ものづくりには全て共通かもしれませんが、コストを抑えるために「作業効率」というものを常に頭に入れて仕事をしなくてはなりません。
白山工房の場合は、一柄について4反(着物4着分)を織ることで作業効率を上げています。
染色の工程や織りの下準備(ソウコウ通し、オサ通し)なども、ある程度の量をまとめることで作業効率が良くなります。
一番解りやすい例で言えば、反物のタテ糸は機織り作業のために、糸を一本一本「ソウコウ」と呼ばれる細い針金の穴に通し、加えて「オサ」と呼ばれる櫛状の隙間に2本ずつ通します。
4反分のタテ糸は繋がっていますので、作業自体はは1反分も4反分も全く同じ作業時間となります。
牛首紬のタテ糸は1000本強ありますので、時間のかかる大変な作業となります。
簡単にいうと、4反分を同時につくることで、このコストを1/4にしている訳です。
しかしながら、呉服市場が冷え込んでいる現状では、同じ柄を4反売っていくのには時間がかかり、在庫リスクが大きくなって産地経営を圧迫しています。
今回の共同購入システムづくりを通じて、私たちの大きな課題でもある在庫リスクの回避や、安定した注文の確保をしていきたいと思っております。
そして、なによりも大切な職人の皆さんの働き場所を守っていきたいと考えています。