(株)文化財マネージメントの宮本です。
前回前々回に引き続き、熊谷市立江南文化財センター・学芸員の山下祐樹さんにご執筆いただいたコラムを掲載します。
このコラムはこれが最終回です。
源宗寺大仏(おおぼとけ)ファンタスティック―地域の文化遺産という名の希望③
熊谷市立江南文化財センター 山下祐樹
文化財保存をめぐる「熊谷モデル」の発信
令和3年12月上旬、二体の仏像を元に戻し、本堂の改修工事は終了する。
今後は令和4年8月頃まで仏像本体の不足部分の追補などの保存修理事業を継続する。
今後は適宜、一般公開を行うなど、情報発信と啓発を行う予定である。
そして、令和3年10月に発見された薬師如来坐像内の制作者及び制作年に関する墨書の研究などとともに、本尊の二体の仏像の保護に向けて新たな知見等を活用しながら次世代に継承する下地作りを進めていくことになる。
源宗寺本堂保存修理事業は、産官学連携と市民間連携で実現した一つの成果でもある。
新たなコミュニティの確立という特色を有しながら、文化財保存に関する「熊谷モデル」と言うべき独自の方策を世界に向けて発信できると感じている。
主要参考資料
・山下祐樹『熊谷ルネッサンス』「源宗寺の大仏」2017年
・同「源宗寺本堂保存修理事業の歩みと仏像保護に向けた試み」2021年