ドクメンタ15が開催されてから3週間ほどが経ちましたので、栗林さんの現地活動の報告をさせて頂きたいと思います。会期は9月25日までなのでまだまだ会期の3分の1も終わってはいません。現状、現地での活動は行えていますが、活動資金の状況はまだまだ赤字の状態となっておりますので、ぜひともご支援宜しくお願い致します。
さて、今回のドクメンタ15はこれまでのドクメンタとは違い、「作品」というよりコレクティブ(目的を共有した集まり、チーム)の活動に焦点を置いています。
Cinema Caravan & Takashi Kuribayashi は移動式の空間を提供するため、元気炉そのものも移動を可能とする仕組みにしています。予算や時間・場所の制約がある中で、こうした仕組みも実装できるような工夫と、実際の元気炉の設計、組み立て、そして移動のたびの解体など、体力含めて困難な挑戦を続けているようです。
栗林さんによれば、「意気揚々とカッセルに乗り込んだら、半年以上も話し合いをしてきて、そこにあるべき材料や場所そのものがなく、お口あんぐりだった。。」と。本文でも「行き当たりばっちし」という言葉を紹介していますが、最初の会場の現場監督が、偶然にも栗林さんのドイツ留学当時の同級生で、28年ぶりの再会によって、作業場所、展示場所、工具類に関するサポートが得られてなんとか解決という順調な滑り出しをしたようです。
しかしながら、当初から制作をサポートするはずだったインドネシアのアシスタントがビザ問題で到着できない、ウクライナ情勢の影響で木材の入手も困難、価格は3倍に高騰ということで、ただでさえかつかつの予算を優にオーバーしてしまっているという過酷な状況の中で、栗林さんは、どれだけ楽しんで、どれだけ”アートではない”共有空間を作り上げられるかに対して、ひたむきに挑戦を続けています。
今回は、「蚊帳の外」というプロジェクトで、蚊帳の外の人たちを、蚊帳の中へと招き入れ、内も外もない世界を作り上げていくものです。固定された特定の場所をもらえなかったという、普通では考えられない条件下で、それなら場所も関係ない、モバイル式の空間に、ということで、まさにCinema Caravanとともに、キャラバンする世界を作り上げています。実際、6月21日にはフリードリヒ広場に移動して、元気炉を再構築し展示をしています。
開催後、現地のアート誌で何十ページにわたる特集が組まれていますが、特集の最初の見開きで、栗林さんの元気炉が紹介されており、じわりじわりと現地を訪れる人々の間で、活動が認知されています。
7月7日には当初展示をしたAue Parkに戻り、Meidan Festivalに参加することになりました。当フェスティバルのメインステージとサブステージの間に、Cinema Caravan & Takashi Kuribayashiが作り上げる空間を展開するという流れになり、改めて元気炉を再構築しています。
現時点での報告は以上となります。冒頭にも触れていますが、栗林さんの現地での活動は続けられていますが、ウクライナ情勢の影響もあり、資材の高騰の影響も受けて予算オーバーな状況の中で、まだまだ活動自体の収支は赤字となっています。本クラウドファンディングのプロジェクトも残すところ3週間弱となりました。栗林さんの今後の活動のためにも、是非とも引き続きご支援のほどを宜しくお願い致します!