いつも大変お世話になっております、NPO法人アクセプト・インターナショナルソマリア緊急支援チームです。これまでのご支援に心から感謝申し上げます。
現在、最も取り残されている人々へのリーチをさらに広げるべく、チーム一丸となって引き続き業務に励んでおります。
これまでの期間で合計約1万人の方々に対して、食糧、水、医薬品を届けるとともに、破傷風やコレラなどの感染症予防や近隣の医療機関に関する啓発プログラムを実施することができました。また同時に、若者が暴力に頼らずに生きていく包括的な支援も強化しています。
今回は、干ばつへの緊急対応に加え、なぜテロ・紛争解決に向けた取り組みも実施する必要があるのかをご説明します。
現在、様々な援助機関が国際社会にソマリアへの支援を呼びかけていますが、残念ながらこのままでは12月までに飢饉(famine)が発生するとの予測が9月5日に正式に発表されました。前回の飢饉が発生した2011年には、観測史上最大となる約26万人以上が亡くなっており、今回は約30万人以上の命が危機に直面しています。
すでに事態は深刻で、UNICEFによれば今年1月から7月にかけて、約730人の子どもが栄養治療センターで死亡しており、約150万人の子どもたちが急性栄養失調に陥るとの予測もあります。
私たちが支援対象とする国内避難民(IDP)キャンプの様子
近年この飢饉が宣言されたのは、2017年の南スーダン、2011年のソマリアでした。約10年ぶり2度目の飢饉に見舞われようとしているソマリアですが、同じように干ばつが発生したとしても、飢饉に至らない国も多数あります。では、なぜソマリアばかりがこうした事態に直面するのでしょうか。
その重要な要因の一つが、ソマリアが1980年代から直面するテロ・紛争の課題です。実際、テロ組織による攻撃や支配領域の拡大によって、国家としての脆弱性が高まることや、彼らの影響で治安が悪化し、支援が思うように届けられなかったり、支援物資が略奪されてしまったりすることなども相まって、救えるはずの命が失われています。
だからこそ、緊急対応のみならず、テロ・紛争解決に向けた取り組みも同時に実施することが必要であり、私たちの存在意義がまさにここにあるのだと考えています。
テロ組織からの投降兵リハビリ施設でのイスラーム教再教育の様子
こうした信念を胸に、これまで中心的に支援を届けてきた10箇所の国内避難民(IDP)キャンプに加え、新たに3つのキャンプを追加して必要な食糧および水などを届けるべく尽力していきます。また、中部ソマリアを中心に若者たちが武器を置き、人生をやり直す支援をさらに強化してまいります。
この危機に際して、どうか皆様のご協力をよろしくお願いいたします。