“リンゴ酒”とは?
そもそもリンゴ酒とは太宰の小説 津輕に度々登場するお酒のこと。太平洋戦争中にビールや日本酒の代替品として実際に飲まれていたものであり、現代のシードルや果実酒とは異なるものです。五所川原市に観光でいらっしゃる太宰ファンの方々がこのリンゴ酒を探しているとよく耳にしますが、実は現在の青森県でリンゴ酒は飲まれておらず、ましてや醸造するところも存在しません。戦後、ビールや日本酒といったお酒が手に入りやすくなり、徐々に姿を消したと考えられます。
太宰が飲んだリンゴ酒再現プロジェクト
青森県が生んだ文豪 太宰治と、彼の故郷である青森県五所川原市(ごしょがわらし)を掛け合わせた地域の観光資源をつくりたいという想いから始まったプロジェクトです。2019年に青森県にUターンしたりんご農家 土岐 彰寿(とき あきなが)を中心とした、五所川原市の発展を望むメンバーで構成されています。
このプロジェクトは今回が2度目のクラウドファンディング挑戦です。前回は「津輕」と「RASHO 〜太宰治に捧げる〜」という2種類のリンゴ酒を醸造・販売するために実施し、263名の方から184万円を調達することができました。青森県内での一般発売時には売り切れが続出。たくさんの方から『飲んでみたい!』というお声をいただき、増産もいたしました。
しかしリンゴ酒の再現には大きな困難がありました。リンゴ酒は現在出回っておらず、リンゴ酒の詳細が記述されている文献も残っていません。おそらく戦時中のため記録を残す余裕がなかったこと、そして製造工場の各所で技師等が戦争に駆り出され、きちんと管理できていなかったことが原因と考えられます。我々は一からの調査が必要となり、青森県内のりんご農家や太宰にまつわる人物、歴史資料館・研究所等、様々な方のご協力を得て2種類のリンゴ酒を作り上げました。
そして第2弾となる今回は、新たに「人間失格」と「斜陽」という名のリンゴ酒を企画。このリンゴ酒が五所川原市の魅力の一つとして定着していくことを目指しています。
いただいた支援金は新たに醸造を行うリンゴ酒2種の醸造試作費用、取材調査等の諸経費、今後の販路拡大やPR費、そしてリンゴ酒の原料であるりんごの1品種であり、現代では出回ることの少ない幻のりんご 国光(こっこう)の復活資金として使用いたします。(このほかクラウドファンディングの実施手数料にも使用されます。)
前回のクラウドファンディングの様子はこちら
4種類のリンゴ酒はどのように作られたのか?
津輕
味の再現に焦点を当てたリンゴ酒。使用しているりんごの品種は太宰がリンゴ酒を飲んだ当時の主流品種である国光(こっこう)のほか、強い酸味が特徴の紅玉(こうぎょく)と印度(いんど)を使用。酵母には日本酒酵母を使用することで、日本酒の代替品として飲まれていたリンゴ酒の忠実な再現を目指しました。
RASHO 〜太宰治に捧げる〜
『こんなリンゴ酒があったら太宰は喜んだのではないか?』という考えから生まれたリンゴ酒。ワイン好きであったとされる太宰が好むよう、ワイン酵母を使用したフルーティな風味を楽しめるアレンジ版です。名称は太宰が心酔していた芥川龍之介の作品名から名付けました。
人間失格
「津輕」と同様、実際に飲まれていたリンゴ酒の忠実な再現を目指しアルコール度数に着目。日本酒のアルコール度数にできる限り近づけるため、補糖という工程を踏むなどの試行錯誤を繰り返し、最終的にアルコール度数10%になる想定です。りんごの品種はトキを、酵母には青森県で開発された清酒酵母 まほろば吟を使用。さらにリンゴ酒は当時日本酒の酒蔵でもつくられていたことから、桶や木樽をイメージした香り付けを行いました。
斜陽
太宰の故郷である青森県五所川原市の特産品、果肉まで赤いりんご 御所川原(ごしょがわら)と栄紅(えいこう)を使用することで、斜陽色のリンゴ酒を目指します。酵母の選定は、小説 斜陽に登場するバラから着想を得て、バラの花成分が入ったワイン酵母を使用することにしました。
プロジェクトメンバー
プロジェクト代表
土岐 彰寿(トキあっぷる社)
青森県五所川原市出身・在住。中国に本社のある大手通信技術会社に12年間務め、2019年にUターン。実家のりんご園に就農。生産から加工品の企画販売まで、りんごの6次産業に注力している。
五所川原市生まれの黄色いりんご「トキ」や、果肉まで赤いりんご「御所川原」を使ったシードルを開発するなど、独自の発想と行動力を生かして、五所川原市の発展につながる活動を行う。
佐藤 文俊・明子(さとうりんご園)
