はじめに・ご挨拶
初めまして。青森ジビエクラフトです。
このたびは、数あるプロジェクトの中から青森ジビエクラフトの取り組みに関心をお寄せいただきありがとうございます。
青森ジビエクラフトは、日頃それぞれの立場で工芸の仕事にかかわる仲間が、企業の垣根を越えて価値のある新しい工芸品を一緒に作ろうと集まって立ち上げたブランドです。
ご案内役は株式会社青森ホリックの金子祐子です。
私たちの会社は青森県の伝統工芸であるこぎん刺しや青森ヒバなどを使い、毎日が楽しくなるような日用品、眺めて飾るだけではなく普段に使える工芸品(勝手に「青森雑貨」と呼んでいます)を作る仕事をしています。今回のプロジェクトでは企画、デザインを担当しています。
青森ジビエクラフトのプロジェクトメンバーは全員、所属も年齢もバラバラで、普段は背景も専門分野も違うフィールドで仕事をしています。今回は青森の新しい工芸品として価値ある魅力的なものを作りたいという私の企画に賛同し協力を申し出てくれました。
いざ始まってみると、それぞれの立場から経験から考え方も気になるポイントも様々で、初めての商品「シカ革スマホポーチ」を発売するまで1年以上かかりましたがメンバー全員の納得がいく商品が出来ました。
皆様にご覧いただく日を迎えることが出来てとても嬉しく思っています。
どうか最後まで、私たちの取り組みについてのお話にお付き合いください。
プロダクトのご紹介
ジビエレザーという言葉をご存知でしょうか。
農作物や樹皮などの食害による被害は日本全国で大きな社会問題になり、各自治体では駆除に追われています。
そうして駆除された野生動物の革をジビエレザーと呼び、活用しようという動きが広まっています。
頂いた命を無駄にせず、大切に使いたい、そうした思いからこのプロジェクトは始まりました。
ジビエレザーの手配や「シカ革スマホポーチ」の縫製を担当しているのは、株式会社小泉製作所 盛 英吾です。
光学機器や医療製品なども手掛ける小泉製作所は緻密な構造のカメラバッグなど、精度の高い縫製が得意な企業です。
ジビエレザーの鞣しをお願いしたのは山口産業株式会社 / 一般社団法人やさしい革です。http://yasashii-kawa.org/
天然成分の植物タンニンを抽出して、なめし剤として使用する“ラセッテーなめし製法”で作る人にも使う人にも更に地球や自然環境にもやさしい皮革消費文化を創ることを目指している企業です。詳しくはリンクで情報をご確認ください。
美しい漆を日常使いの工芸品に
青森には津軽塗という伝統的な漆の工芸があります。
先人から受け継がれてきた数々の技術や知識を持つ職人たちは、伝統的な手法にとどまらず、常に新しい挑戦を続けています。
例えばガラスや金属に津軽塗を施し、今までにないグラスやタンブラーを作り出しました。その新しい挑戦やモダンなデザインは見る人をあっと驚かせました。
その挑戦の一つに、革に対するプリントの技法があります。
どうしても大きい模様は描けないという制約がありました。そのため、あらかじめ大きな模様をひび割れしにくいように細分化したデザインにして製品化することを助言してくれたのが青森県産業技術センター弘前工業研究所 デザイン推進室の小松勇と工藤洋司です。
漆の専門家である二人のアドバイスのもと、シルクスクリーン製版印刷の技術を使って革の中でも特に柔らかいシカ革に漆でプリントすることが出来ました。
縄文時代、青森には三内丸山や是川遺跡などいくつもの大きな集落があり、そこでは動物の骨や革、角など余すことなく活用して生活していたことが発掘から分かっています。また同じ遺跡から、植物を編んで作った篭に漆を塗ったものが出土しています。縄文の昔から私たちの祖先はジビエレザーや漆を生活に取り入れていたのです。
青森を表現する印象的なデザインを
そこで今回企画したスマホポーチには縄文時代の遺跡から数多く出土している土器に印された「蕨紋(わらびもん)」をモチーフにデザインすることにしました。伸びやかな線と丸みのある連続模様が、独特で美しいデザインです。
デザインを担当したのは金子祐子です。三内丸山や是川遺跡の出土品を見に行ったり出土品の文献を調べたり、縄文人になったつもりで沢山のスケッチをしました。
出来上がった文様はシルクスクリーンの技法で鹿革にプリントされます。深くやわらかな色合いの漆の美しさがマットな革の質感に映える仕上がりになりました。
繊細で緻密な漆塗りの作業を担当しているのは津軽塗職人、うるしずくの北畠栄理子です。少しも気を抜けない真剣勝負の作業です。
こだわり・特長
