19世紀のドイツの哲学者ヘーゲルが提唱する「螺旋的発展」の理論。螺旋(らせん)を上から眺めれば、まるで一周回って元の位置に戻ってくるように見えて、それは進んでいるというよりも後退しているように見える。
時間をかけてがんばって活動を積み重ねてきたのに、コロナで活動が停滞して縮小して、また創設当初ぐらいの規模やかたちに戻ったというところもあるのではないでしょうか。そのことに意気消沈して、情けないような想いを抱いている人もいるのではないでしょうか。
でもヘーゲルは違うことを言っています。「発展とは、視点を変えれば原点回帰である」と。ヘーゲルの螺旋的発展理論では、発展は必ずしも右肩上がりに進むものではなく、螺旋階段のようにぐるぐる回りながら、原点にたびたび回帰しながら、でも確実に階段を高く登っているのだと。
この3年間で仮に停滞や縮小したとしても、それはスタート地点や初期状態に戻ったことと同じでしょうか?いいえ、違います。見た目は少し元に戻ったように見えるけど、きっと原点回帰しながら、一段も二段も高く階段を上がっているのだと思います。そして、またここからさらに進んでいけるのだと思います。
もしそうだとしたら「原点回帰」は心強いメッセージです。ピンチをチャンスに変える発想に立てば、コロナのおかげで大切な原点に戻れるチャンスをもらったと思えなくもない。だったら原点に戻らせてくれたことを祝福して、そこを基点に再構築を試みたいですね。
みなさんの活動の原点は何ですか?みなさんの活動の本質はどこですか?元々何をやりたくて団体を始めたのでしょうか?理想の状態・理想のかたちはどんなものですか?コロナのおかげでそんな原点や本質に立ち戻るチャンスをいただいたのかもしれません。これは自力ではなかなかできないことです。
今は再構築・再創造のとき。未来を見て、前を向いて進んでいきましょう。前のように戻ることをまずは目指してもいいですし、せっかくだからここはじっくり考えて、「新しい団体・活動・組織のかたち」を大胆に構想してみてはいかがでしょうか。こんなボーナスのような外圧はもうなかなかやって来ないと思います。
だいぶ前向きなことを書きました。でもそれくらいに大胆に逆転の発想で捉えて、ピンチをチャンスに変えて前に進んでほしいです。決して後退なんかしていない。かたちを変えながら、また一段上に上がっているのです。螺旋的に発展しているのです。がんばりましょう。
by CRファクトリー 呉 哲煥
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