24名の方にご支援いただいた「スクラップ・コースター」。
埼玉県立和光南特別支援学校の生徒さんたちが
緊張しながら取り組んだアイテムです。
昭和52年に設立された「埼玉県立和光南特別支援学校」。今年6月、年間行事のひとつである「校内実習」におじゃましたときのレポートをお届けします。教室を案内してくださったのは、進路指導主事の親﨑 惇司(おやざき じゅんじ)先生です。
高等部の教室は、1クラス平均8名、先生が2名体制で指導中でした。あるクラスでは、印刷物に折り目をつける作業を行っていました。しっかりとした折り目をつけるために、タワー積み上げゲーム「ジェンガ」の木製ピースを使うところはナイスアイデア。身の回りのものを使って、美しく仕上げる工夫が見られます。
別のクラスでは、雑誌の分別作業を行っていました。雑誌と付録、次に付録の中身、ダンボールやプラスチック類など細かく分別し、それぞれを束ねて指定の教室へ運びます。
付録を欲しがる生徒さんはいないのですか?の問いに、親﨑先生は苦笑いしたあと「仮面ライダーの付録はモチベーションがあがるようですね。あえて、その気持ちを利用して作業に集中させることもあります」だそう。
先生方は、指示だけでなく、生徒たちといっしょに作業をしていました。三角巾にエプロン着用も同じ。卒業後の就労施設では、作業着や三角巾を身につけて仕事を行う場合があるため、その練習を兼ねているそうです。実際の現場と同じようなシチュエーションをつくって、卒業後のイメージ作りにつなげています。
校内実習では、それぞれが目標を立て、毎回確認してから作業に入るそうです。失礼しますとか、ありがとうございますとか、仕事上欠かせないあいさつも徹底していました。
知的障害のある生徒さんは、シンプルな作業を繰り返し行うことで、少しずつ成長していくそうです。1年生のころはヤダヤダといっていた子が、3年生になると黙々と作業に集中する。一人一人にあわせて先生方が寄り添い、できることに目を向け、二人三脚の指導を行っていました。
親﨑先生いわく「個々の力を伸ばし、どう支援できるか考える。これは、障がいの有無に関係なく、教育の原点だと思っています。子どもたちは、できることがみんなバラバラです。私たち教員も世代や経験によってスキルが異なります。子どもも大人も同じです。
学校では子どもたちから学ぶことも多く、素直に彼らを尊敬しています。これからも謙虚な気持ちで子どもたちに向き合っていきたいと思っています」
「生徒たちのがんばりをたくさんの方に見てほしい」という、
親﨑先生からみなさまへむけてお礼のメッセージ。
このたびは、埼玉県立和光南特別支援学校の生徒がお手伝いさせていただいた製品を手にとっていただき、誠に感謝申し上げます。
kibi-ru ACTION様と連携させていただき、生徒たちが丹精込めて製品作りに取り組みました。本校が携わった箇所は一部ではありますが、一つ一つの製品にどうオリジナリティを持たせるか、どうすればきれいに製品を作ることができるか、生徒が真剣に考えながら取り組みました。
製品作りの場では、端切れの配色やデザインの縫い方などについて、「こうすればいいかな。」「できる限り一つひとつ違うものにしたい。」と悩みの声が生徒から聞こえました。その分、kibi-ru ACTION様に製品チェックをしていただいた際は、緊張した様子が見られました。「素晴らしい」と褒めていただけたときに、生徒たちは誇らしげな表情を見せていました。
この製品をとおして、本校を、そして生徒のことを少しでも身近に感じていただけたなら、本校一同最大の喜びです。
末筆ではございますが、製品をお手にとっていただき、本校に関心を寄せていただけたら幸甚に存じます。重ねて御礼申し上げます。