2023/12/21 05:34
『ディ・トリッパーは1年熟成で勝負します』

1年熟成のウイスキー蒸留所を設計する際に考えた4つのポイント


①利回りが良いこと

当社は社員3名の小さな会社。この規模ではとても蒸留所を運営できないと判断。取り組んだのがワインのマーケティングモデルです。(ワイン醸造所を受け継ぐということからもヒントを得た)ワインの樽発酵あるいは樽熟成は短いものだと12ヶ月ほど。収穫年の翌年に瓶詰めされる。


一般的なウイスキー商品は3年から10年は商品化が出来ない。クラフトウイスキーといわれる規模でも、運転費用等で多くの赤字が出ることも。
この経営に耐えられるのは、もはや小規模な事業者では不可能で、ジャパニーズクラフトウイスキーメーカーのほとんどが他事業を平行して行う大企業である。


「ワインスタイルならば創業期から毎年安定的に発売し、小資本でも回していける。ワインと同じく原料をヴィンテージ化することで毎年原料の良し悪しを反映させ生産し、消費者にも毎年楽しみにしてもらえるウイスキーが作れるのではないか。」と考えました。



②熟成には大規模な倉庫が必要となるが解消される

一般的なウイスキー熟成樽は長期間動かせないため貯まる一方。これがウイスキー蒸留所運営の難点のひとつである。毎年熟成庫を建てなければ、置き場がなくなっていく。これも小規模事業者では経営を大きく圧迫する。

「しかし1年熟成ならば熟成樽が回転でき、場所的要件が解消される。当蒸留所規模ならば、所内に樽を寝かせることも可能か。」

当社では熟成樽の卸売も行っています。一度使用した樽(1年しか使用していないのでまだまだフレッシュな状態といえる)は他社に買い取ってもらう。そうすれば、更なる場所的要件、経費の削減にもなる。BEHIND THE CASK 樽卸売事業「the casks」の問い合わせはこちらから



③短期熟成ウイスキー製造のノウハウがある

製造は国内数カ所(埼玉県、北海道)のウイスキー蒸留所で蒸留技師として勤めた技術者が担当。国内の蒸留所立ち上げ時に若い原酒に触れ合った際、ライトでクリアな原酒になるよう調整し製造され、日本の寒暖差の激しい気候で熟成されれば1年ほどで十分に美味しいモノができるそして反対にスコッチのように長期間の熟成には耐えられない可能性があることに気付きました。

製造段階で若いウイスキーに対するアプローチ(発酵や蒸留(ミドルカット)の調整)、 樽入れ度数の調整、熟成には完全小サイズ樽での熟成、熟成樽は適時攪拌させ酸化させることで熟成を早める等の技術、超小規模の当社だからできる手間を最大限に活用します。



④他者との差別化

上記3点が大きな理由ですが、それにプラスして

何よりもブランドとして誰もしていないコンセプトで美味しいモノを造りたい」という思いが強くありました。ウイスキーは熟成すればするほど商品価値が上がる。勿論よく分かっております。当社のスタイルに賛否が出ることも覚悟はしております。しかし熟練のクラフトマンが作る短熟のためのウイスキー造りはどうなるのか?その挑戦をしたかったのです。


「是非ディ・トリッパーの1年後をご期待ください。函館の地から新しいウイスキーのスタイルを作ってみせます。」



12月1日から始まった当クラウドファンディングも3週間が経過。
お陰様で大きな反響を呼び、現在目標額の930%、5,600万円もの支援が集まっております。

暖かい応援コメントもありがとうございます!とても励みになります。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

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