私たちも大好きな松原ミートさんのシャルキュトリ。クラウドファンディングのリターン品にもご用意させていただきました!●お肉とビール「松原ミートコラボセット」初醸造飲みくらべビール3本こめホワイトエール、ゆずペールエール、土佐IPA各1本松原ミート シャルキュトリ四万十米豚のパテドカンパーニュ土佐鹿のブーダンノワール土佐鴨のレバーペーストこの機会に、松原ミートの松原さんと瀬戸口が、コラボセットのおいしい楽しみ方について話してみました。松原さん、シャルキュトリってなんですか?瀬戸口 :まずはシャルキュトリについて改めて教えてください。松原さん : シャルキュトリっていうのは、ハムとかソーセージ、パテ、ベーコンなど、肉の加工品の総称のことです。豚肉を原料としているものが一般的には多いのですが、牛、鶏、ジビエなどお肉ならなんでも使います。これらを販売する店のこともシャルキュトリとよび、つくる職人を「シャルキュティエ」と呼びます。瀬戸口:つかっている肉が違っても、○○のパテ・ド・カンパーニュとか、○○のブータンノワールとか、名前が違うと作り方も違うんですか?松原さん:そうですね。例えば、パテ・ド・カンパーニュっていうのは、「田舎風のパテ」という意味です。瀬戸口:僕ら、高知カンパーニュブルワリーのカンパーニュもそうです。松原さん:ですよね。で、なにが「田舎風」なのかというと、肉をミンチにして練り合わせて塩を入れるだけという作り方。パテの中では一番シンプルな作り方なんですね。パテには、他にもいろんな種類があって、肉の良い部分を2㎝角とか同じサイズに切りそろえて、内臓やフォアグラなども切りそろえて、それを綺麗に詰めて網脂ではなくて背脂のスライスで綺麗に四角く巻いて加熱してから重しをして表面を平らにならして、さらにコンソメのジュレを流して…みたいな高級なものとか。瀬戸口:めっちゃ手間かかりますね。松原さん:そう。それに対して、田舎風はもうざっと、ミンチにして練り合わせて型に詰める。作り方として一番シンプルなんです。うちの場合は、型じゃなくて瓶につめています。瀬戸口:なるほど。ブータンノワールっていうのは、血液を使った料理のことですか?松原さん:そうですね。血液ベースのソーセージのことをブータンノワールって言います。うちは、ソーセージのネタを腸詰めしないで瓶詰めにしてます。瀬戸口:あれはなんであんなに上品な香り、味わいなんですか?めちゃくちゃ上品ですよね。松原さん:鹿の血がそういう特徴なんですよ。コクが出るというか、ボリューム感が出るというか。鹿の血ってすごくあっさりした感じなので、あわせているスパイスでそういう印象になっているのかもしれない。鶏だともっと軽いので。瀬戸口:そうなんですね。ちなみに、今回のセットには入っていないんですけど、よく聞くリエットっていうのはどういう料理なんですか?松原さん:リエットは、ペースト状のものを言うんですけど、リエットの語源は「リエゾン(liaison)」。「繋ぎ」とか「仲介」って意味のフランス語です。肉と油が繋がっている状態をイメージしてください。肉と脂を混ぜながら冷やし固めていって一体化させて滑らかな質感を作ります。瀬戸口:肉と脂を一体化させるためになにかするんですか?松原さん: まず煮ます。煮て、脂を肉から引き出します。で、肉を細かくして、脂と一緒に、氷とかを当てて混ぜながら冷やすんですよ。そのまま冷やすと脂と肉にわかれてしまうんですけど、混ぜながら冷やすと肉と脂が繋がって滑らかな肉のペーストになります。だから「リエット」。TOSACOとシャルキュトリのおいしいペアリング瀬戸口:今回のセットに入っている、それぞれのシャルキュトリとTOSACOのビールはどうペアリングするのがいいですかね?松原さん:頭の中だけで考えるのもなかなか難しいけど…。ペアリングとかマリアージュとか、その味の相性って色んなパターンがあるから。