2018/03/14 17:44

市教委、県教委の後援と言っても、このプロジェクトとはかするくらいの話題で、アンプラグド・プログラミング・パーティ@大月(ファンクラブ)の方に大きく関係します。

市教委、県教委にそちらでやっている「コンピュータを使わない、コンピュータとプログラミング入門」の後援を昨年から申請していました。

市教委からはこのような回答をいただきました。

【不承認の理由】 (全文): 「文部科学省の推奨しているプログラム教育の一部を否定し、特定の主義主張の浸透を図ることの目的とする事業の可能性があるため。」

さて、ここで問題になるのは「特定の主義主張の浸透を図ることを目的とする事業の可能性があるため」という部分です。要は、文科省の方針、指導要領はすくなくとも充分ではないと考え、本プロジェクトの絵にもあるようにデザインの部分を軽くは見ないという方針での申請でしたが、それへの回答が上記のようなものでした。

そこで、市教委に以下の書籍を貸し出し(本年1月ごろ)、特定の主義主張に当たるのかの判断をお願いしました:

1. “別冊サイエンス 74: コンピューター・ソフトウェア” 〔サイエンティフィック・アメリカン 編, 日経サイエンス社, 東京, 1985.〕
2. “別冊サイエンス 82: コンピューター・レクリエーション I: 遊びの発想” 〔A. K. デュードニー 著, 山崎 秀記 監修, 日経サイエンス社, 東京, 1987.〕
3. “別冊サイエンス 102: コンピューター・レクリエーション II: 遊びの探索” 〔A. K. デュードニー 著, 山崎 秀記 監修 , 日経サイエンス社, 東京, 1989.〕
4. “ACMチューリング賞講演集” 〔赤 攝也 訳者代表, 共立出版社株式会社, 東京, 1989.〕
5. “アルゴリズムとデータ構造” 〔N. ヴィルト, 浦 昭二・國府方 久史 訳, 近代科学社, 東京, 1990.〕
6. “プログラミング言語の意味論入門”〔M. ヘネシー, 荒木 啓二郎・程 京徳 訳, サイエンス社, 東京, 1993.〕
7. “文芸的プログラミング” 〔Donald E. Knuth, 有澤 誠 訳, アスキー出版局, 東京, 1994.〕
8. “マインドストーム 新装版”〔シーモア・パパート, 奥村 貴世子 訳, 未来社, 東京, 1995.〕
9. “珠玉のプログラミング 本質を見抜いたアルゴリズムとデータ構造” 〔ジョン・ベントリー, 小林 健一 訳, ピアソン・エディケーション, 東京, 2000.〕
10. “わかりやすいUML入門”, 樫山 友一, 日野 秦臣, オーム社, 東京, 2000.
11. “コンピュータを使わない情報教育 アンプラグドコンピュータ・サイエンス” 〔Tim bell, Ian H. Witten and Mike Fellows, 兼宗 進 監訳, イーテキスト研究所, 東京, 2007.〕
12. “Begining Programming FOR DUMMIES 4th Ed.”, Wallace Wang, Wiley Publishing, Inc., Indianapolis, 2007.
13. ”プログラミング言語論”, 大山口 道夫, 五味 弘, コロナ社, 東京, 2008.
14. “入門 データ構造とアルゴリズム” 〔Narasimba Karumanchi 著, 黒川 利明・木下 哲也 訳, オライリー・ジャパン, 東京, 2013.〕

その上で、「こちらの方針が特定の主義主張に当たるかどうか」の返答を求めました。

返答を簡単なものにするために次のものの根拠を挙げればいいという状況とし、その旨を文書にてお願いしました:

  * 教育委員会が特定の主義主張 (「そもそもものを考えるつもりがない」などなど) に基づいて行なった判断ではないことを示す根拠。
  * 文部科学省の出している方針が、特定の主義主張に基づくものではないことを示す根拠。
  * アンプラグド・プログラミング・パーティ@大月の基本方針などが特定の主義主張であるかもしれないと判断する根拠。

すくなくとも、2つめの根拠を示せれば、3つめについては疑問が自動的に出てきますし、3つめの根拠があれば、おそらく2つめに対しての疑問にもなるでしょう。

それに対しての回答は、「教育法などが、文科省の方針、指導要領に従って教育を行なう根拠となる」(要約)というものでした。また、貸し出した資料もほんのすこし読もうとはしたものの、「難しくて理解できない」旨の回答をいただきました。

こちらは内容を指摘して欲しいと要望したわけですが、市教委は論点をずらした回答としたわけです。

ここで重要なのは、そのような教育を行なう法的根拠と、教育の内容の妥当性はまったく別物というところです。

さて、市教委からは同時に以降は県教委にとありましたので、県教委に申請をいたしました。ここは、市教育の考えていたアクセス方法ではなかったようです。県教委の大月周辺を担当する県教委の事務所および委員と市教委の委員・職員、そして私という面子で、市教委の意見をこちらに納得してもらおうという意図であったようです。その場合、単純にこちらが話す時間が少なくなりますし、だったら県教委への申請に切り替えようと考えました。

それで県教委への申請をいたしましたが、県教委からは「申請を取り下げて欲しい」旨の連絡があり、返送されてきた書類にもその理由の記載はありませんでした。

市教委にしても県教委にしても、後援していただいたとしても、とくにこちらとして何かが変わるわけではありません。ただ一点、現在市立図書館のご厚意によりチラシを置いていただいていますが、本来は市教委、県教委、あるいはその他のどこかの後援などのあることが条件となっています。ご厚意に甘えっぱなしというわけにはいかないと考えての後援の申請でした。おっと、4月分のはまだお願いしていませんでした。ご厚意に甘え続けるのも気が引けており、チラシを置いていただく件については切り出し難い気分ではあります。

とくに活動報告というわけでもありませんが、アンプラグド・プログラミング・パーティ@大月(ファンクラブ)の活動の現状という点でご報告させていただきます。また、よろしければアンプラグド・プログラミング・パーティ@大月(ファンクラブ)へのご支援もいただければと思います。