本来、市民活動やコミュニティ活動は、“内側から湧き出る気持ち”みたいなものを原動力としている。「なにかやってみたい」「これやってみたらおもしろそう」。そんな気持ちやアイディアが主電源になって、活動が立ち上がったり、活動への参画が繰り広げられる。
「何でこんな活動をしているのか?」「何でそこまで時間を注いで活動にいそしむのか?」。その答えの第一位はきっと「楽しい」から。いろいろな体験ができて楽しい。いろいろな人と出逢えて楽しい。いろいろな学びがあって楽しい。市民活動やコミュニティ活動はたくさんの「楽しさ」であふれている。だから人は引き込まれていくのだと思う。
しばらく活動をしていくと、だんだんと「好き」になってくる。仲間のことが好きになり、団体のことが好きになり、この活動全体・コミュニティ全体が好きになっていく。仲間と団体とコミュニティに愛着が湧いてきて、「好きだ」という気持ちが湧いてきたら、それはとっても幸せなこと。「好き」は大切な活動の原動力だ。
本来、市民活動やコミュニティ活動は、“内側から湧き出る気持ち”みたいなものを原動力としている。なぜわざわざそのことを書くかというと、活動をしているうちにその「本来」から外れていってしまうこともよくあるからだ。いや、「よくある」とかじゃなくて、「ほとんどそうなる」と言っていいくらいにこの力学は強めで、いつの間にか「やらなければ」「苦しい」「もう嫌だ」というようなものに覆い尽くされてしまうこともある。
コミュニティを語るのは比較的簡単だけど、コミュニティを運営するのはなかなか難しい。最初は勢いと新鮮さで活動が立ち上がるけど、やっていくうちに組織運営で悩み、資金調達で悩み、人間関係で悩んでいく。縄で何重にもしばられたかのようにがんじがらめになって身動きが取れなくなる。この厳しかった3年間は特に難易度をぐいーっと上げる環境設定になったと強く思う。
だから、もう一度思い出したい。活動を始めるときの「やりたい」という気持ち。そこにはきっと理屈はあまりなくて、わくわくがあったり、直感と衝動があって、それによって行動が起きてしまっている。その気持ちを思い出して大切にしたい。
もう一度思い出したい。活動をしていて感じる「楽しい」という気持ち。活動は楽しいのだ。ミーティングが楽しかったり、イベントが楽しかったり、打ち上げが楽しかったり、その仲間たちと一緒に行く旅行や遊びや飲みが楽しかったり。楽しいから始めたんじゃないか。楽しさに魅了されているのではないか。楽しくて寝ても冷めても活動のことを考えているみたいな夢中なときもあるのではないか。もう一度、自分の中の「楽しい」を取り戻そう。
もう一度思い出したい。団体や活動や仲間を「好きだ」と想う気持ち。イベント帰りの夜空の月を眺めながら「この団体・活動・仲間が好きだなぁ」と噛み締めてしまう瞬間。愛着を感じる団体のために何か貢献したいと湧いてくる気持ち。愛着を感じる仲間のために何か力になりたいと湧いてくる気持ち。こんなものたちが市民活動・コミュニティ活動のモチベーションだ。「好きだ」は最強なのである。
もう一度「やりたい」「楽しい」「好きだ」からはじめる。暗闇の中で光が見えないような状況もある。手掛かりがつかめずに、うまく立ち上がれない状況もある。考える意欲やエネルギーすらも湧かずに、立ちすくむような日々もある。でも、そんなときは、自分の原点に立ち返ること。あなたの中にきっと「やりたい」「楽しい」「好きだ」の気持ちと想い出があるはず。そこにアクセスできたとき、あなたの気持ちが再起動する。そうすれば市民活動・コミュニティ活動が再起動する。すべてはたった1人から始まる。応援しています。
by CRファクトリー 呉 哲煥
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