近い味の要素の組み合わせで一体化を楽しんだり、対極にあるものに何かの要素で橋渡しをするパターンもあります。土佐鴨のレバーペースト×○○瀬戸口:一番難しいのは…レバーペーストですか。松原さん:そうですね。味が一番特徴的だから。瀬戸口:土佐鴨のレバーペーストはどんな特徴があるんですか?松原さん:まず、うちのレバーペーストは、バターを使っていないのが特徴ですね。大体、みんなバターを使うので、芳醇な香りになるけど、ちょっと重い印象もでる。僕も最初はバターを使ったものしか知らなかったけど、どうしてもバターは高いので、価格のことを考えた時になんかできないかなと思って。瀬戸口:何を使っているんですか?松原さん:ラードです。試しにラードを使ってみたら軽い印象で仕上がったので、なるほどなるほど、これはこれでいいな、と。瀬戸口:そういう工夫があったんですね。よりシャルキュトリらしいですよね。ラードを使うというのは。松原さん:土佐鴨のレバーペーストに関しては、ラードすら使っていなくて、鴨の脂でつないでます。鴨は皮下脂肪が多いので脂になるので。瀬戸口:これめちゃくちゃ美味しいですよね。松原さん:ありがとうございます。鴨のレバーって、すごく血の気の多い上級者向けの食材なので、四万十鶏のレバーペーストと比べると万人受けする味ではないかなと思います。瀬戸口:ペアリングは何が良いですかね?松原さん:赤ワインと山椒を使っているので、こめホワイトとかが良いかもしれない。混然一体としたペアリングというよりは、口直し的なイメージですね。もしかすると、黒糖スタウトは難しいかもしれない…試したことないですけど。四万十米豚のパテ・ド・カンパーニュ×○○瀬戸口:一番合わせやすいのは?松原さん:四万十豚のパテドカンパーニュ。あれはプレーンな味付けで、ほとんどスパイスも入れずに、米豚の味を楽しんでもらえるようにしているので。多分なんでも合わせられます。瀬戸口:なるほど。松原さん:和醸ケルシュって料理に合わせるの難しそうだけど、相性いいと思います。料理にインパクトがあるとビールが負けちゃいそうだけど、おとなしいもの同士で。瀬戸口:いいですね!和醸ケルシュのペアリングを決めたかったんですよ。土佐鹿のブーダンノワール×○○瀬戸口:最後に、ブーダンノワールはどうでしょう。松原さん:ゆずペールエールとか問題なく合います。瀬戸口:土佐IPAもどうですか?松原さん:良いですね。柑橘系は基本的に相性がいいですね。黒糖のやつもいいんじゃないですか。瀬戸口:黒糖スタウトも確かに良さそうですね。これはぜひ、食べ比べ・ 飲み比べしながらおいしい組み合わせを皆さんにも見つけてほしいです。おいしい高知の おいしいお肉松原ミートさんはシャルキュトリづくりだけでなく、新醸造所からもすぐ近くの物部川沿いで地鶏の放し飼いを始めるなど、ワクワクするような取り組みを続けています。建設中のビアスタンドでは、TOSACOをはじめとしたクラフトビールを楽しむだけでなく、フードメニューとしてシャルキュトリを召し上がっていただいたり、ゆくゆくはビアガーデンで松原さんとBBQをしたりできたらいいなと構想を膨らめています。ぜひ、楽しみにしていてください!ビアガーデンを充実させるために、まだまだ皆様のご支援が必要です!応援・拡散よろしくお願いします!
私たち、高知カンパーニュブルワリーは、7月に創業5年を迎えました。エンジニアから心機一転ブルワーを目指し、大阪から高知に移住をして造りはじめたのが『TOSACO』です。高知の海に、妻とふたりでビールの種をまく。高知の素材にこだわり、高知らしい、高知だからこそできる。そんなビールを目指して、5年前に創業しました。5年がたち、いま私たちは次のステップへ進もうとクラウドファンディングに挑戦しながら、高知県の物部川のほとりにビアスタンド併設の新工場を建設しています。この機会に、これまでを振り返って、そしてこれからのことを考えてみました。