『京都・中京民商の生活史』には、日頃より中京民商の活動に何かとご協力いただいている岡田知弘さん(京都大学名誉教授)、松尾匡さん(立命館大学教授)に寄稿していただきます。原稿はすでに届いています。いずれも特別に書き下ろしていただいたもので、ほかでは読めません!
岡田知弘さんには、地域循環型経済社会の実現に向けて小規模事業者に期待される役割について論じていただきました。目次は以下の通りです。
地域循環型経済社会への転換をめざして――中小業者に期待される役割
岡田知弘(京都大学名誉教授)
はじめに
1 コロナ禍は「戦争」ではなく「災害」
2 災害としての感染症対応の主体
3 「公共」の再生が求められている
4 地域経済社会のあるべき姿が見えてきた
5 なぜ、大型公共事業プラス企業誘致政策は失敗してきたのか
6 「地域が活性化する」「豊かになる」とはどういうことか 地域内再投資力こそ重要
おわりに
松尾匡さんには、開放個人主義原理にもとづく経済社会に合致した倫理観として注目される商人道について、論じていただきました。目次は以下の通りです。
よみがえれ商人道
松尾匡(立命館大学教授)
■会津戦争下の「武士道」と「商人道」
<会津藩士の戦い方>
<敵味方なく看病した瓜生岩子>
<幕末の武士と庶民の「正義」>
■「ウチ/ソトの振り分け二分法」が腐敗の原因
<非営利理念の強調が不祥事を生む>
<営利企業の不祥事でも「振り分け二分法」>
■社会関係の二大原理
<「武士道」か「商人道」か>
<身内集団社会と開放個人主義社会>
■身内集団的な日本社会
<企業における身内集団>
<旧軍における身内集団>
<現代の事件における身内集団>
■江戸時代の商人道
<石田梅岩と門下生の市民事業>
<近江商人の商人道>
<江戸時代の商家の家訓>
<普遍的な善の追求>
■戦後民主主義の商人道
<戦後近代主義の論客は乗り越えられていない>
<角倉素庵の「舟中規約>
<商人国家こそ誇らしい>
岡田さんの論稿も松尾さんの論稿も、それぞれ1万字超で読みごたえがあります。読んでみたい方、ぜひご支援をよろしくお願いします!