これまでの現地レポートでは、ケニア共和国ホマベイ郡での早すぎる妊娠の現状とそれによって引き起こされるネガティブインパクトを見てきました。
前回のレポートでご紹介したジョイスの家は貧しいながらもジョイスを学校に通わせることができていました。妊娠しなければ卒業も可能だったことでしょう。
その後、仕事に就くこともできたかもしれません。
どこがジョイスのターニングポイントだったのでしょう。
今回はジョイスのような女の子が早すぎる妊娠をしないため、本事業の4つの軸についてご紹介します。
Problem Treeを用いた問題分析
「何によってこの「早すぎる妊娠」が引き起こされているのか?」
「どこにタックルすれば、解決可能性が最も高いのか?」
今回、PLASでは”Problem Tree”という手法を用いて問題分析を行いました。
”Problem Tree”とはひとつの問題が起こる、そのことを木の幹に見立て、根っこがつながっている部分にどのような問題があり、そのまた先の根っこの問題は何か、掘り下げて問題を分析する方法です。
「ジョイスはお母さんに性交渉を迫られていると言えていればよかったのでしょうか?」
そしたら下の兄弟が同じような目に会うのかもしれない。ジョイスはコンドームが避妊方法であることは、知っていました。相手の男性のマイクも避妊方法にコンドーム、という事を同じく知っていたかもしれません。しかし知っていたとして、使ってはいませんでした。
「そもそも関係性が平等でなかった点については?」
「ノーと言えることはその場の選択肢にあったのか?」
「マイクとの関係について、そして性交渉・妊娠の可能性について、相談できる人がいたら?」
上の画像はだいぶ簡略化されていますが、Jamboardの字が小さく小さくなって画面いっぱいに広げても見えなくなって、配線がごっちゃごちゃになるほど、3度の調査を踏まえたProblem Treeは大きくなりました。
PLASが見出した4つの軸
その中で、PLASが今回注力したのは以下の4点の根っこです。
①子ども・若者が、正しい妊娠・避妊の知識を得る。
②子ども・若者が自己決定して行動する。
③避妊具を適切に使用する。
④相談できる人がいる。
理由は種々ありますが、これらは共通して地面に近い根の太いところにある問題でしたので、ここをひっくり返すことができれば、その下の根の部分もひっくり返すことができる可能性が高くなると判断しました。
①から④に関しては、こちらの「現地調査を通して、見えてきたこと」にまとめてありますので、一読いただければ幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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