「散骨ガーデン」に墓石を置かない理由と霊園の持続可能性。
墓石がないペット霊園というと、思い切ったねと言われることがあります。私もこの点については当初悩みましたが、吹っ切れたきっかけはペット霊園用地を探している間にたまたま見た、行政によって競売にかかっていた人間用の霊園です。
そこは写真を見る限り、墓石の立ち並ぶ普通のお墓でした。物件の概要には放置墓が多数ある旨が記載されていました。
先祖代々のお墓すら放置される時代です。ましてやペット霊園の場合、そこに眠るペットの親族(飼い主)は一代限りです。家族で可愛がったとして、二代、三代。どれほど長く、墓石の管理がなされるでしょうか。
お墓に限らず場所の安全を守るためには、「維持」という2文字に言い表しきれないたくさんの工程があります。その工程を必要最小限に絞り込み、それでもなお「ここを訪れたい」と思える霊園の空間を想像してみました。
まるで民家の庭先のような飾らない空間ながら空は広く、川のせせらぎが聞こえる場所。鳥や虫がやってきて、実や種、蜜を食べ運ぶ風景。時々訪れて、ベンチに腰掛けて、在りし日を思い出せる。芝生に寝転がって大空をずっと眺めていられる。
それが今回のクラウドファンディングで目指している、那須の丘の持続可能な新しい風景です。