バリュープラス アーカイヴ プロジェクトです。
本日もみなさまにフィルムの中から厳選してご紹介します。
『快傑ライオン丸』からこちら!
分身魔王デボノバ。第8話から第20話まで登場した、『快傑ライオン丸』におけるいわゆる「幹部怪人」です。『快傑ライオン丸』の悪役というと、やはり前回まで紹介したタイガージョーを連想する人が多いと思いますが、そのタイガージョー登場以前の物語を悪役サイドで引っ張っていたのが、このデボノバというキャラクターでした。
大魔王ゴースンが自らの身体から生み出し(だから「分身魔王」)、ゴースンの代わりにドクロ忍者や怪人たちに指令を出す「現場指揮官」の役割を与えられた敵幹部のキャラクターがデボノバです。魔剣や多彩な魔術の使い手であり、部下との連携でライオン丸を何度も苦しめました。狡猾な中に妙な人間臭さも併せ持つ、一度観たら忘れられない悪役の一人です。
デボノバは大仰に手を動かし、セリフに合わせたハンドアクションを常に欠かさないのが最大の特徴でした。この芝居はピープロファンであればご存知の通り、前作『スペクトルマン』でも宇宙猿人ゴリを演じたスーツアクターの遠矢孝信さんによるもの。ゴリはこうした芝居が孤高なキャラクター性の魅力と合わさって、今日まで人気を博す名キャラクターとなっています。デボノバもまた、遠矢さんの芝居によって抜群の個性を発揮していました。ちなみにデボノバの声は何度か代わっており、大宮悌二さんや飯塚昭三さんなど、これまた日本特撮を代表する「悪役」声優によって演じられています。
今回紹介している写真でも、この遠矢さん独特のハンドアクションがカメラに向けられており、遠矢孝信ファンであれば必見です。暗いセット内での撮影ですが、ライティングによってデボノバのスーツの色や装飾、特徴の一つである体のイボの造形まではっきりと見て取ることができます。スーツや岩肌の色まで鮮やかに残っており、非常に貴重なフィルムとなっています。