2023/03/27 17:20
現代でこそ牛革に比べてあまり馴染のない鹿革ですが、皮革の中では最も古くから親しまれてきた革です。
刀剣の鞘や足袋など、飛鳥時代から江戸時代に至るまで鹿革を使った武具は多数あります。
鹿の皮は他の動物に比べて非常に細かな繊維となっており、この超極細繊維が優れた特性を生んでいます。
通気性、吸湿性が高く、極細繊維の束が絡み合っているため他の皮革と比べて耐久性、柔軟性も長く保つことができます。
今も東大寺正倉院には鹿革製の供物が保存されており、1300年以上の歳月を重ねた今も柔軟性と色彩が保たれているそうです。
鹿革以外の物は硬くなってしまっている中、鹿革の製品は切り口も新鮮なままで、老化を感じさせない状態とのこと。
その特性のため、肌触りが非常に良く、型崩れしにくいです。
また、一般的に革製品は布製品に比べて重くなりがちですが、鹿革製品はとても軽いのも特徴です。
人肌の様な柔らかくしなやかな感触で軽く、水や摩擦にも強く、通気性・吸湿性に優れ、何年たっても劣化しにくい鹿革。
この素晴らしさを実感していただけたら幸いです。