毎日、全国で生をうける小さな命を守り、つなぎ、NICUを最善の状態で卒業して頂くため、母乳バンクは東京都中央区日本橋から全国70近い契約病院にドナーミルクを発送しています。通常でもチャレンジングな状態でスタッフ一同走っておりますが、もし首都直下型地震が発生しライフラインが止まったら、ドナーミルクで守ることの出来る全国の小さな赤ちゃんたちにドナーミルクが届かなくなってしまいます。第3の母乳バンク開設場所は決まっています!150万円のご支援を頂けますと、機材が購入可能=来年開設出来ます!「もし関西地区に母乳バンクを作っておけば・・・」そんな後悔を誰もする事のないよう、第3の母乳バンク@関西、開設に向けて残り20%、小さな赤ちゃんに温かな手を差し伸べて頂けますよう宜しくお願いいたします。
はじめに・ご挨拶
ページをご覧頂き、誠にありがとうございます。
昭和大学医学部小児科教授、日本母乳バンク協会代表理事、日本財団母乳バンク理事長の水野克己と申します。
私は1987年より小児科医として、35年間の間に50,000人以上のお子様に医師として携わってまいりました。
教授、医師としての私は、母校である昭和大学医学部の小児科で教授(診療科長)を勤めており、昭和大学医学部小児科は、大学病院の他に3か所の附属病院があり、それぞれの病院が専門性の高い診療を行っています。
昭和大学医学部小児科教授昭和大学病院(旗の台)に設置されている、こどもセンターのベット数は合計50床、NICU・GCUは32床。
どちらも総合病院としては大規模で常時満床です。またNICUはスーパー周産期施設に認定されており、母体搬送もたくさん受け入れています。
小児科医22名、新生児科医6名、専攻医8名が産科・小児外科・小児循環器科の先生たちと一つのチームとして日夜、お子様、赤ちゃんに元気な姿で病院を卒業して貰いたい一心でケアに当たっています。
そしてお子様、親御さんの気持ちに寄り添い、愛と熱意のあるチームプレイが出来るプロフェッショナルな次の世代の小児科医、新生児科医を職員一丸となり育成しています。
私は赤ちゃんとお子様は未来の日本のヒロイン・ヒーローだと思っています。大好きな未来のヒロイン・ヒーローに、最善の状態で病院を卒業し欲しいのです!
母乳バンクの活動と代表理事として
私は2013年に昭和大学小児科研究室に研究レベルの母乳バンクを立ち上げ、基礎研究(地道な作業ですが未来のためには大切な時間の投資です!)を行っていきました。
翌年2014年7月には、昭和大学江東豊洲病院に院内母乳バンクが設立。
院内の小さな赤ちゃんたちにドナーミルクを提供し、赤ちゃんたちは生後早期から経腸栄養を開始することができました。
2017年5月には院内母乳バンクでの3年間の経験を生かし、一般社団法人日本母乳バンク協会を立ち上げ、日本中の赤ちゃんたちにドナーミルクを提供できる体制を整えました。
有難いことにドナーミルクの需要が増え、保管するためのバイオメディカルフリーザーが不足したため、第2の母乳バンクを設立しました。
相変わらず、資金のない中での設立のため、なんとか千葉県稲毛海岸の家賃8万円の事務所で準備を整えたものの、天災(2019年の台風19号です・・・)で被災し、衛生管理の面から断念。途方にくれていたところにピジョン株式会社の北澤社長にお声かけ頂き、日本橋のピジョン本社ビル内に母乳バンク室を設置して頂けることとなりました。
2021年度には360人以上の赤ちゃんにドナーミルクを提供することが出来ました!しかし、まだまだ足りません。
全国の小さな赤ちゃんへドナーミルクを届けるべく模索を続ける中、またご縁に恵まれ2022年4月には日本財団母乳バンクも日本橋小網町に設立!
