梅雨明け以降、日本看取り士会本部周辺では1滴の雨も降らないうだるような猛暑の日々が続いております。
皆様におかれましては、こまめな休憩と水分・塩分の補給をしっかりと行い、体調にはくれぐれもご留意いただき健やかな毎日をお過ごしください。
本日は看取りの作法について少しお伝えさせていただきます。
まず、私たちは死と向き合う方のことを高齢者様ではなく幸齢者様としています。
これは今まで幸せに齢を重ねてきたということ、またその人がどんな状態であっても今この瞬間が幸せだと思っていただけるように、という意味を込めています。
漢字の読みは同じでも想いは別物です。
もちろん実際に接する際には名前でお呼びしますが、この想いがあれば看取り士として愛を持って相手のすべてを受け入れることにつながります。
そして実際に最期の瞬間を迎える際には基本の姿勢があります。
これは撮影前に主演の榎木さんが看取りの姿勢についてレクチャーを受けている場面なのですが、このように看取り士は足を組んだ上に幸齢者様を添えるのが基本の姿勢となります。
過去には腕枕で夜から朝まで抱きしめて看取り、朝には腕が痺れて動かなくなってしまったことなどがあり、現在ではこの形を基本形として看取り士の養成コースでも指導しています。
柴田が数多くの看取りを実践する中で行きついたものですが、偶然にも天皇家が伝統的に行っている作法と重なる部分があり、旅立つ方がもっとも命のバトンを渡しやすい形であると考えています。
人が亡くなるのは、医師にご臨終ですと宣告された時ではなく、その体から温もりを失ったときだと私たちは考えています。
つまり医学的に死亡となった後でも、ご家族の方が思い出話や感謝の言葉をかけながら残された温もりからバトンを受け取ることもできます。
魂はそこにあるのできっと届きます。
信じられないかもしれませんが、中にはしっかりと看取ることができたおかげで、通夜・葬式の際に涙ではなく笑顔で見送るご家族の方もいらっしゃいます。
看取り方ひとつで残された方の人生も大きく変わるのではないでしょうか。
これは撮影秘話ですが、榎木さんが看取り士の柴久生として櫻井淳子さん演じる2児のお母さんを看取るシーンの撮影では、その場にいたメンバーのほとんど(白羽監督含む)が自然と涙が流れてしまうような温かく感動的な空気が流れたそうです。
さて、明後日22日(日)は名古屋駅前でチャリティーイベントを行います。
お近くの方、お時間のある方、当日の受付も可能ですので是非ともご来場ください。