2018/04/27 11:09

「銀座オープンまで」
①〈話題の店をオープンさせたものの…〉

渋谷で成功事例のあった新時代の新スペース、「人」と「出会い」がテーマのハイパースナックの2号店を出したい、そんな思いは実は渋谷1号店をオープンさせて数ヶ月で考えはじめていました。
ハイパースナックサザナミ(渋谷)はオープンしてすぐに満席でお客様の入店をお断りするような状態が続き、今も繁盛店で週末には何組もお客様をお断りするような状態が続いております。
その度に「ああ、こんな時2号店がどこかにあったなら」と考えるようになったのです。
ハイパースナックサザナミ(渋谷)をオープンさせ半年が経った頃、わたしはほぼ平日の昼を不動産屋巡り、飲食店向けの出店セミナー、出店目標地の実地調査等に費やしていました。
出店目標地は渋谷近辺、恵比寿や三茶、富ヶ谷や原宿、青山に池尻、時には新宿や代々木、中野や笹塚、下北沢に吉祥寺、物件の内見だけでもおよそこの1年半で30物件ほど、物件情報のやりとりは100を超えました。
特に渋谷地区は重点的に問い合わせし研究もしましたが、流石に人気地区のため物件自体があまり出てこない、そして出てきたとしても条件や家賃面が高コスト過ぎて長い目で見た経営ができない物件ばかりで手を付けることができずにいました。
そんな時、仲良くしていた不動産業者から携帯電話に連絡が入ります。
「町田さん、渋谷近辺じゃないけど、東京の東側、銀座はどうですか?」
東京の東側?しかも銀座?今まで着眼していなかった地域でもありますし、渋谷を根城に二十年近くやってきた自分が銀座なんて果たして通じるのだろうか?そんな不安もよぎりました。
お客さんを渋谷店から流すこともしにくいし、可能性としては本当に低いだろうなと思いました。
「町田さん、ここは良い物件です、前のテナントさんも儲かってないから出るんじゃなくて高齢による引退なんですよ、町田さんも、もうすぐ40歳、そろそろ銀座、大人の街、いいんじゃないですか~?」
不動産の営業さんっていうのは実に乗せるのがうまい、わたしはまったくその気もないのについ乗せられ内見を約束してしまいました。
渋谷に話題のお店をオープンさせ繁盛店に成長させたものの、満席による新規お客様の機会損失、狭いお店が故の問題点、次の展開に迷っていたわたしは散歩気分で銀座の物件の内見に出かけることにしました。