台本を書いてから気づいたことをここに記したいと思います。
今回の作品の稽古の時、一番先に子供達にお願いしたのが
「本をたくさん読んでください」
ということでした。
子供のうちに読む本は、想像力が優れている時期なのでまるで本の中の擬似体験が現実のように感じられながら読めるからです。
私の父は書籍の販売をする仕事でした。
見本の本や、珍しい海外の秀作、日本の民話などが家にあったありがたい環境でした。
家に帰るとお菓子の袋をあけて、寝そべりながらずっと本を読んだり、猫や犬やモルモットやインコの世話をしたり、暗くなるまで外で遊び回る子供時代でした。
殆ど真面目なピアノの練習はしませんでした。笑。
その中で出会ったさまざまな本が空想の世界を広げてくれました、自分で物語を作ったり、作文を書くのが好きな子供になりました。
台本を書いて、その時の自分に出会った気がしました。「このシーン、どこかで読んだ気がするな!」と思ったり、「なぜこの言葉を使いたいと思ったんだろう」と思考を深掘りしていくと、子供の頃に出会った本が浮かんできました。
それが、妖精のセリフだったりします。
そして、母の慈愛の気持ちは体験と、金子みすゞの詩が、セリフのインスピレーションをくれました。
子供時代の経験はやっぱり人生の宝になるのだな、と自分自身を振り返って思います。
楽しい子供時代をくれた両親に感謝しています。その恩を、今の子供達に恩送りできたら、と思います。
作品のヒントになっていたかもしれない、と思う本の画像載せますね。
子供時代は人生で最も栄養を取り込みやすい素晴らしい時期です。名著、素晴らしい作品に触れる機会が多いと、人生の色鉛筆が増えるのです。そう思います。
人生を彩るのは他ならぬ自分自身。人との出会いも経験も、無数の色で豊かに彩ってほしい。今日はそんなことを思いました。
アラジンのお母さんも作品には登場します。亡くなっても、心は子供達への慈愛でいっぱいです。今回はその愛を「光」とも重ねて表現する場面もあります。
この金子みすゞの詩は、母の思いが溢れていて、子供はその充分な愛の中で満たされている感じがとても好きな詩です。