シカ革の魅力は軽くて柔らかいことです。手袋や剣道の竹刀の柄(つか)の素材に使われています。薄手なので、強度と張りを持たせるために、本体の裏には人工皮革エクセーヌを貼って仕上げました。本来の革の色が薄いので綺麗な発色も特徴です。(紫外線による経年変化で、濃色にはあまり影響がありませんが、薄い色/ヌメは次第に色が濃くなっていきます。革を育てる、そんな気持ちで色の変化もお楽しみください。)
本体のデザインは、文様が映えるようにいたってシンプルに仕上げました。
フラップはフラップ自体の重さで自然に閉じるようになっていて金具はついておりません。
プロダクト誕生までのお話
頂いた命を大切に
イノシシやシカによる獣害は青森県でも例外ではありません。駆除した動物の一部の肉は、専門店などでジビエとして食用に活用されてきましたが、その多くは使われずに廃棄されていました。しかし近年では食肉をジビエと呼ぶのに習い、野生の革をジビエレザーと呼んで新しい魅力を伝えようとしています。山口産業株式会社 の「やさしい革」http://yasashii-kawa.org/もそうした流れを後押ししています。
私たち青森ジビエクラフトのメンバーも日頃からこの問題に関心が高く、夫々の知識や経験を持ち寄れば、有効な活用方法が見つかるのではと考え、自分たちだからこそ出来る、青森ならではのアイデアと技術を盛り込んだ新しい工芸品を作ろうと企業の枠を乗り越えてこのプロジェクトを始めたのでした。
いつの間にか仲間に
このプロジェクトの橋渡しになったのが 「INPIT青森県知財総合支援窓口」田中 智です。メンバーの知財に関する相談や依頼を通し、それぞれの得意な分野を把握しているので
「その件ならあの人が詳しいよ」
「それなら彼女に聞いてみたら?」
といった具合に、いつの間にか彼を通してみんなが繋がっていきました。
これからも私たちのプロジェクトに色々な方が興味をもって下さって繋がる方が増えてくれたら嬉しいです。
リターンのご紹介
ご支援いただいた皆様に感謝の気持ちを込めて、青森ジビエクラフトの初めての商品であるシカ革スマホポーチをはじめ、株式会社青森ホリックが手掛ける、青森愛に溢れたお品物をご用意いたしました。お気に入りの1点を探してみてください。
製品情報・仕様
シカ革スマホポーチ
【表】 鹿革(天然成分の植物タンニンで鞣したRUSSETY LEATHER®(ラセッテーレザー)
【裏打】 エクセーヌ(人工皮革)…柔らかい鹿革にハリと強度を持たせるために本体の内側に貼っています。スウェードのように見えます。(黒)
【ストラップ】 合成皮革(取り外し可) 金具の色 金古美 長さ 約1200m
【本体サイズ】 縦190mm×横120mm フラップの長さ75mm
メディア掲載
2022年11月28日、NHK青森放送で私たちの取り組みが紹介されました。
2023年8月1日、東奥日報紙面で青森ジビエクラフトの活動が紹介されました。
会社・チームの紹介
青森県産業技術センター弘前工業研究所 デザイン推進室 小松 勇
青森県産業技術センター弘前工業研究所 デザイン推進室 工藤 洋司
津軽塗職人 うるしずく北畠栄理子
株式会社小泉製作所 盛 英吾
INPIT青森県知財総合支援窓口 田中 智
株式会社青森ホリック 金子祐子
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る返礼品の発送を開始いたしました。
2023/09/01 08:56本日より返礼品の発送を開始いたしました。9月15日を目処にお届けできるよう手配致しております。今しばらくお待ちくださいませ。ご支援、本当にありがとうございました。 もっと見る
ご支援ありがとうございました!
2023/09/01 08:53皆様のご理解と応援のおかげで当初目標を大きく上回るご支援が集まりました。本当にありがとうございます。青森ジビエクラフトの活動はやっとスタートラインに立つことが出来ました。皆様から頂いたメッセージやご支援を忘れることなく成果に換えていきたいと思います。また成果をご報告できるよう頑張ります。ありがとうございました。 もっと見る
地元の新聞で活動を紹介して頂きました。
2023/08/01 08:26このプロジェクトには「青森の新しい工芸品を作ろう」という目標のもと、漆塗りの職人さんだったり、新しい技術を研究し、商品開発を後押しする青森県の研究機関の人だったり、精密な縫製技術を持つ企業のスタッフだったりと沢山の人が、自分の得意分野で参加しています。漸くスタートラインに立てた今、ここからが大切だと責任を感じています。引き続き、ご支援頂けますようどうぞ宜しくお願い致します。 もっと見る
コメント
もっと見る