・この本を作ろうと思ったきっかけ
秋田市在住の小松和彦と申します。秋田の花柳界や民間信仰を中心に郷土史を研究し、『秋田県の遊廓跡を歩く』(渡辺豪さんとの共著、カストリ出版)、『村を守る不思議な神様・永久保存版』(宮原葉月さんとの共著、KADOKAWA)、秋田魁新報電子版コラム『新あきたよもやま』などを執筆しています。
秋田川反花柳界のリビングレジェンド・若勇さんから出版のご相談を受けたのは昨年秋でした。秋田魁新報の紙面で連載していた「時代を語る」を書籍化したいというお話です。表紙は文字だけの装丁で文庫本サイズの本ということでした。
私も一昨年、川反花柳界に関する連載を書いていたので、その内容と新しく書き加えた文章も含めて、写真もふんだんに使った本にしてはどうか、という提案をしました。しかし、折からの物価高騰のあおりを受けて、ページ数を増やすと印刷代も予想以上に高くなることが分かりました。
そこで「株式会社せん」の皆さんと相談し、クラウドファンディングで資金を集め、成功した際には当初提案した通り、大幅にボリュームを増やした一冊にしよう、という運びとなりました。
・クラウドファンディングが成功したらできること
①「時代を語る」を加筆してバージョンアップさせます。
「時代を語る」を改めて読み返したところ、若勇さんとお話をさせて頂いた中で、とても面白いと思った内容が書いていなかったり、秋田に土地勘が無ければ分からない文章があったりと、加筆修正したい部分がたくさんありました。連載を紙面で読まれていた方にも、改めて手に取っていただく価値のある本にします。
②書き下ろしの「あきた舞妓」の章も!「川反花柳界史」を俯瞰した一冊に。
一昨年、魁電子版で連載した「秋田美人誕生」の再編集版に加えて、令和の川反芸妓連についての章も書き加えます。明治19年から始まる秋田川反花柳界の137年の歴史を伝える一冊に仕上げます。
③宮原葉月さんによる挿絵を掲載。
アートクリエイターで『秋田人形道祖神プロジェクト』としても活動している宮原葉月さんによる挿絵を本文中に掲載します。宮原さんが描く「秋田の花柳界」がどのようになるのか、お楽しみに。宮原葉月(みやはらはつき)神奈川生まれ。2008年よりイラストレーターとして活動開始。国内外の広告・雑誌・プロダクト・書籍のイラストを描く。「ピンクとグレー」(加藤シゲアキ・KADOKAWA・累計20万部超のベストセラー)、「服を買うなら、捨てなさい」シリーズ(地曳いく子・宝島社・累計40万部)の挿画や、銀座ソニービルの壁画、SONYのヘッドフォン等製品のイラスト制作(2008年)。
④舞妓時代の若勇さん、そして大正時代の川反芸者から現在の「あきた舞妓」まで、秋田川反芸者の写真を多数掲載。
古い写真は私のコレクションから。「秋田美人」の代表格として名高い、秋田川反芸者137年のグラビアページをお楽しみに。もちろん表紙も写真付きです。
・秋田の花柳界の未来のために
秋田市における川反花柳界の存在は都市文化の象徴といっても過言ではありません。かつて「其の名声は遠く三都にまでも響いている」(『全国花街めぐり』松川二郎、誠文堂、昭和4年)と称された花柳界を未来に繋ぐためにも、この本を通じて多くの人にその魅力を知って頂きたいと思っております。
私自身はこのクラファンから原稿料などの謝礼は一切頂きません。集まった金額はすべて制作費とリターン、そして秋田川反芸妓連の活動に活かされます。
どうか皆さまのご支援、よろしくお願いいたします!