クラフトビールを生業に選んでもともと大学で電気工学、大学院でバイオサイエンスを学んでいた私の中で、自分の生業=ものづくりのイメージがありました。電気機器メーカーでエンジニアとして勤めるうちに、ものづくりに携わるだけではなく、自分自身で入口から出口まで一貫して関わりたい・責任をもって「つくったもの」を届けたいと思うようになり、そのときに「なにをつくって生きていこうか」と、選んだのがクラフトビール。島根県の石見麦酒で、ビールづくりの基礎と、小規模醸造システムである「石見式醸造」を学び、高知県ビジネスプランコンテストを経て、2018年に単身高知へ移住し「高知カンパーニュブルワリー」ははじまりました。創業当初は、「とにかく全部一人でやります!」という意気込みで、寝食を忘れるくらいストイックに仕事にのめり込みました。今考えると、精神論で乗り切ろうとしていて。若かったというか、バカだったというか。笑周りの方の支えもあって、高知県内のメディアで紹介していただく機会がありました。少しずつTOSACOが知られていって、売れるようになっていくだろうと考えていたので、突然商品が足りないということに。どうにか欲しいと言ってくださる方のもとにTOSACOを届けたい一心で、まさに寝る間も惜しんで1日2回の醸造を何日も行いました。醸造の合間にラベルを貼り、週に1回納品に駆け回る。この時が一番体力的にしんどかったと思います。徐々に体調を崩し、気持ちだけでは超えられない限界を悟りました。そんな窮地を助けてくださったのが町内会長さん。ご近所さんに声をかけて、ラベル貼りを手伝っていただいたことは一生忘れないです。足を向けて寝られないですよね。半年間毎日来てくださった。「全部一人でやろう」なんて考えが、いかに未熟だったかをこの時痛感しました。将来どんな会社を作っていくか、どう効率化するかなど、事業を継続させる視点をもてるようになったのはこの時だったと思います。いつまでもこのビールはつくれない、という危機感TOSACOのコンセプトは「おいしい高知の おいしいビール」。クラフトビールとしておいしいだけでなく、なにか高知の素材を使っているのが特徴です。今まで、高知県の34市町村のうち17の市町村の農作物をつかって、25種類のビールをつくってきました。土佐文旦、柚子、芸西糖、榧の実、米糀、マンゴー、バナナ、リンゴ、米、山椒、イチゴ、赤しそ、ぶしゅかん、フルーツトマト、鰹節、栗、ベルガモット…必然的に一次産業にかかわる生産者の方々からたくさんのお話を伺います。そんな中、高知に住むまでは知らなかった危機感をもちました。ミルクマンゴーヘイジ―をつくる中でぶつかった壁。農家さんの高齢化と減少、廃業です。いまつくっているビールのラインナップの中でも、10年後、20年後に同じようにつくり続けられるのか心配なものがいくつかあります。そもそも、私たちがつくるビールは、高知の素材があってはじめて生まれるビールです。「おいしい高知のおいしいビール」と言っているように、「TOSACOらしさ」は、高知に魅力的な農作物があるのが前提にあって、それを活かしてクラフトビールを作るのが根幹にあります。例えば、10年後や20年後も今と同じように副原料としている農作物が使えるのか、お付き合いある農家の方々が農業を続けておられるかと考えると、なかなかイメージが持てなくて。当然、TOSACOも今のように自由につくれなくなってしまいます。自分たちも、当事者として積極的にコミットしないといけないと痛感しています。「おいしいビール」をきっかけに、「おいしい高知」を知ってもらうまず私たちにできるのは、きちんと美味しいと胸を張れるビールをつくること。そのために、新工場では従来の石見式醸造の設備だけでなく、大手メーカーと同様の製造が可能な醸造設備を導入します。「おいしいビール」をとおして、「おいしい高知」を知ってもらう土台を作っていきます。この「おいしい」というのは、味のことだけではありません。