数千人の赤ちゃんに対応できるようになりました。
9年前に1施設から始った母乳バンク利用施設は、現在ではNICUを持つ大きな病院を中心に70病院に近づいています。
次はドナーミルクについてご紹介させてください。
まだ知名度の低いドナーミルクですが、極低出生体重児(1500g未満で生まれた赤ちゃんを小さな赤ちゃんを極低出生体重児と呼びます)にとっては代替の利かない、大切な「薬」であり「非常食」です。
どうして母乳(ドナーミルク)なの?栄養価が高く、安全な粉ミルクがある今、当然の疑問だと思います。
母乳にはお母様の免疫という、メリットはありますが、健康な赤ちゃんは粉ミルクでも元気に問題なく育ちます。
それでも母乳バンクが絶対に必要な理由、それは極低出生体重児で生まれた赤ちゃんの特徴にあります。
極低出生体重児として生まれた赤ちゃんは様々な器官が極めて未熟です。肌は血管が透けて見えるほど薄く、皮下脂肪も極めて少ないため、体温や水分を自力で温存することが出来ず、保育器に入る必要があります。
肌と同様に内臓もとても薄く脆いため、丈夫な身体で生まれた赤ちゃんが消化吸収できる粉ミルクの成分を上手に消化吸収することが出来ません。
極低出生体重の赤ちゃんに粉ミルクを与えると、未熟な腸管のバリア機能は低い状態が長引き、また、酵素活性が上昇するまでに時間がかかります。細菌叢にも影響して、壊死性腸炎(腸の一部が壊死してしまう病気)にかかり、残念ながら命を落としてしまう赤ちゃん、命は繋げたものの予後が悪く後遺症の残ってしまう赤ちゃんもいます。
そのため小さな赤ちゃんを出産されたお母様は、まだ直接母乳を吸うことが出来ない小さな赤ちゃんのために、頑張って搾乳をして母乳を赤ちゃんに届けます。
しかしお母様の身体で母乳を作る準備が整う前の出産、ご病気で使用されているお薬の影響、お母様の体調が悪く搾乳よりも治療を優先しなければいけない等、様々な理由がありお母様ご自身の母乳を赤ちゃんに渡せないケースも多々あるのです。
このような場合、赤ちゃんはもちろん、お母様もとても辛い思いをされます。
そのため極低出生体重の赤ちゃんには腸粘膜が萎縮しないよう、出生後できるだけ早くから(生後12時間以内)母乳(ドナーミルク)を与え始めます。母乳の成分により未熟な腸が早く成熟するよう促し、かつ、眼・肺など成熟過程の臓器がお母さんのおなかにいるのと同じように健康に育っていくための栄養をお母様の代わりに届ける!それが母乳バンクから届けるドナーミルクの役目です。
もちろんお母様の母乳が赤ちゃんには“Best”ですが、ドナーミルク、海外では“bridge=つなぎ”と呼ばれることがあります。ドナーミルクはお母様の母乳が準備出来るまでの “つなぎ” 。もし、お母様の母乳がなんらかの理由で与えられないなら、粉ミルクを安全に消化吸収出来るようになるまでの“つなぎ”なのです。
そのためドナーミルクは極低出生体重児にとって代替の利かない、大切な「薬」であり「非常食」です。
皆様の善意でつながった、ドナーミルクによってつながれた命があります。
第3の母乳バンク@関西、絶対に必要です
紆余曲折ありながらも有難いことに軌道に乗った母乳バンク、小さな赤ちゃんを守るための次の重要なステップはリスクマネージメントです。
もし、明日、首都圏直下型地震が起き、ライフラインが止まったら・・・
明日、ドナーミルクを必要とする小さな赤ちゃんたちにドナーミルクを送ることができなくなります。
ドナーミルクは平常時、都内にお住まいのドナーのお母様がドナーミルクを宅急便で出して頂いてから、母乳バンクが受領、細菌検査、低温殺菌処理、ドナーミルクの要請のある病院への出荷準備、宅急便で目的地(お隣の千葉県と想定しましょう)に配送されるまで最速で何日間かかると思いますか?
