オープンセサミには、日本の在来馬の中で絶滅しそうになっている対州馬がいます。
名前は大黒天(通称てんてん)。
セサミに来たのは10年前。
今年の7月に亡くなった道産子の宝船(通称たーちゃん)と一緒に、熊本の肥育牧場に居ました。
その肥育牧場のオーナーから、対州馬がいるとMOMOさんに連絡が入り見に行ったところ、後の大黒天と宝船が2頭で寄り添っていました。
2頭を引き離して大黒天だけを連れ帰るのがあまりにかわいそうになったMOMOさんは、両方とも引き取ることを提案しましたが、2頭を肉値で買い取るしか方法はありませんでした。
馬の引き取りは100%現金取引なので、買い取るための資金をかき集めましたが、2頭を引き取る金額には程遠く途方にくれました。
その時、今は亡きMOMOさんの友人で、末期癌で闘病中だったしっぽちゃんが、「MOMOさんが大切にしているお馬の命を助けてあげて」と、足りない金額を出してくれました。
そのおかげで大黒天と宝船は命を繋ぐことができ、セサミへやってきました。
体調がよくなり一時退院したしっぽちゃんは、セサミでのんびり暮らす2頭を見てとても喜んでいました。
それから1年少ししてしっぽちゃんの癌が再燃してしまい、闘病のすえに亡くなるときに、「また来るね」と言ったMOMOさんに、「大黒天と宝船、パンナコッタを私と思って。よろしくお願いします」と言ってお別れしましたが、それがしっぽちゃんとMOMOさんとの最後の会話となりました。
たーちゃんは今ごろ、しっぽちゃんと一緒に天国で過ごしていると思います。
セサミの動物たちは、沢山の人の思いと支援がその命の未来を変えて、今を生きています。
みんながお腹を空かすことなく穏やかに過ごせるるように、どうかみなさまのお力をお貸しください。