最近ちょっと思っていることがあります。それは「ちょっとした思いつき・アイディア」と「体重の乗る覚悟」の大きな違いについて。どういうことか。少しお話しさせてください。
最近すごくたくさん歩いています。一見仕事をしていない時間(遊んでいる時間)に思えるけど、私からすると深く思考し、身体で考え(=感覚とすり合わせして)、心に覚悟という根っこを張る作業。メールたくさん返したり、資料作成した方がTODOは減っていくけど、それだとシングルループ(既存のものの見方・あり方)から抜け出せないのです。
最近よくサシ飯・サシ飲み・サシお茶(←そんな言葉あるか?)をしています。2時間〜3時間たっぷりたっぷり話して、後から内容を要約するとたぶん「2行」ぐらいにまとめられる。めっちゃ効率わるい(笑)。それこそTODOやっている方がよっぽど生産的。でも、このたっぷりの時間で奥深いところの認識に変化が起きていることがあると思います。要約すると「2行」だけど、その深さはかなり深いのです。
なんかこの3年間はこういう時間が減ったのかなぁと思います。若干非効率な部分はあったかもしれないけど、仲間たちとあれやこれやとワイガヤで語り合って、時間をかけた分だけ心に根っこが張られる。みんなで一緒に根っこが張られて共通認識ができるから、その根っこから推し進められる活動はパワフルになりやすいのかもしれない。
細切れにパッチワークされたミーティングでは、既存のものはなんとか回せるけど、新しい創造を生み出すのは難しい。短いオンラインミーティングで情報共有やすり合わせはできるけど、推進力を高めるようなモチベーションや情熱はつくりづらいのかもしれない。企画やアイディアが出ても、それを力強く推進できぬままに、お蔵入りしたり中途半端な感じになることもこの3年間多々あった。
それはきっと意志が弱いわけでもなく、やる気がないわけでもなく、身体の中心に根っこというか軸のようなものを打ち込めていないから、力強く推進できずに「ま、いっか」「仕方ないか」となっちゃう。(私もたびたび元気が湧かなくて、パワー出なくて、これをすごくやってきた。自分をなぐさめてみる)
リアル・対面が是でも絶対でもないし、オンラインも含めたいろいろなミーティングや活動の組み合わせ・かたちがある。でも、この「心に根を張る」感じ。「体重の乗る覚悟」が育まれる感じ。これはなんか大事な気がしていて、たまにリアルなミーティングをやってみる、ホワイトボードを使った長めのミーティングをやってみる、レジャーっぽい遊び・日帰り旅行を入れてみる、そんなことが必要な気がする。1泊2日の合宿ってすごくすごく非効率だけど(笑)、「心に根を張る」「体重の乗る覚悟を育む」においてはかなり効果がある気がする。
歩いて歩いて歩きまくって、何十周も頭の中で考えたことは、体重が乗ってそれなりの迫力を持って推進できてる実感がある。サシ飯やサシ飲みで時間かけておしゃべりしたことは、中長期的には変革の起点になっていたりする。オンラインで効率良くグイグイ進める部分と、リアルで少しゆっくりたっぷり無駄込みで気持ちや認識をつくる部分と、両方の組み合わせなのかもしれない。
前回のコラムでも書いた通り、今の状況はそもそもすごく難しい。だからこそ余計に、少し体重の乗る覚悟を育む必要がある。少し遠回りのように思えるけど、みんなでご飯を食べて、おしゃべりして、熱い議論やくだらない雑談を繰り広げて、帰りの電車で疲れながら「よ〜し!明日からもがんばるか〜!」と一人覚悟を決めるみたいなプロセスが必要なのだと思う。がんばりましょう。
by CRファクトリー 呉 哲煥
■NPO法人CRファクトリー
https://crfactory.com/
■『コミュニティマネジメントの教科書』好評発売中!
https://crfactory.thebase.in/items/26459854
■「白熱コミュニティ教室」YouTubeにて開校中!
https://youtu.be/qGkzB3YX3KU