「二重巻きモールグラスシリーズ」の記念すべき第一号のグラスです。 このグラスのデザインは1992年に考案しました。なので今年で制作30周年になります。独立した当初私はこの技法を好み、特にグラス類に多用しました。 当時、民芸系のモールタンブラーとは一線を画したいと思い、二重巻きにして途中までしかモールの入らないものに仕上げました。 今までたくさん作ってまいりました。目をつぶっても簡単にできる時もあれば、久しぶりに作ると全然上手くいかないこともあります。手仕事の奥深さを感じる瞬間です。 「二重巻モール」という名前は私が考案しましたが、この二重巻という技法は一般的なものです。その技法に捻ったモールを加えました。想像していた通り良いものになったので、その後いろんな大きさや形のものに使うようになりました。
この一輪挿しを初めて展覧会に出品した時はいつだったか忘れてしまいましたが、作品を搬入した時はギャラリーのオーナーにも喜んでいただきましたし、いざ展覧会がスタートするとあっという間に完売したのを覚えています。お買い求められたお客様からは、花が生けやすいという意見が多かったです。これは私のオリジナルデザインですが、似たようなデザインは紀元前からありまして、首の左右から耳が付いたもの等があります。色の無いシンプルなデザインだからなのか、花が入っているイメージが湧きやすいのかもしれません。ありがたいことにロングセラーになっています。私の一輪挿しのエピソードではありませんが、こういう一輪挿しを酒器に使われたある有名俳優さんがいらっしゃいました。さて誰でしょうか?ヒントは息子さんも俳優でミュージシャンとしても大成功されました。ランキング歌番組の常連さんでしたね。笑
インスタグラムのサービスが開始される迄は、Frickrに私の作品を投稿していました。もし・・・タラレバではありませんが、工房が火事にならなければ、リターンはもっと魅力的なラインアップとなったことでしょうね。このサイトにはデビュー当時からの作品を、私たちがフィルムカメラで撮った紙媒体の写真を1枚ずつスキャナーで読み取り、データ化してFrickrに投稿しているものも数多くあります。中でも凄く写りの良いものは、商品写真を専門とするプロのカメラマンの撮ったものです。今回、リターンに加えていないのは、作品のサンプルが消失した為です。ご容赦ください。旅のスナップ写真も混ざっていますが、よろしければご覧になってください。
ぐい呑このぐい呑は私がまだ修業中の二十代後半に考案し制作しました。台のデザインは古代ガラスのとんぼ玉のデザインを台に転用しました。とんぼ玉は装飾品なので、カラフルな色が使われています。最初は線模様に色ガラスを使っていましたが、シックに仕上げたくなり、スキ(色無し)だけで作るようになりました。そして平成6年、家庭画報という雑誌の「冷酒膳を演出する夏の酒器揃え情報」という特集にこのぐい呑を載せていただきました。そうそうたる作家に混じっての出来事だったので、私にとっては記念碑的出来事となりました。当時、私はまだ32歳の若造でしたから。展覧会では外国の方にも受けました。カップの形状からやや辛口のお酒に合うと思います。また珍味入れにも使えると思います。この画像のものは完成形の中の完成形です。もうこれ以上のものは作れません。気になられた方はぜひこの機会にリターンとしてお選びくださいませ。笑
クラウドファンディング終了まで今日を含めてあと9日間しかありません。最後まで頑張りますので、皆様の温かいご支援やプロジェクトの応援、シェアをしていただけると嬉しいです!どうぞよろしくお願いいたします。大学の先輩が「がんばれ!」と千葉の落花生を届けてくださいました。とても美味しかったです。ありがとうございました!