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誰でも本が作れる、本が発行できる、出版社が作れる革命

現代の出版のシステムに反逆する旧時代的な手づくり工法によって、真の価値をもった作品を読書社会に投じていきます。誰でも本が作れる、誰でも本が発行できる、誰でも出版社が作れる革命によって作られる本です。

現在の支援総額

37,420

124%

目標金額は30,000円

支援者数

14

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2023/04/25に募集を開始し、 14人の支援により 37,420円の資金を集め、 2023/05/18に募集を終了しました

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現在の支援総額

37,420

124%達成

終了

目標金額30,000

支援者数14

このプロジェクトは、2023/04/25に募集を開始し、 14人の支援により 37,420円の資金を集め、 2023/05/18に募集を終了しました

現代の出版のシステムに反逆する旧時代的な手づくり工法によって、真の価値をもった作品を読書社会に投じていきます。誰でも本が作れる、誰でも本が発行できる、誰でも出版社が作れる革命によって作られる本です。

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2023/05/15 06:00

世界一の翻訳の技

圧倒的な英語の襲撃を、翻訳者たちは烈しい気迫と情熱で立ち向かっていき、その英語をことごとく日本語のなかに取りこんでいった伝統は、今日でも脈々と引き継がれていて、外国語を翻訳する力、とりわけ英語を翻訳する力は群を抜いているのではないだろうか。アメリカやイギリスで出版された話題作やベストセラーは、ことごとく翻訳されて日本の読書社会に登場してくる。私たち日本人は世界のベストセラーが、瞬時に母国語で読める国に住んでいるのである。

翻訳者がその原文に取り組むとき、記述が論理的に展開されていく本──政治や経済や科学技術や学術関係の本の翻訳は比較的容易なはずである。水は酸素と水素で成り立っているという論理が展開されている本ならば、その文章を機械的に即物的に日本語に転換していけばいいのである。ところが磨きに磨いて書き上げられたエッセイや小説や詩などはそうはいかない。それらの本は数式的に即物的に訳することができない。なぜならその文章には涙や怒りや祈りといった人間の感情のさざなみだけでなく、あたりの景観──光や影や風や空気や騒音や静寂が、さらにはその時代や歴史が縫い込められているからである。多様多彩な言葉の糸で織りこまれた布を、日本語の布に移し替えるのは容易ではないのだ。だからどんなに練達した翻訳者でも、その本のあとがきに「果たしてこの美しい原文が訳されたかどうか、はなはだこころもとない」と嘆くことになる。

しかし日本の翻訳者たちは、これらの本を鍛え上げた技を駆使して、その原文の行間に、あるいはたった一行の文章の奥にただよわせる光や風や匂いや音までを、繊細微妙に日本語に織り込んで読書社会に送り出してくれる。さらに幸運なことに、日本人の琴線に触れる名作が新しい翻訳者によって新生の生命を吹き込まれて、繰り返し何度でも読書社会に登場してくる。このような国もまた世界に例をみない。

原文と訳された日本語を交互に読むとき、読まなくともただ眺めているだけでも、ある不思議な現象がおきていくことに読者は気づかれたことがあるだろうか。そこに言葉の音楽が生まれるのだ。あるときはチェロソナタになり、あるときはバイオリンソナタになり、あるときはバイオリンとヴイオラの弦楽二重奏曲になって聞こえてくる。さらにその翻訳が三つ四つ五つとあると、そこで奏でられる言葉の音楽は、あるときはピアノ三重奏曲となり、あるときは弦楽四重奏曲となり、あるときはクラリネットが加わるクラリネット五重奏曲になって、私たちを豊穣な時間のなかに誘いこんでいく。



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