「完璧主義」という性質は、時にその体の持ち主を極限まで追い詰める極めて危険な能力のことでもあります。
しかもそういうものに追い詰められている時、「追い詰めている自分」と「追い詰められている自分」という二つのものが何故か存在してしまって、これらの同居あるいはコントロールが非常に複雑なんです。
これは、決して多重人格などの話ではありません。
人格はひとつである認識なのですが、その中でもどうしても「こういうモードとこういうモードがある」という風なことで。
特に、映画宣伝が始まって以降の時期は病的なまでに完璧主義な自分が身体を支配しやすい(優位にある)状態に入ってしまい、ありとあらゆることが遅々として進まなくなってしまい、そのスケジュールの遅延でさえもさらに完璧主義な自分が追い詰めにかかる…、という負のループに悩まされること山のごとしなのです。
この完璧主義という性質が、時に映画の制作であったり、クリエイティブにまつわるものに関して非常に有利に働いている、ということは重々頭で理解しながらも、そのメリット以上にデメリットに悩まされることの方が多いので、どうにも「完璧主義っていいよね」という気分にはなれません。
ただ、この病的にストイックな自分をなんとかなだめる方法もいくつかはありまして。
その中で良く使っているのが、「ToDoを細かく設定して小さな報酬を適度に脳に与えてやる」という方法です。
常にギチギチに日常行動を監視してしまうストイックな自分に対して、「ほら、今日はこれとこれが出来たよ」と餌を与えてやることで、少しは満足してもらえる。もう一人の自分を穏やかにしてあげられる。
▼亀山が常用しているToDoアプリはこちら
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-to-do-list-app
本当は、こんなことしなくても穏やかに生きられるのが理想ではあるのですが、今のところはこれでなんとか凌いでいます。
とはいえ、スケジュールが詰まってくると逆に「今日はあれもこれもクリアできなかった…」という闇落ちモードに入ってしまうので、それはそれで悩ましいところなのですが。
うーん、調整は難しいものですね。
そして、ここからはストイックさの良い面の話。
全く新しいものに対峙するとき、まずはマニュアルを見たり、チュートリアルを探してみたり、人によって慣れ方・学習の仕方は様々あると思います。
無数にある学習方法の中から何を選ぶか、そしてどれだけ学習するか。
この時、特に新しいものの習得に関して期限が迫っていたり必要性がとても高かったりする際、自分の「完璧主義」は学習効率を上げる、良い要素にもなっているな、と感じることがあります。
説明書もなしに新しいものの扱いに慣れなければいけない時、まずは何がどう動くのか、どのコマンドが何を意味するのか、ひとつひとつ読み解いて体で覚えて、筋力トレーニングのように繰り返し繰り返し染み込ませていきます。
すると、そのうち自然と「これはこうやって作る」「こういうものを作りたいときはこうする」というルールが、頭よりも体で覚えられるんです。
なんで今日この話をしているかと言いますと、そう、新しい企画のうちのひとつに関して、また新たにWEBサイトを作っていたからです。
実は、この『12ヶ月のカイ』の公式サイトや『世界で戦うフィルムたち』の公式サイトを作った時も「AmebaOwndの扱いに慣れる」というイチからの学習でしたが、今度はWIXを使ってのサイトの立ち上げをすることになり、せこせこと、慣れないUIとにらめっこしながら、今日もひとつひとつを読み解いていたのです。
やや時間のかかる作業ではあるのですが、こういうところに耐性があると言いますか、こういうものを苦に感じないあたりは、自分のストイックさ、完璧主義な部分が多少は役に立っているのかな、とも感じます。
完璧主義な人でないと、おそらくここまで試行錯誤することも、ないでしょうから。
▼ちなみにAmebaOwndもWIXも、コーディングの知識なしで簡単にWEBサイトが作れる有名なサービスです。
コーディングの知識がある方向け・SEOしっかりしたい方向けなのはやはりWordPressなのかなと思いますが、そうでなく、映画宣伝用にペライチのサイトを作りたい!というときには、これらのノーコード系のサービスがとても便利です。ご参考までに。
そして、明日はいよいよ、先日仕込んでいた工藤さんの撮影です。
仕上がりをお楽しみに。
亀山睦木