はじめに・ご挨拶
はじめまして。NPO法人「医師につながる救急医療相談」代表理事の新藤琢磨(プライマリ・ケア医)と申します。
NPO法人「医師につながる救急医療相談」は、山梨県で初となる“病院受診する前に”医師へ症状を相談できる電話窓口です。医師が直接受診相談を受けている窓口としては、自治体レベルでは全国で唯一です。
夜間、急に体調を崩してしまったとき、「すぐに病院に行った方がよいか」、「救急車を呼ぶべきか」、悩むこともあるかと思います。何もわからないまま、ご自宅で我慢するのは、不安ですよね。そんな不安にお応えするため、そして何より、体調が悪くなっても相談先があるという安心感をお届けするため、山梨県内に勤務する医師が立ち上がりました。
理念を共有した有志の医師たちとともに、2022年4月から、症状相談が集中しやすい平日17時30分から21時までの時間帯で電話窓口を開設し、重症の方にはただちに受診の後押しを、急を要さない方には療養のアドバイスを続けてまいりました。電話相談者のうち同意された方には後日経過確認のお電話をしておりますが、「すぐに医師に相談できて安心した」「受診の目安が分かって助かった」といった声を多数頂戴しています。
その中で「この窓口はもっと知れ渡るべきだ」と叱咤激励も頂き、ありがたい反面周知不足を痛感しています。
実際、周知の進んだ地域からは多くの相談電話を頂いている一方、裏を返せば、当団体を知らないために電話相談の機会を失っている地域の方々も多くいらっしゃるはずです。
情報格差が健康格差に直結しやすい現代において、本来私達は必要な情報を提供することで格差が縮小する役割を担うべきであるはずが、周知が進まないために逆に健康格差を広げてしまっては本末転倒です。
あまねく県民の方々が夜間に体調を崩したときにとっさに相談できる窓口を目指しているうえで、なんとしても改善せねばならず、このたび、クラウドファンディングを通じて、より多くの方(必要としている方)への周知徹底を目指すことにいたしました。
このプロジェクトで実現したいこと
当団体は、救急医療相談の電話窓口というサービスの特性上、たとえば、飲食店のように「お腹が空いた」など、ニーズがはっきりと顕在化しているわけではありません。“体調を崩した”という状況になってから、はじめてニーズが顕在化するという特徴があります。
したがって、病院や水道工事業者のようなもので、必要になったときに、「あそこに皮膚科があったはず」とか「水漏れしてしまったからあの業者さんに電話しよう」など、想起していただくことが肝要です。
このような特徴があるため、当団体の周知は、高齢者を中心とした多数の住民に届き、なおかつ、いざというときに思い出していただくことができる広報活動が必要だと考えました。
これらの条件を満たす手段として、私たちの情報を掲載した「マグネットステッカー」を製作、配布することを考案しました。
毎日使う冷蔵庫などに貼り付けておいていただくことで、いざというときに想起していただく可能性が高まるものと思われます。加えて、電話番号がすぐに確認できることで、緊急時に慌てずに対処しやすくなるのではないかと考えています。
また、マグネットステッカーの製作後、この情報をより必要とする方へ、どのように配布していくかということも重要です。単純にばらまくというより、顔見知りで、かつ、医療関連従事者から手渡ししていただくことが信用を得やすいものと思われるので、調剤薬局やケアマネジャーなどから、必要性の高い住民の方へお配りしていただくことも検討しております。すでに、関連団体からは、承知を頂いている現状です。
一方、医療関連従事者からの配布は、すでに医療とつながっている方へのルートのため、医療とつながっていない方には届かないという懸念もあります。これに対し、別のアプローチとして、たとえば、パチンコ店など、多くの人が集まり、中にはハイリスク者がいる場所への配布も検討しています。
今回のクラウドファンディングでは、この「マグネットステッカー」の製作および配布費用についてお力添えいただきたいと思います。
プロジェクトをやろうと思った理由
まず、この「医師につながる救急医療相談」という事業を始めようと思った経緯について、書かせていただきます。救急現場では、受診前に〇〇を知ってもらっていれば、もっと早く受診してもらえたのにという場面があります。実感として、どんな高度医療よりも早く受診することの方が肝と考えています。
救急医療は、非常に重要な役割を担っている一方で、その原因に至るまでの経緯にアプローチしづらい立場にあります。以下のように、病気の原因(上流)から救急医療を要するところ(下流)に至るまでを、川の流れに例えた図があります。
McKinlay, J. (1979). A case for refocusing upstream:
the political economy of health.