答えは7日です。
もし母乳バンクのドナーミルクの在庫が大震災により使用出来なくなってしまったら、最低でもこの7日間は全国の小さな赤ちゃんに命をつなぐドナーミルクが届かなくなってしまいます。
7日間は絶対に起きて欲しくない空白期間ですが、最悪の想定ではありません。
首都圏直下型地震が起きた際には交通網が遮断される事が予想されます。
母乳バンクへ宅急便が届きません。
母乳バンクから配送が出来ません。
母乳バンクのスタッフも出社出来ないかもしれません。
母乳バンクの機材が壊れ、低温殺菌処理出来ないかもしれません。
バイオメディカルフリーザー(冷凍庫です)が怖れた場合、母乳バンクで保管している全てのドナーミルクが使用出来なくなるかもしれません。
ドナーのお母様も被災されて、ドナーミルクどころではなくなるかもしれません。
そもそもそのタイミングで被災地宛の冷凍品は受付てくれないのではないでしょうか・・・
そして私も、他のご協力下さる先生も先ずは目の前の被災した患者様に集中しなければなりません。
病院の体制が全て回復し、安定するまでは、泊まり込みになる覚悟です。
こんな事態が発生した場合、母乳バンクの完全復旧には何週間かかるのでしょうか・・・想像しただけで胸が苦しくなってしまいます。
しかし第3の母乳バンク@関西があれば、東京で低温殺菌処理を行なった安全なドナーミルクを関西で保管しておく事ができます。
東京の母乳バンクが機能しない場合も、交通網が安定している全国のドナーミルクを必要とする病院には関西から発送して頂けるのです。
この第3の母乳バンク@関西の開設のために必要なもの
またまた有難いことに保管場所はとある大学病院様がご賛同くださり、一部屋使わせて頂けることとなりました!
どちらの大学病院様かは、このクラウドファンディングが成立し、第3の母乳バンク@関西の開設が正式決定しましたら発表させて頂きます!
今、ご支援をお願いしている150万円で第3の母乳バンクに必要な以下の設備が購入可能です!
クリーンブース:ドナーミルクを衛生的に保つために必要な医療用ビニール張りブース
バイオメディカルフリーザー2台:ドナーミルクを保管するための医療用冷凍庫
バイオメディカルフリーザー2台で全国で必要とされるドナーミルクを約1週間分保管する事ができます。
繰り返しとなってしまい恐縮ですが、
今もドナーミルクが命を支えている小さな赤ちゃんが全国におり、彼、彼女達には粉ミルクが消化出来る様になる又はお母様の母乳が使用可能となるまで継続してドナーミルクが必要です。
最初の1口(小さすぎでまだ飲み込む力がないので、お口から胃に繋がるチューブに1cc単位でシリンジを使って与えます)のスピードで予後に違いの出る、デリケートな小さな赤ちゃんを守るためドナーミルクは要請から到着までのスピードが重要です。小さな赤ちゃんのために、本当に必要なリスクマネージメントとバックアップ設備の整備、皆様にお力添えを頂けましたら必ず実現いたします!
最後に
生まれてくる赤ちゃんたちはみんな国の宝です。
一人残らず元気に育ってもらいたい!その思いを小さな赤ちゃんへの栄養から支えていく活動です。
日本母乳バンク協会はたくさんの方々からのご寄附をいただき、かけがえの無い多くの小さな命をつなぐことができました。
次は災害があっても安定してドナーミルクを提供できる体制づくりにぜひ、みなさまの力を貸してください。出生数は81万と毎年子どもたちが少なくなっていますが、みんな大切な国の宝です。ぜひ温かい手を差し伸べてくださいますようお願い申し上げます。
リターンについて
気持ちだけではございますが、ご寄附をいただいた方には水野克己より御礼の連絡をさせていただきます。
実施スケジュール
このクラウドファンディングが成功した暁には、一般社団法人日本母乳バンク協会が第三のバンク設立準備金として大切に活用させて頂きます。
来年、2023年度オープンを目指します!
・2022年10月 クラウドファンディング終了
・2022年11月頃 工事開始
・2023年1月 工事完了
・2023年3月 施設開設予定
一般社団法人日本母乳バンク協会は非営利法人ですが、このクラウドファンディングを支援することで、支援者が税制優遇を受けることはありません。
参考:
母乳バンクとは、母乳がたくさん出るお母さんから母乳を提供してもらい、その母乳を低温殺菌処理したうえで、必要な赤ちゃんに提供する施設です。なお、提供してくださるお母さん(ドナー)は既往歴、酒・たばこ・薬のこと、食事のこと、などなどを対面で確認し、さらに母乳で感染しうる病原体の血液検査を受けていただき、すべてが問題ないことを確認してます。小さく生まれた赤ちゃんにとって、母乳はくすりと同じ。もし、母乳がなかなかでなかったり、お母様の治療の関係で母乳を赤ちゃんに与えることができない場合には、母乳のかわりとしてドナーミルクがあり、日本小児科学会もドナーミルクを使うよう推奨しています(早産・極低出生体重児の経腸栄養に関する提言|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY (jpeds.or.jp)
▼詳細はこちらをお読みください。
日本母乳バンク協会HP
https://jhmba.or.jp/