マウンド―事業担当の相葉です。私たちがこの裁縫教室を実施するのは、ミャンマーのラカイン州、マウンドー郡です。今日はこのマウンドーという場所についてご紹介させて頂きます。
まず、私たちが活動をおこなうミャンマーですが、正式な国名はミャンマー連邦共和国。東南アジア西部に位置し(ざっくり言うと、タイの左、インドの右)、国の面積は676,570㎢で(日本のおよそ1.8倍)、人口は約5,753万人と推計されています。
当事業の活動地であるラカイン州は、ミャンマーの西端に位置し、北部はバングラデシュと国境を接しています。面積は36,778㎢で(九州とほぼ同じ)、人口は2014年の調査では300万人以上というデータがありますが、難民の流出等により正確な数の把握は困難な状況にあります。ミャンマーは7つの州と7つの管区・1連邦領で構成されており、全体の面積が日本の1.8倍あります。ラカイン州は連邦領を除く14の州・管区の中では8番目の大きさですが、そのラカイン州でも九州と同じほどの大きさがあるのです。
ラカイン州内は5つの県で構成されており、マウンドー県はその最北部に位置し、マウンドー郡とブティダウン郡で構成されています。ラカイン州は、州全体では60%が仏教徒で、イスラム教徒が35%ほどといわれています。しかしラカイン州北部には潜在的に多くのムスリムが住んでおり、住民の90%がイスラム教徒だといわれています。もちろんマウンドー県内にも都市部と農村部があり、そういった地域によっても民族構成は変わってきます。しかし、こうした民族や宗教の入り組んだ状況が、この地域で起きる様々な問題の一因となってきたという背景があります。
私たちのおこなう裁縫教室は、裁縫技術を提供する場だけでなく、普段異なるコミュニティで暮らす異なる民族の人々を分け隔てなく生徒に迎えることで、裁縫教室の場を通じた相互理解を深め、将来的な平和共存の一助となることを目指すものです。今回の教室でも10名のラカイン族、8名のムスリム、2名のヒンドゥの生徒たちが参加しています。生徒たちのインタビューは前回の活動報告ページからご覧いただけますので、是非ご覧いただき、現地の教室の雰囲気を見て頂ければと思います。
皆様のお気持ちがこの事業を継続していくための大きな力になります。ぜひ引き続き応援をよろしくお願いします!!
初日の開校式の写真。みんなの服装がとてもカラフルです。それまでは職員の出入りだけしかなかったマウンドー事務所ですが、裁縫教室が始まったことにより、事務所全体に活気がでるようになりました。ちなみにみんな腕を組んで怒っているのではありません。ミャンマーでは腕を組むことは相手に敬意を示す意味があります。