皆様、お世話になっております。プロジェクトオーナーの湧口善之(ユグチヨシユキ)です。今日は、今回のチャレンジで建設しようとしている拠点の主要な空間のひとつ、土間の作業スペースから靴を脱いで上がる小上がりスペースについてお話しさせていただきます。
そのスペースの用途はダイニングキッチン的な使い方。イベントなどで人が集まった時に、作業を中断しての休憩やお茶の時間、あるいはお食事や、もちろんインドアでの軽作業にも使えるスペース。もちろん、キッチンを使ってのイベントなども想定しています。
屋外の作業・ワークショップスペースとも直接つながりますので、とても重要な空間です。
現状、このスペースの屋根と小屋構造も、単なる老朽化ばかりでなく、形状としても雨仕舞いに課題があるため完全に作り直します。雨漏りに端を発する傷みにより、土台も交換が必要な部分があります。
現状からは想像もつかない空間に生まれ変わることになりますが、設計・デザインを進めながら一番感じる感覚は、秩序も意味もないところに、秩序と意味を備えさせていく感覚。色々なアイデアやこうしたらどうか?と、図面を描いたりしてみるわけですが、良い方向に進んだな!正しい方向に来ているな!と思える時は、カチッとハマるように秩序と意味が生まれた、と感じられるのです。
秩序がないというのがわかりやすいのが上の現状写真。左と右のお部屋の建具の幅が違っています。人連なりの似たような空間なのに。さらに言うと、左右どちらのお部屋も、今見えている正面の建具の幅と、見えていない背後の建具の幅も数センチ異なっていたりします(同じお部屋で向かい合っている枚数もおなじ引戸なのに!)。どうしてそうなったのか、説明(釈明)できる理由があると言えばもちろんあるわけですが、良い空間をつくるためにはそれでは良くないのです。全体を流れる秩序(リズム、比例、音楽のようなもの)がないから、森のような美しさや静けさが出ないのです。森には個性豊かな木々や植物があって、葉っぱの色も形もみんな違うけど、よく知られている通り、その背後には一定の秩序がある。場当たり的対応の積み重ねの結果、ではそういう空間はつくれない。もっともっと自然にできる空間を求めたいと思うのです。
などと話しだすと止まりませんのでこのあたりにしておきますが、本クラファンの締切後に、随時ご支援いただいた皆様に限定で配信する動画では、こういう話も多くなってしまうかもしれません。皆様からのフィードバックをいただきながらお話しする内容は調整いたしますので、苦手な方は遠慮なくご意見いただければ幸いです。
というわけで、柱の位置や壁や建具や屋根の形や諸々に秩序と意図を見出しつつ、それぞれの空間で使う木材の樹種についても、材の色味や硬さや耐久性といったことに加えて、もうひとつ別のレイヤーとして、なんらかの意味や面白さを持たせたいと考えていて、この空間では、街の「花木」の共演を木材で実現できればと考えています。
花木、というとサクラやモクレンやキンモクセイやエゴノキやヒメシャラやツバキやそういった木々ですが、できるだけの花木を集めて、かつ、個性を活かして、でもまったくもってうるさくない調和のとれた静かな空間、を実現したいと考えています。できるかどうか? どうなるか? クラファンの締切はまもなく(あと1日)ですが、締切後も引き続き、皆様にご報告しつつ、作っていくのがとても楽しみです。
プロジェクトを応援・フォローしてくださって本当にありがとうございます。おかげさまでとても励みになっています。クラファンの募集は明日で締め切りとなりますが、締切後が本番と身が引き締まる思いです。引き続き、よろしくお願いいたします!