佐野利幸さん(行政書士)
――ブラブラというのは、本当に何もせず、という感じだったんですか?
そうですね。ほんとに何もせんとブラブラしてましたねぇ。要領悪いんで再就職とかできませんで。それで、あるとき本屋で立ち読みしておりましたら、「6ヵ月で行政書士の試験に受かる」というような本がありまして、時間はいくらでもあるし、ちょっとやってみようかな、と思いまして、やってみたんです。さすがに6ヶ月で、とはいきませんでしたが、幸い受かりましたんで、まあ何とかやるようにしました。
まあ、こんなんやってもあかんやろうな、とは思ってましたが、予想通りあかんかったです。
――行政書士の仕事を取ってくるツテとかはなかったんですか?
そんなんありませんでした。私は技術職でしたから、名刺配ったりお酒ついで回ったりできませんので。営業ができなかってねぇ。
失業して良かったのは、会社行かなくてよくなったことです。困ったのは給料が入ってこなくなったことです。でも、まあ行政書士になってもこの年からでは人生たいしたことはできないなぁ、と思ってましたけど。会社ではいろいろ苦労しましたから。人に使われるのはイヤで。会社辞めたらサボって怒られることもなし。1時間かけて通勤してましたしね。楽でした。
……続きは『京都・中京民商の生活史』で!