ごあいさつ
やたらと情報量の多い本ですが、なるたけ手短に参ります。
墨田区曳舟におきましてオープンな書斎を運営しておりますLE PETIT PARISIENです。
お手数ですが活動の概要は下記インスタグラム、およびYoutubeチャンネルなどを参照願います。
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この度、オープンな書斎として活動していく中で沸き起こった疑問や不満、想いや矜持をまとめた一冊
LE PETIT PARISIENが完成致しました。(500部限定本)
本の仕様について
本の形状(装幀)といたしましては、大きく二種類あります。
上のものは上製本(ハードカバー)、下のものは並製本(ソフトカバー)です。
本文で使用している紙と、書かれている内容は同じです。
決定的に異なる点としましては、
並製本の方は、このようにページがアンカット(袋とじ)となっています。
かつて西洋(特にフランス)では、伝統的にこのような形で本が販売されていました。
袋とじになっているので、その部分を何らかの形で切らなければ本は読めません。
そのためのツールとしまして、
こういったペーパーナイフなるものを用意して、先ほどの袋を切って読み進めます。
上のナイフは、今回の一冊を刊行した際、70本限定で特別に制作頂いたものとなります。(刃の形状は3種類です)
ペーパーナイフがなくとも、お手持ちのカッターやないしハサミ等で切って頂いても構いません。
【注意書き】
「正当な理由なく刃物を携帯する行為は、銃砲刀剣類所持等取締法第22条及び軽犯罪法第1条第2号により禁止されています。
また、18歳未満の方は本プロジェクトを支援することはできません。
↓に実際にペーパーナイフを使用した動画を挙げています。ご参考までに。
上製本の方の袋は全て切られており、写真のように三方(ページ淵の上下及び側面)が
臙脂色で着色されています。これは西洋で伝統的な本の装飾方法ですが、当時使用していた材料までは分かりません。
今回はベンガラと柿渋を混ぜたものを塗布しています。なるたけ自然由来ものを使用しようと心がけて選択しました。
上製本に使用している革は豚です。
豚は家畜として古くから重宝されていたので、革も当然衣類等に使用されていたと思うのですが、
製本用の革としては19世紀以降ほぼ使われなくなりました。
他の革と比べ毛穴が目立って汚らしいと判断されたことが、考えられる理由の一つです。
また革が柔らかいので、製本に向いていないとの指摘もありました。
表紙の装飾に使用したコテです。熱を加え、所定の場所に押し込むことで模様を作ります。
こちらのコテは、19世紀頃に作られたアンティークになります。
押し込むとこのようになります。
金箔を載せて押し込む箔押しに対して、こちらは空押しと呼びます。
表紙の真ん中に押し込んだのはパリ市の紋章です。
こちらは製本用のコテでは無いと思うのですが、
屋号である LE PETIT PARISIENとの整合性と、
本に紋章を押し込む習慣がままあったことを加味して採用しました。
↓で並製本と上製本を比較して説明しました。ご参考までに。
本の印刷にはこちらの樹脂凸版を使用しました。
樹脂凸版は、紫外線が当たった部分が硬化して凸になった版です。
↓に樹脂凸版制作の様子を挙げています。ご参考までに。
先ほどの樹脂凸版で印刷した見開きのページです。
写真ですと分かりづらいですが、活版印刷機で刷りました。
現在の活版印刷機の需要は、名刺の印刷などがほぼ大半を占めます。
というよりも金属活字を組む職人が(恐らく完全に)いなくなってしまったので、
文字数の多い本などは事実上制作が不可能になってしまったのです。
その代替として樹脂凸版を使用した理由も此処に起因しています。
↓に印刷の様子を撮影した動画を挙げています。ご参考までに。
書籍「LE PETIT PARISIEN」の制作目的
↑上製本の見返し(表紙の裏側)。屋号になった新聞LE PETIT PARISIENの現物を使用しています(1897年版) 。
大きく分けて2点あります。
1点目。本とは何だったのか?を自分なりの形で表現したかったんです。
本に書かれている情報のみならず、その本がどのように作られているかまで伝えるのが、私の活動です。
これまでは書斎に置いてある古書を使用してそのことをお伝えしていたのですが、
散々(偉そうに)説明を加えている自分がただの一冊も本を作っていないという事実に腹が立ってきて、
これは何としてでも形にしなければ。。という流れでようやく完成に至りました。