青森県五所川原市出身・在住。2017年に夫婦で新規就農し、りんご園を営む。『もっとりんごに親近感をもってほしい』という想いから、りんごの加工品開発にも注力。当プロジェクトでは取材調査や原料調達のほか、明子さんはリンゴ酒ラベルなどのデザインも手掛ける。
和田 史香(株式会社FoundingBase/北海道富良野市地域おこし協力隊)
青森県五所川原市出身、北海道富良野市在住。地方共創に取り組むまちづくり会社に所属し、現在は北海道富良野市の地域おこし協力隊としてふるさと納税PRなどを行っている。当プロジェクトではクラウドファンディングの制作実施を担当。(所属先は当プロジェクトと無関係の団体です)
江良 圭太(つ・な・がる 代表)
青森県五所川原市出身・在住。首都圏でサラリーマンをしながら地域活動の実施や青森県関連イベントを開催していたが、2019年にUターン。現在は地元FMラジオや自身のSNSで青森県のPR活動を行っている。当プロジェクトではイベント等のじゃわめき(津軽弁で賑やかし)を担当。(所属先は当プロジェクトと無関係の団体です)
山本 風花
青森県五所川原市金木町出身・在住。高校生ながら独学で絵を学び、絵本を出版している。当プロジェクトでは本人初の試みとなる商品ラベルのイラストを担当。
山田大輔(五所川原市 経済部 地域物産振興課)
青森県五所川原市金木町出身・同市在住。2014年から五所川原市役所に勤務し、現在は特産品の販売促進や普及に関する業務に従事している。当プロジェクトでは行政サポートを担当。(所属先は当プロジェクトと無関係の団体です)
協力(順不同・敬称略)
GARUTSU株式会社
リンゴ酒醸造
社中
リターン(Tシャツ)提供
青山 富士子
研究協力
吉川 奈央
撮影
協賛
Bar sugar tree
リターン(優待制度)協力
研究調査・原料提供にご協力いただいた皆さま
弘前工業研究所
リンゴ酒の試作を実施いただきました。原料となるりんごの品種の割合や発酵期間が異なる試作品を十数種類仕込み、糖度やアルコール度数などの成分調査や試飲を経て、「人間失格」と「斜陽」のレシピを作り上げました。
木村農園 木村 昭子 氏(五所川原市金木町)
当プロジェクトに『国光らしきりんごの木があるから確認してほしい』と連絡をくれた木村さん。
現代におけるりんごの主流品種 ふじの木から生えた枝の一本に国光が成っていました。おそらく元々国光だった木にふじの枝を接木しており、年月が経って元の国光が出てきたのだと思われます。今回はこちらの国光をご提供いただきました。
また木村農園さんには太宰とのエピソードが残っており、昭子さんが3歳の頃、着物と下駄を履いた太宰が園内でりんごのお花見をしていたそうです。
りんご研究所
木村農園さんからの相談を受けた際、プロジェクトメンバーでは国光かどうかを判別できないため、りんご研究所の研究員へ依頼。結果、国光であるとお墨付きをいただき、太宰治の故郷 金木町にリンゴ酒の原料である貴重な国光の木が残っていたことが明らかになりました。
春秋園 秋元 雅博 氏(五所川原市飯詰)
『自分が食べたいから』という理由で、現代ではほとんど流通しない品種である国光の木を残していた秋元さん。五所川原市内に現存している数少ない国光をご提供いただきました。
リターン商品のご紹介
●人間失格証
すべてのリターンに、ご支援いただいた方のお名前が記された人間失格証が同梱されます。
この証明書を青森県五所川原市にあるBar sugar treeで提示すると、チャージ代500円が無料となります。(有効期限:2023年9月30日)
ぜひお手元から無くさず保管いただき、五所川原市へお越しの際にお立ち寄りください。
この他の飲食店等でも証明書の優待制度を拡大予定です。詳細は各SNSで発表予定ですので随時チェックしてみてください。
Bar sugar tree オーナー 岡 駿岳「私は人がお酒を好きになるきっかけづくりや、お酒への興味・関心を増幅させたいという思いからバーを開いています。カウンター8席という小さなお店ですが、ここを社交場としてたくさんの方とお会いできることを楽しみに、みなさんのご来店をお待ちしております。」
●りんご5品種飲み比べ100%ジュース (さとうりんご園)
御所川原(斜陽)・トキ(とき)・紅玉・国光・ふじの5品種を使用した、5種類の飲み切りタイプのりんごジュースです。それぞれの味や色の違いをお楽しみください。
リターンには通常ラベル版のほか、シークレット版のクラウドファンディング限定ラベルや、御所川原(斜陽)のみの5本セットもご用意しています。