どうしても救急医療は下流で受け止めるだけの立場になりがちです。とめどなく流れてくるとパンクしてしまいます。公衆衛生の概念は、この図でいうと、流される人をなるべく減らすという考え方です。
当団体は中下流の、最下流で病院で受け止められる直前の人を岸から出す役割を担いたいと考えています。そのまま岸で一休みできる人もいれば、流されて弱ってきたため病院にいかなければならない人もいるでしょう。しかし、早めに岸に上がれただけでも安心が提供できると考えています。
このような理想像を掲げ、2022年4月から電話窓口を開設し現在まで運営しておりますが、お役に立てている(検証済み)一方で、相談件数が想定より少ない現状です。
開設前は多くのメディアにご紹介頂き、一部市町村ではチラシの回覧や広報へ掲載頂くなど当団体の周知に大変ご貢献頂きました。そのおかげで周知の進んだ地域からは多くの相談電話を頂いています。このことからも、当団体の周知不足と、いざというときの想起に至らない可能性を痛感しております。
これまでのメディアでは、ご覧の皆さまがもともと医療リテラシーが高く、健康である傾向が強いと思われますので、実際に使用する機会は少ないことも考えられます。ですので、より必要な人、すなわち、高齢の親族や持病持ちの方などへの周知が重要であり、そこへ情報が届くことが、山梨県の安心に繋がると考えています。
これまでの活動
当団体の活動報告については、以下の当団体ウェブサイトをご覧ください。
また、当団体の目指す「まちづくりへの貢献」について以下のブログ記事をご覧ください。
その他、2020年11月20日から2021年3月20日の期間に都留市立病院にて行なった、「医師による救急医療相談対応の実証実験」については、以下のブログ記事をご参照ください。
資金の使い道
目標金額60万円を達成した際は、以下の使い道を予定しています。
マグネット広告作成料
490,000円(6万枚分)
マグネット広告デザイン料
50,000円
CAMPFIRE手数料
54,000円(支援額の9%)
雑費
6,000円(送料など)
計600,000円
リターンについて
ご支援くださった方には、以下のリターンを贈らせていただきます。
▼ 1,000円のご支援をくださった方に
【お礼のお手紙コース】
・心を込めて、お礼のメール(またはお手紙)をお送りさせていただきます。
▼ 3,000円のご支援をくださった方に
【ご寄付のお名前掲載コース】
・心を込めて、お礼のメール(またはお手紙)をお送りさせていただきます。
・当団体のウェブサイトに、お名前を掲載させていただきます。
▼ 5,000円のご支援をくださった方に
【マグネットステッカーコース】
・心を込めて、お礼のメール(またはお手紙)をお送りさせていただきます。
・当団体のウェブサイトに、お名前を掲載させていただきます。
・製作したマグネットステッカーをお送りいたします。
▼ 10,000円のご支援をくださった方に
【マグネットステッカー応援コース(10枚)】
・心を込めて、お礼のメール(またはお手紙)をお送りさせていただきます。
・当団体のウェブサイトに、お名前を掲載させていただきます。
・製作したマグネットステッカーを《10枚》お送りいたします。
▼ 20,000円のご支援をくださった方に
【マグネットステッカー応援コース(30枚)】
・心を込めて、お礼のメール(またはお手紙)をお送りさせていただきます。
・当団体のウェブサイトに、お名前を掲載させていただきます。
・製作したマグネットステッカーを《30枚》お送りいたします。
