを喜んでくれています。感謝しかありません。
もしあの当時、私達親子に情報や繋がりがあれば、もっと気持ちを楽にしたり、時間やお金を更に有効に使えたかもしれません。今なお、家族だけで負担を抱えている方々がおられるはずです。 また、親が良かれと思って薦める治療やウィッグ、生き方が、時には子どもが望むものと違っていたりします。だから今、目の前の子どもの気持ちに寄り添って欲しい。… 半面、親だって弱さをもった 1 人の人間。我が子を中々受け入れられない時があっても、それは仕方のないことだと思います。 だったら家族以外の誰でもいい。社会のどこかに安心できる居場所、味方になってくれる人がいれば、 きっと救われる。そして、少しずつでも親子で多様な社会、選択肢に気づくことが出来れば、未来に希望が持てる。この『Alopecia STAND UP!』が、そんなきっかけになることを願っています。
自分色の花
子ども達や大切な人に願うこと、それはきっと「自分らしく幸せに生きてほしい」ではないでしょうか? 髪がなくても、何か特徴があっても、それはその人のほんの一部。 誰もが自分の種をもって生まれ、自分色の素敵な花を咲かせることが出来ます。 それを信じ、お花を育てるように水をやり、温かい光をあて、じっくりと成長を待ちながら 「可愛いね」「素敵だね」… そんな言葉を、みんなでかけ合っていきたいですね。
文:美緒乃
私の半生をつづった自叙伝です。ただいまクラウドファンディングのリターンでも出品しております。本を読んでくださる方々が、互いに手を取り合い、未来を照らす灯を見つけることが出来ますように‥‥。