みなさん、こんにちは今日はこのやばねブロックの開発秘話として、考えるきっかけとなった「登米市ファーストウッド(はじめての木製品)デザイン公募」を知ってから、どうやってこのアイディアが形になったのかを紹介したいと思います。
朝ドラにはまってから見るようになったTwitterでデザイン公募のことを知ったのは6月24日の金曜日。午前中は専門学校で非常勤講師をしている曜日で、その日は夕方から外で打ち合わせがあったため、その合間に入ったファミリーレストランで知りました。
魅力的な公募企画ではあったものの、締め切りは6月30日。持ち時間は実質5日でしたが、もともと知育玩具を開発してきた自分としては、こんなチャンスはありません。まずはアイディアを出してみよう、と書き始めた最初のメモがこちら。
締め切り日が6/30とメモしてあります。
まずは新生児が使うものというアプローチでアイディア出しをしています。その後、木製品を出すのではなく「木ではふつう作らないもの」を考えて、つらつらと思いつくものを書き出していきました。
使い方を変えて長く使えること、シュタイナーのような知育の要素を踏まえたい、といったポイントもここで明文化。そしてすでに、「後で積み木として遊べるモービル」というやばねブロックの片鱗が出てきていましたが、この日はこれで時間切れ。
そして、翌日から書き始めたのがこちら。
積み木として遊べるモビールというのをメインにしたとして何ができるかということで、五感をどう刺激するかといったことや、片付けなんかを考えています。
より具体的にモビールやてんびんにするにはどうしたらいいかを考えていると、積み木に穴をあける必要があると気づきます。が、ここではまだ矢羽細工は出てきません。吊るすためのフックがハンガーになるかも、なんてことも考えています。
そして・・・
ついにここで矢羽模様をマス目に利用することを思いつきます。この「これだ!」と思った時の感覚は今でも覚えていて、考えて考えてアイディアがピタッとはまるような、企画・ものづくりの醍醐味を味わいました。たのしい!
4枚目ではひもを通すアイディアが生まれました。キズネール棒のようなものになるな、とか・・・
いろいろな遊び方ができる、ということを考えて、0歳からながくずっと使ってもらえるようにアイディアを出しました。
さて、ここまでアイディアは出たものの、いまいち自分の中でリアリティがなかったので、簡単な試作をすることにしました。木の加工は時間がかかる上に、そもそも矢羽材なんてすぐに手に入りません。なので、入手も加工も簡単な100円均一のウレタンマットを使うことにしました。リビングなどに敷く、パズルのピースのようになっているものです。
切って、穴をあけて、ひもを通して・・・。
この時はすっきりしたものにしたくて、ひもは白いものを買ってきて、先端をセロテープでとめていました。
1マスから10マスのブロックをそれぞれ2個ずつのセットにすると、なんとすべてを使ってうまくバランスの取れるメリーが作れることがわかりました。木ではないのでたわんでしまっているものの、やはり実物があるとアイディアがより具体的になって考えも進みます。
公募を知ってから5日、普通なら焦るところかもしれませんが、とにかく集中していて楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。自分が今まで積み上げた経験・スキルを込めることができ、初めて「ちゃんと自分で一つのアイディアをまとめきることができた」という達成感でいっぱいでした。
そして、嬉しいことに優秀賞をいただいて、さて、本格的に商品化するにはどうしたら・・・
と考え始めるのが2022年の10月末なのですが、その続きは、また別の機会に。