ビールの背景や地域の魅力を伝えたり、面白い人たちと料理とビールでコラボレーションしたりして、物部川の自然も一緒に味わってもらいたいです。建設中のビアスタンドは、そんな色々な「おいしい」を感じられる場所を目指しています。食卓を豊かに、そして地域経済に豊かさの循環を創業からずっと掲げている、高知カンパーニュブルワリーの経営理念は、「食卓を豊かにすること、その豊かさを地域経済に循環させること」です。この循環というのは、TOSACOをきっかけとしたビアツーリズムもあれば、麦芽粕やホップ粕のアップサイクル。最近では、高知の地域資源である木材を使った、木質バイオマス発電で動くブルワリーも、将来の構想として描いています。ゆくゆくは、ビールに使える地産素材も広げていく予定です。今は、副原料に高知県産の素材を使っていますが、モルト(麦芽)やホップ、酵母といった主原料まで地産のものを目指します。正直、安くて質の良い海外産のモルトがあるので、オール高知のビールはかなり高価になると思います。でも、そこから逃げずに、将来を見据えて、本当の意味での「地ビール」のあり方を追いかけることは地域のため、日本のため、なにより自分たちのためになります。まだまだ役不足で色々な方々にお世話になってばかりですが、それでも、もっとやりたいことがたくさんあります。すべて私たちだけで完結させるということではなく、地域の人や会社と一緒に取り組むことで可能性がグッと広がり、将来実現できるはずです。今は醸造所とビアスタンドしか造れていませんが、目の前の空き地や耕作放棄地にもいろいろなコンテンツを肉付けしていけたら、物部川エリアがもっと面白い場所になっていくと思っています。今、TOSACOが物部川で描く未来 創業時にも目指す未来の絵を妻と2人で描いたのですが、今の新工場を構想する前にも2人で「改めて、自分たちはどうしていきたいんだろう?」と絵を描きました。創業するときは、「クラフトビールを作って、妻と一緒に乾杯したい」から始まったので、ファミリービジネスのような将来を考えていました。蔵を改造して醸造所をつくって、地域のコミュニティスペースとしてビアパブが併設されている。隣の畑で育てた自家製の野菜を料理に使って、うちの子供が出している…そんな、アットホームな雰囲気で、家族で醸造所兼お店を営んでいくイメージです。端的に言えば、せっかくなら好きなことをして生計を立てて、妻と子供を育てていけたらいいなぁと。今は、事業を通じて、物部川エリアに循環型の経済を作っていきたいと考えています。例えば、地域おこしとして物部川地域を四国における新興観光地の筆頭格にする。既に四国には、道後温泉をはじめ観光地がありますし、県内でも四万十川や仁淀川が有名です。それでも、これから新興観光地として物部川エリアで頭角を出していきたい。その仕掛けに私たちもプレイヤーとしてコミットしていきます。今はまだ、ビールというプロダクトでしか高知や物部川の魅力を表現できていないのがもどかしいのですが、自分たちが日々仕事をしていることが、そのまま地域を潤し続けることにつながるように、ここから挑戦していきます。交通の利便性がいい物部川地域には、既にある観光・自然資源に加えて、私たちのような移住者や面白いプレイヤーが続々と集まってきています。個々の人や資源がもつ魅力を、地域の魅力として面でとらえてもらえるような、人が繋がる場、コトが生まれる場としてビアスタンドを物部川エリアの中で位置づけるつもりです。食とビールや、ビールとアウトドアのコラボイベントからはじめて、徐々にもっと多様で大きな輪ががって、新しい取り組みが自然と起こっていけば、素晴らしいイノベーションが生まれるはずです。そういう試みを重ねて会社を続けていき、地域循環型のブルワリーやビジネスの道筋をこれから築いていきたいと思っています。これからも、頑張っていくので、応援よろしくお願いします!