今朝の朝日新聞「天声人語」で今回の私の取り組みについて紹介していただきました。
記者の古谷浩一さんは論説委員の要職にある方です。写真集出版プロジェクトのことを耳にし、東京からわざわざ大分の片田舎まで足を運んでくださいました。
古谷さんはこれまで北京や上海など、中国でかなりの期間を特派員として過ごされており、新聞社のなかでも中国通としてよく知られた方です。日本と中国は政治体制は異なるけど、中国の方は人間的に魅力ある人たちと感じておられたそうで、その点は私と話が合いました。
長い目で見て、日本と中国はうまくやっていけるはずだし、そうならなくてはならない、という考え方も私と同じでした。ただそのためには、相手を知ることが大切です。と同時に自分(つまり日本)についても知る必要があります。戦前に日本が主導して満洲国を打ち立てたことは事実であり、それを感情論を排して歴史は歴史として受け止めていくことが大切なのだと思います。
古谷さんは私の今回のプロジェクトを、建築物を通じて歴史を客観的に学ぶひとつの入り口だと捉えてくださっており、私が写真集を通じて読者に感じていただきたかったことを見事に言い当てられていることに驚きました。
結局、取材から話は多岐にわたって展開して、その日はアトリエのゲストルームにお泊りいただいた次第です。そして今日、古谷さんの書いた記事を拝見したのですが、この短い文章の中に私の想いも見事に表現してくださっており、思わず感心しました。ありがとうございました。