●さとうりんご園シードル
青森県津軽地方産の完熟りんごを100%使用した無濾過シードルです。
さっぱりした甘味とスッキリとした飲み口で、りんごそのものの風味を楽しめます。
食前酒として、またはメイン料理やスイーツにあわせても美味しくお召し上がりいただけます。
ーシードルjonagold(Alc.3%)
手間ひまかけて大切に育てたりんご「ジョナゴールド」100%使用のスイートタイプ
ーシードルjonagold Dryブレンド(Alc.6%)
「ジョナゴールド」をメインにしたオリジナルブレンドの辛口タイプ
●とおあまりみっつシードル(トキあっぷる社)
●農家の本気りんごジュース(さとうりんご園)
さとうりんご園で採れたりんごのみを使用。ジュースに適した熟度の実をひとつずつ手作業で選び、手間ひまかけて丁寧につくりました。甘味料や水分・酸化防止剤などの添加物を一切使用していないため、りんご本来の甘みとコクを味わうことができます。
ふじ・王林・ジョナゴールド・紅玉・スイートブレンド・スペシャルブレンド(酸味強め)の6種類を贅沢に飲み比べて、酸味・甘味・旨味の違いを感じてみてください。
●太宰治のらくがき長袖Tシャツ(ホワイトのみ)
太宰治が少年時代に使っていたノートのらくがきをプリントした新しいTシャツ。
イラストは太宰治の末裔である津島家(本家)と、ノートを所蔵している弘前大学附属図書館から正式に販売許可を取得しています。
リターン一覧
1.お気持ちで支援コース(人間失格証のみお送りします)
2.りんご5品種飲み比べ100%ジュースセット(通常ラベル)
3.リンゴ酒 人間失格&斜陽 2種各1本 ※お酒
4.リンゴ酒 人間失格&斜陽 2種各1本/果肉まで赤いりんご「御所川原」100%ジュース5本セット ※お酒含む
5.りんご5品種飲み比べ100%ジュースセット2箱(通常ラベル&クラウドファンディング限定ラベル)
6.リンゴ酒 人間失格&斜陽&津輕&RASHO 4種各1本 ※お酒
7.リンゴ酒 人間失格&斜陽 2種各2本 ※お酒
8.リンゴ酒 人間失格&斜陽 2種各1本/さとうりんご園シードル 2種各1本 ※お酒
9.リンゴ酒 人間失格&斜陽 2種各1本/りんご5品種飲み比べ100%ジュースセット(クラウドファンディング限定ラベル) ※お酒含む
10.リンゴ酒 人間失格&斜陽 2種各1本/とおあまりみっつシードル 1本 ※お酒
11.リンゴ酒 人間失格&斜陽 2種各1本/太宰治らくがき長袖Tシャツ 1枚 ※お酒含む
12.リンゴ酒 人間失格&斜陽 2種各1本/農家の本気りんごジュース 6本 ※お酒含む
13.リンゴ酒 人間失格&斜陽&津輕&RASHO 4種各1本/りんご5品種飲み比べ100%ジュースセット(クラウドファンディング限定ラベル) ※お酒含む
14.リンゴ酒 人間失格&斜陽&津輕&RASHO 4種各1本/太宰治らくがき長袖Tシャツ 1枚 ※お酒含む
15.リンゴ酒 人間失格&斜陽&津輕&RASHO 4種各2本 ※お酒
※20歳未満の者による飲酒は法令で禁止されています。20歳未満の方はお酒を含むリターンを選択いただけません。
今後のスケジュール
2023年2月 リンゴ酒(人間失格・斜陽)完成
2023年3月 リターンの発送
2023年5月 一般販売(予定)
Twitter/Facebook/Instagram/YouTube
お問い合わせ先:dazai.ringoshu@gmail.com
■食品表示 (人間失格・斜陽・津軽・RASHO)
名称:果実酒(炭酸ガス含有①)
原材料名:りんご(青森県産)、酸化防止剤(亜硫酸塩)
内容量:330ml
保存方法:直射日光・高温多湿を避けて常温で保存
添加物表示:※酒類は原材料名に記載
アレルギー表示:※酒類は表示不要
賞味/消費期限:※果実酒のため無期限
主原料の原産地:青森県
※その他リターンの原材料及び添加物等の食品表示はお届け商品のラベルに表記されます。
■酒類販売管理者標識
①販売場の名称及び所在地
トキあっぷる社
五所川原市大字神山字牧原15番1および15番2
②酒類販売管理者の氏名
土岐 彰寿
③酒類販売管理研修受講年月日
令和2年1月12日
④次回研修の受講期限
令和5年1月11日
⑤研修実施団体名
日本ボランタリーチェーン協会
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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