今日は、私たちの『白痴』を実際に見て以後、何かと応援をいただいている1人である、日本大学芸術学部の清水 正(しみず まさし)先生と、その本を紹介したいと思います。
清水先生は、日本大学芸術学部の教授であり、文芸批評家として活躍されている先生です。ドストエフスキーと宮沢賢治を中心に論じ、それ以外ではグリム童話、つげ義春、映画、漫画など多数に及んでいます。とても多才な方です。
さて、実際に先生とお会いしてお話をうかがう機会がありましたが、この先生の話は本当に面白かったですね! かなり独特な読み方をされるようですが、話を聞くと、非常に明晰、論理的で丁寧な読込みをされています。僕たち演劇人としても、先生のお話は具体的で説得力があり、大変参考になりました!
清水先生は私たちの公演を観た後、私たちの劇団(特に、主役であるムイシュキン公爵を演じた俳優、菅沢晃)に大変興味を覚えたらしく(彼はとても素晴らしい才能をもった俳優です)、私たちの劇団の俳優何人かをご自身の大学に誘って頂き、その後、一緒にお酒を飲む機会がありました。
ちなみに、その席に私も同席しました。というのは、先生が観にいらした日、私は”その他大勢”の群集役の1人として出演させてもらってましたが(私たちは日によって役を入れ替えて出演することがあります)、「群集役の1人でありながら、存在感があって面白かったよ」と、呼んで頂いたのです。以下は、先生のブログより引用させていただきました。
「東京ノーヴィ・レパートリーシアターの『白痴』公演を観に行く。二回目。やはりムイシュキン公爵役の菅沢晃さんがいい。このひとの役づくりは魅力的だ。また今回の舞台でロゴージンの仲間役の一人に存在感をかんじた。休憩時間にお聞きすると、前回ではレーベジェフ役をやっていた岡崎弘司さんということで紹介していただいた。」
(役者冥利につきますが、後で「本来の役のレベジェフ役はあまり面白くなかったね。」とバッサリ切り捨てられました…。頑張ります…。)
ご自身の著書「清水正・ドストエフスキー論全集8~『白痴』の世界~」の中で、私たちの舞台を観た感想を詳細に述べてくださっています。(初めて、主役ムイシュキン公爵を演じる俳優、菅沢晃の演技を見て、その独特な発声から、最初は女性に演じさせているのかと思ったそうです。) 本は星雲社から出ています。