そして折角制作するんだったら、とことん古い装幀を目指してやろうと決心し、
このような時代錯誤甚だしい一冊が産み出されました。
↑左の並製本を右の上製本に仕立てることで、本は完成します。
2点目。序盤で紹介したアンカットの並製本は、本として未完成の状態である事実をお伝えしたかったのです。
本の中でも言及していますが、本来の装幀とは並製本を上製本にする作業です。
並製本のままでは本は完成しているとは言えないので、それとは別に今回の上製本を制作することで、
一個の物体としての本が完成するまでの過程を認知して頂く機会を作ろうとしました。
大まかなスケジュール
2022/11 ペーパーナイフ全納
2022/12 書籍(上製本・並製本)全納
2023/01 支援者様にリターンを提供予定
※ 納品が早まった際は、上記スケジュールより前倒しで提供致します。
資金の使い道について
次回出版予定物への制作費用(タイトル未定)に充当させて頂きたく存じます。
費用(概算)
校正・デザイン代 :10万円
印刷・製版代 :30万円
製本代 :50万円
内容としましては、LE PETIT PARISIEN内でもt度々言及しております「蔵書票」に焦点を当てた一冊となります。
蔵書票とは、本の余白(基本的には見返し)に貼り付け、本の所有者が誰であるかを示す道具です。
蔵書票をテーマに据えた本は過去に出版されてきたのですが、
その起源や歴史を詳細に紐解いた本は未だかつてありません。
私の一冊は、日本における書票史の定本となることを目指し制作致します。
リターンについて
リターン一覧をご覧ください。
不明点がございましたら、下記連絡先までお問い合わせ願います。
それと現物に触れたいのであれば、直接書斎までお越し願います。
水木定休 13:00~18:00まではほぼ確実に開いています。
131-0032 東京都墨田区東向島2-14-12 タチハラハウス1F
LE PETIT PARISIEN
03-3612-9961
le.petit.parisien0930@gmail.com
また、本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額が集まらずに終了した場合でもプロジェクトを実行し必ずリターンを履行します。
ちなみにプロジェクト達成を¥100,00-(最低金額)に設定している理由は、
成功や失敗といった概念がこのプロジェクトには存在しないからです。
こういった本が令和の世に産み出された事実を認知して頂いただけで、
個人的に得たものは大きいと考えています。
ただ支援を頂ければそれだけ今後の活動の原動力になることは確かですので、
宜しくご検討下されば幸いです。
さいごに
まだ死ぬつもりはありませんが、この本は私の遺書です。
今後もオープンな書斎LE PETIT PARISIENは驀進(ばくしん)します。
以上です。
最新の活動報告
もっと見る3か月間有難うございました。
2022/10/21 13:30この度は当プロジェクトにご興味をお持ちくださり誠に有難うございました。今後も書斎の活動は継続します。フォローのほど宜しくお願い申し上げます。LE PETIT PARISIEN拝 もっと見る
今更ですが
2022/10/04 19:48LE PETIT PARISIEN拝私の活動を認知頂く参考資料としまして、現在開設中のコミュニティをご紹介します。https://community.camp-fire.jp/projects/view/55279また、こちらにて2022年2月13日発行の500部限定の一冊「LE PETIT PARISIEN」の全文を公開しております。長文ですので、まずは上記のコミュニティからご覧なさることを推奨します。https://drive.google.com/file/d/1Rv61JI95-D_jHmzQnbN13KV-l3ITWSff/view?fbclid=IwAR1DcuHFea6jUPkRDlYTAGMmDs8RzZqr5LMxDJAi6UdZlbxdC3PdO8I2cbYこの度は、当プロジェクトに関心をお持ちくださり、誠に有難く存じます。 もっと見る
プロジェクト無事達成致しました。
2022/09/30 13:22この度は支援のほど誠に有難うございました。プロジェクトはあと3週間ほど継続します。お付き合いのほど宜しくお願い申し上げます。 もっと見る
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