秋山 ここにいるみなさんは全員がMEDに聴衆として参加し、次にプレゼンターとして登壇し、その後に自分の地域で自らが主催者となりMED地方版を開催しました。MEDの精鋭とも呼べるみなさんですが、実際に開催をしてみてどうでしたか。
須藤 MED仙台は今年、開催5回目の節目を迎えます。当初は自分の普段の活動の範囲内や延長線上で知り合いに声をかけるかたちでスタートしました。回を重ねるうちにMEDの場がだんだんと「カッコいい場」に変わっていきました。自分でも話したい、あの人に話してもらいたいという動きがスタッフの中から出始め、いまでは自分の知らないところでMED仙台の動きが加速化しているように感じています。
谷合 MED秋田は2016年からスタートし、昨年の2017年は春秋の2回開催をしましたので、今年は4回目の開催を迎えます。1回目の開催はわからないことばかりで、仙台の須藤さんからいろいろなアドバイスを頂きました。ついでにプレゼンターもお願いしました(笑)。MED秋田の特徴はプレゼンターが多岐に渡ることです。医療職だけでなく、患者さんや市民、行政の担当者や大学生など、幅広い立場の人たちが登壇しています。秋田県の事業の一環として財政的な面でサポートをして頂いています。今後は自立的な開催を目標のひとつにしていきたいと考えています。
岡田 MEDに参加して「世の中にはこんなにすごい人がいる」と感動したことがいまのわたしの原点になっています。もっとみんなに聞かせたい、知ってもらいたいという願いから、第1回目はとにかく群馬にMEDという場をつくるのだという思いで取り組みました。2回目となる今年は、より多くの人にメッセージを伝える工夫や、市や県、そして国をも巻き込んだイベントとなるようにバージョンアップしていきたいと考えています。
古仙 世の中には社会をよくしようとさまざまな活動に取り組み、メッセージを発信している人たちが多くいます。そうした人たちのプレゼンテーションをダイレクトに聴衆に伝える場を自分の故郷である群馬の地で開催できたことはとても大きな喜びです。医療だけでなく、より幅広い分野をターゲットにしたぐんまならではとなるMEDにしていきたいと思っています。
秋山 地方ごとにそれぞれのMEDがあるのですね。そうした特徴のひとつはプレゼンターだと思うのですが、登壇者の依頼や選出で苦労している部分はありますか。
須藤 回を重ねると苦戦を強いられることもありますが、メンバーと相談しながら登壇するプレゼンターの選出をするようにしています。メンバーはプレゼンターとして登壇した人たちが多いのですが、自分の経験を他の人にも伝えたい、あの人にも話をしてもらいたいと熱い思いの人が多く、バリエーション豊かな組み立てになっていると思います。登壇したプレゼンターに声がけをするというのがコツかもしれません(笑)。
谷合 秋田はそれほど困っている状況ではありません(笑)。MED秋田は秋田食介護研究会のサポートで開催しているのですが、同会の活動は活発で10年以上継続しています。プレゼンターはそうした活動で培われた豊かな人脈のネットワークから選出することができます。長年に渡り地域に根付いた活動をしていることの効果は大きいと思います。
岡田 群馬は多すぎて困っています(笑)。プレゼンターはMED Japanで登壇した人と地元の群馬で活躍している人という2つの方法で選出しています。MEDぐんまの趣旨を伝えると二つ返事で了承を得られることが多いですね。プレゼンターの選出で基本としているのは自分が実際に話を聞いた人に打診をすることです。医療だけでなく、さまざまな分野の講演会やイベントに参加し、そこで目をつけます。やはり、本当に話が伝わってくる人は、伝えたいことがある、メッセージを持っている人であることを実感しています。
秋山 MED中毒になった人はその伝播性も強力なのかもしれませんね(笑)。それでは最後に今後に向けてメッセージをお願いします。
須藤 2014年にこんな若者にMEDという刀を授けていただいてとても感謝しています。MED仙台とわたしの成長は共にあると思っています。MEDがわたしを成長させ、わたしの成長がMEDの成長につながると感じているからです。いまさらながらMEDという存在が自分の人生にとってとても大きなものであることを実感しています。これからもMEDという刀をしっかりと研いで、切れ味鋭く5年、10年と続けていけるように成長していきたいと思います。
谷合 MED秋田を開催してから2人の摂食・嚥下の認定看護師が秋田に移住し働き始めました。わたしも都会からの移住者ですが、少なからずMED秋田を開催した影響もあるのではと自負しています。今後のテーマは摂食・嚥下に関連した内容が多くなるかもしれませんが、秋田食介護研究会のメンバーと相談をしながら進めていきたいと思っています。
岡田 初年度はテーマを特に設定せず「この人に話してもらいたい」という基準で開催しました。内容的には分散していたかもしれませんが、みなさんの思いが聴衆に伝わり、世の中全体にも届くメッセージを発信できたと思います。これからも地元の人に聴いてもらいたい、地元をよくする活動をしている人を知ってもらいたい、そういう人たちを日々見続けて、次につなげていきたいと思います。
古仙 群馬県は都道府県別の魅力度ランキングで常に最下位のあたりをウロウロとしています。しかし、群馬には志を持って、地元をよくしたいと活動する素晴らしい人たちがたくさんいます。そういった地元のメッセージを地域の人たちに伝える場としてMEDが機能し、参加した誰もが群馬の熱を感じられる開催を目指していきたいと思います。