▼ 50,000円のご支援をくださった方に
【プライマリ・ケア医(代表理事)による講演会(団体向け)】
・心を込めて、お礼のメール(またはお手紙)をお送りさせていただきます。
・当団体のウェブサイトに、お名前を掲載させていただきます。
・製作したマグネットステッカーをお送りいたします。
・『一般の生活者における上手な医療のかかり方』と題して、当団体の代表理事が団体向けに講演会を行ないます。
内容は、救急医療相談のご紹介をしながら、ある程度万人に役立つような、救急受診も含めた医療との付き合い方をご説明致します。たとえば、どんな常備薬を持っておくべきか、かかりつけはどうやってつくるか、適切な受診のタイミングなど、いざというときに知っていることで安心に繋がることを中心にお話し致します。講演の時間は30分~1時間程度で団体のご要望に合わせたカタチでご提供したいと考えています。
▼ 100,000円のご支援をくださった方に
【プライマリ・ケア医(代表理事)による講演会(団体向け)および個別相談会】
・心を込めて、お礼のメール(またはお手紙)をお送りさせていただきます。
・当団体のウェブサイトに、お名前を掲載させていただきます。
・製作したマグネットステッカーをお送りいたします。
・『一般の生活者における上手な医療のかかり方』と題して、当団体の代表理事が団体向けに講演会を行ないます。
内容は、救急医療相談のご紹介をしながら、ある程度万人に役立つような、救急受診も含めた医療との付き合い方をご説明致します。たとえば、どんな常備薬を持っておくべきか、かかりつけはどうやってつくるか、適切な受診のタイミングなど、いざというときに知っていることで安心に繋がることを中心にお話し致します。講演の時間は30分~1時間程度で団体のご要望に合わせたカタチでご提供したいと考えています。
・上記に加え、個別相談会も実施致します。
実施スケジュール
5月29日 プロジェクト開始
7月23日 プロジェクト終了
8月中 マグネット広告デザイン完成
8月下旬 マグネット広告発注
9~10月 山梨県内各所へマグネット配布
11月頃 効果の検証(案:マグネット配布状況や団体の認知度に関する無作為アンケート)
最後に
救急現場で、目の前の患者さんに対してずっと感じてきた想いがあります。それは「患者さんが受診する前にアドバイスができていたら……」ということです。
夜じゅう苦痛を我慢したすえに重症化して救急搬送される方、不安で受診したけれど医師の一言で安心して帰宅される方……。
でも病院の中だけにいても声を届けられない……。そんなもどかしさから、県民の皆様がかんたんに相談を受けられる仕組みを作りました。
将来的には全県民に存在を知って頂いて、いざというときに県民がすぐに相談できる窓口として社会インフラの機能が果たせられれば本望です。そして、すぐに医師に症状相談できる窓口の意義を実証していき、他県、さらに全国的にも同様の窓口が生まれることを夢見ています。
このプロジェクトをご覧の皆さまをはじめ、高齢になるご両親など、本当に必要とする方にご活用いただけるよう、どうかお力添えのほど、よろしくお願い申し上げます。
<ご支援頂くうえでのご注意>
NPO法人医師につながる救急医療相談は非営利法人ですが、このクラウドファンディングを支援することで、支援者が税制優遇を受けることはありません。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る2つの目標を同時に達成しました!
