いま思えば、完全に上から目線だったと思います
厚生労働省の平成28年度の調査によると、障がいをもつ方の総数は936.6万人。人口の約7.4%に相当し、その数は増加傾向にあるそうです。
幼い頃、電車の中でひとりごとを言い続けたり、大声を出したりする人をぽか〜んと眺めたいたことがあります。「そんなにジロジロ見ないの」と親につつかれ、子供心に、見てはいけないもの、触れてはいけないもののように感じていました。これが、私と障がいをもつ方との最初の出会いだったと思います。
当時は、チャリティー番組「24時間テレビ」を見ながら、「あ、募金しなくちゃ。障がいをもっていてもあんなにがんばれるんだ、私もがんばらなきゃ!」と、感動したり、勇気をもらったりする子どもでした。いま思えば、完全に上から目線だったと思います。
ハンデがある人をかわいそうと思うのは失礼な話
障がい福祉に多少なり関わるようになって、意識はどんどん変わっていきます。大きい声を出す人には「わかる!私も叫びたいときがあるっ」と思うし、「与えるのは募金じゃなくて仕事かもよ」とか。「がんばって感動を与えられるのは、障がい者だけじゃない」とか。ずいぶんと偉そうな考え方(言い換えると、対等)になってきたように思います。
ハンデがある人をかわいそうと思うのは失礼な話。その方たちは、私にはないセンスをたくさんもっている。なのに、社会生活のさまざまな面で選択肢が少ないということに、納得できない気持ちがあります。障がい福祉と関わる大きな理由は、このモヤモヤとした気持ちをなくしたいからです。
デザインは、社会課題を解決するひとつの手段だと思います。私にできることはなんだろうか。その答えの一つとして、今回のプロジェクトがあります。とはいえ、一人ではなにもできなくて、パルコ関係者の方々、特別支援学校のみなさま、クリエイターチーム、友人知人、たくさんのご協力をいただきました。
本当のプロジェクトは、ここからがはじまりかもしれません。
本プロジェクトで蒔いたタネをどこまで大きくできるか、みなさんと一緒に育てていけたらうれしいです。今回、特別支援学校の子どもたちに独創的なセンスを見つけました。それは、リターン商品を見ればわかります。また、実習に励む姿も想像以上に頼もしかったです。
このセンス(強み)をどう社会とマッチングさせていくか。私たちにできることはなんでしょうか。私はこれからも障がい福祉と関わりながら、新しい商品や地域とのつながりをつくっていきたいと思っています。本当のプロジェクトは、ここからがはじまりかもしれません。
クラファン終了まで34時間をきりました!
残り1点です! 額装キービジュアル
本プロジェクトのキービジュアル(フレーム入り)。特別支援学校の生徒たちが描いた、のびのびとしたイラストをレイアウト。新所沢PARCOの思い出、地元デザイナーの想い、本プロジェクトに関わる多くの人の愛が注がれた作品です。残り1点となりました!