「こども食堂安心・安全向上委員会」を引き継ぎ、こども食堂を支援する団体として活動をしている全国こども食堂支援センター・むすびえ(理事長 湯浅誠)です。
「全国のこども食堂を安心・安全な場所に こども食堂の保険加入をすすめたい!」クラウドファンディング にご支援をいただきまして、本当にありがとうございました。
その後もこども食堂は増え続けていますが、直面している課題があります。
こども食堂は、制度の裏づけのない、民間のボランタリーな活動として全国に急増し、ほぼ児童館と同じ数の3700になっており、「地域食堂」「みんな食堂」という名称のところもあります。「子ども専用食堂」ではなく、地域の交流拠点として機能しているところがほとんどです。
しかし当初、子どもの貧困対策として注目を集めたこともあり「福祉的なサービス」としてのイメージがまだ根強く残っています。
そのため、「うちには関係ない」「我が家の子を行かせられない」と思っている人がまだまだたくさんいます。「こども食堂」は、誰が来ていい場として開かれているところがほとんどにも関わらず、です。
それは、こども食堂の認知が8割となりながら、実際に訪れたことがある人は1割未満というインテージリサーチや朝日小学生新聞の調査結果からも読み取れます。
もちろん子どもの貧困対策は重要だし、こども食堂の運営者は、そこを強く意識している人がたくさんいます。だからこそ、こども食堂を、さまざまな課題に気づく「気づきの拠点」と呼ぶ自治体もあります。
ただ「課題を抱えた子が行くところ」となってしまうと、当人たちが行きづらい。また、ほとんどの家庭は「うちはそこまでじゃないから、行かなくていいよね」となってしまう。そうなると、行っている子が浮き上がってしまって行きづらくなる、という負の循環が生まれます。
だからこそ、現場はそのイメージの払拭に尽力していますが、まだまだです。
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私たちは今回、そのイメージを払拭するための企画を立ち上げました。
https://readyfor.jp/projects/tabeasowara
多世代交流のおもちゃ遊びの専門家「おもちゃコンサルタント」と地域に住む吉本興業「住みます芸人さん」の協力を得て、「食べる・遊ぶ・笑う こども食堂」を全都道府県で開催します。
これにより、こども食堂が「大人も子どもも楽しく盛り上がれる場なんだ」ということを知ってもらい、地域の方たちが気軽に出向くきっかけにしたい。また、その様子を報じる地元メディアの放送から、一般の方たちのこども食堂のイメージを転換していきたい。
すでに山口県・鹿児島県・東京都で実施し、山口県の開催時には439人の地域の方が参加してくれました。また鹿児島県では参加者150人中70人が初参加の方たちでした。
・みんにゃ食堂(山口)
https://musubie.org/news/997/
・祥徳寺子ども食堂(鹿児島)
https://musubie.org/news/1625/
・こども食堂ふくろうはうす(東京)
https://musubie.org/news/1672/
私たちは現在、この企画を全都道府県の他地域でも実施するためのクラウドファンディングを実施しています。この企画は(株)中部電力様の協力を得て、目標額を達成したら同額が(株)中部電力様からご寄付いただける仕組みになっています。
現在、目標額の10%を達成し、残り約310万円のご寄付が必要です。
子どもの笑顔あふれる持続可能な地域づくりのため、みなさまのお力をお貸しいただければ幸いです。
https://readyfor.jp/projects/tabeasowara
全国のこども食堂を訪問していると、高齢者施設で地域の子どもとの交流の場として開催されている様子、お一人暮らしのご老人が月に一度のこども食堂を楽しみにされている様子、ワンオペ育児のお母さんたちが、弱音をはけたり、ほっと一息ついている様子、を見ることができます。そして、運営者やボランティアの多くは、子育てを終えたアクティブシニアだったりします。
こども食堂は、子どもの貧困のみならず、地域の交流拠点、高齢者の健康づくり、子育て支援、孤食対策など多様な役割があることに気づかされます。
そのような機能を備え持つこども食堂に、もっと足を運んでもらうことで、地域住民ひとりひとりに安心と安全を届けることができる。私たちはそう思い、また、そのような地域と社会が持続可能なのだという確信を強めています。
みなさんもぜひ一度、こども食堂に足を運んでみてください。