2023/07/03 19:54医師につながる救急医療相談の新藤です。多くの方からの閲覧およびご支援ありがとうございます。本日晴れて、プロジェクト目標額の60万円に到達しました!あらためまして皆さまのご厚意に感謝致します。現在の支援額で6万枚ほどマグネットステッカーが作成できそうですが支援額に応じて作成可能枚数も増えますので引き続きご支援頂ければ幸いです。そして、記念すべき目標額のゴールテープは山梨県遊技業協同組合様に切って頂きました。当団体の活動意義を深くご理解頂き、ありがたいエールとともに10万円のご寄付を頂きました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。実は以前から、より必要な方に当団体の存在を知って頂くため、比較的高齢な方も含めて人が多く集まるパチンコ店で周知できる機会を願っていました。参考:当団体ブログ記事「アウトリーチを本気で考えてみる」https://www.telehealth.or.jp/posts/42442975ありがたいことに縁あって山梨県遊技業協同組合様とお話できる機会を頂き、思いのたけをぶつけさせて頂いたところ、大変ご共感頂き、今回のプロジェクトで作成予定のマグネットステッカーも県内各店舗に配布頂くことを約束頂きました。こうしてアウトリーチとしての1つの目標もかなえられました!とはいえ周知はこれからなのでより実効的に周知されるよう気を引き締めて、遊技業協同組合様とご相談していきたいです。また他方面でも必要な方に情報が届くよう草の根を広げていけるよう、PDCAを繰り返していきます。長文お付き合い頂きありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。 もっと見る
当団体の運営について、よくある質問をまとめました
2023/06/06 13:42NPO法人医師につながる救急医療相談代表の新藤です。当プロジェクトをご覧頂きありがとうございます。開始当初より各所からご支援を賜り深謝申し上げます。さて、活動報告の本旨からやや逸れるかもしれませんが、団体の説明をする機会があるとよく「どうやって運営しているの?」と聞かれます。活動開始時に、ある地域の医師会にごあいさつに上がった際は、「そんな活動はできるわけがない」と一笑に付されたこともありました。きわめて特殊な組織であることを自覚していますので、本来は当団体の運営形態をプロジェクト本文で説明すべきだったかもしれませんが、プロジェクトで叶えたい目標がぼやけてしまっては本末転倒なのであえて本文からは割愛しました。ご興味を持っていただいた方がこの活動報告をご覧になられることを願い、この場で補足的にご説明したいと思います。以下Q&A方式でお送りします。Q.相談にはお金がかかるの?A.相談料はかかりません。相談者のご負担は通話料のみです。Q.ではNPOの収入源はどこから?A.当団体は収益事業を行っていません。個人や山梨県内各企業様からのご寄付、および助成金採択で成り立っています。Q.その収入源だけで運営していけるの?A.当面は可能ですが、持続性は今後の課題です。当事業の受益者は県民全員なので、公器として行政に認めてもらいタイアップしていきたいです。Q.普段から忙しい医者が電話窓口で相談応答なんてできるの?A.協力医師は、必ず自分が非番のときに電話当番を行っており、当番時間帯に個々の電話端末で通話する仕組み(PBX電話)を採用しているので医療機関の勤務終了後、プライバシーが担保されればどこでも電話窓口業務ができるようになっています。Q.相談業務は大変そうだし、手当がたくさん出ないとやる医者はいないのでは?A.当番医師には社会貢献活動の一環としての有償ボランティアから逸脱しない程度の手当が支給されていますが、現在の医師有志は活動の意義を感じて自発的に参加しています。 Q.自発的な参加だけでこれからも医師は十分に確保できるの?A.確証はありませんが、「なぜこの活動をしているのか?」「自分たちの使命はなにか?」ということを明示し続けることで仲間はさらに増えると思っています。医療界では一般的ではありませんが、プロボノ活動(専門性を持った社会貢献活動)として、今後当然のように医師が参加する文化を作りたいです。参考ブログ記事「プロボノ的起業」:https://www.telehealth.or.jp/posts/34260103よくある質問について端的に回答を作りましたが、当団体のブラッシュアップのためにも、さらに深く、広いご質問をお待ちしています。info@telehealth.or.jp、あるいはホームページ下部のお問い合わせフォームからお願いいたします。またホームページのブログにも理念や使命について青臭く語っておりますのでご笑覧ください。引き続きプロジェクトへのご支援もお待ちしています、よろしくお願いいたします。 もっと見る
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