2024/06/26 08:26

皆様いつも温かい応援を賜りまして、誠にありがとうございます。


現在、現行レーンは収穫まであと一週間(7/1予定)となります。

ただ4玉のみの肥大となり、またネット模様やサイズの不完全さから、残念ながら返礼のレベルには到達できていない状態です。(TOP画像)

(ネット模様の発現不足は初期段階で灌水が多かった為と考えられます)


サイズはこれまでで最高の直径12.1cm(目標15cm〜)となり、現在も肥大が進んでおります。葉の残りも十分ですので、今までの試験体と比べ糖度は上がるかと考えられます。


■ご試食、施設見学のご案内

現在育成中の4玉につきまして、せっかくの機会ですのでご支援頂いた皆様と、糖度検査後にご試食・施設見学会を開催できればと考えております。収穫の時期もございますので、日程は以下のように考えております。


※日時

 7月7日(日) 10:00〜

 東根市温泉町1-20-1(青松館ロビーにて受付)


 ・収穫後、追熟期間4日程度のメロンのご試食

  (収穫4日経過後に冷蔵し、追熟を止めたもの)


※見学内容

施設のご説明、新株レーン・7月2日頃定植株のご見学等


参加ご希望の方はキャンプファイヤのメッセージか、以下メールアドレスへご連絡をお願い致します。

info@geoalpine.net



■新株レーンの状況


当該レーンにて6/25から小つるの摘心(葉20節目)に入り、今後授粉へ向かって育成が進んでおります。

各株において授粉予定の雌株(10〜15節目)が見え始めました。この度より誘引法を変更し、授粉予定の雌花を最上段に配置することで、天井付近に果実を配置できるようにしております。


また、一部雄花が咲き始めましたが、雌花の成長具合からはまだ日照時間を8.5時間としております。



■課題解決へ向けて

前回挙げました課題に対し、まずは以下の解決策をとっております。

・微細ゴミ用フィルタ


熱帯魚用のフィルタを二重にし、ペットボトル濾過フィルタを設置致しました。

タンクを洗浄し水を入れ替えたばかりの状態ですが、取りきれないものや、根に付着していた微細なゴミが回収できております。


・実、根の生育不良、葉の維持

まず、一般的な横型水耕とおんせんファームが採用した縦型水耕の育成環境を図示致します。

横型はハウスの水耕メロンや、完全閉鎖(LED照明のみ)でのメロン栽培成功例で採用されております。図の通り、根をしっかりと広げることができ、葉茎、実の成長に寄与します。

以下は縦型を図示したものです。

縦型は根が水の流れに沿って直線的に長く成長し、過去の状況を見ても広がりはほとんどございません。以下のように2mほど伸びるのみで、根のボリュームは横型と比べ圧倒的に少ない状態です。

現在、当ファームが抱えている問題はこの方式に起因するところも無視できません。



■縦型の弱点をカバーするために

縦型の利点は垂直水流のため、重力を利用し水切りが容易である点にあります(タンク内に塩分を入れずに吸収量の調整が可能なため、一つのタンクで複数の育成状況に対応できる)。

現在はそれが根の成長に関してブレーキをかけている状態ですので、支柱内に根を支える水捌けの良い材質を充填する栽培法を考案致しました。

(充填材が土の代わりとなり、十分な根の成長を行えるのではないかと仮定しております)

6/20より支柱内に複数の材質を用意しまして実験を行いました。


■材質の選定ミス

充填材として、まずはにんにくスプラウトの育成に使用するキッチンペーパーを使用しました。ただし、設置して数時間で養液のphが弱アルカリ性へ変化しました。

(指示した箇所でリン酸によりphを下げました)


通常の水耕ではアルカリに偏る場合が多いため、実験を継続した所、さらに数時間後、養液タンク内に泡が発生し、液の白濁も見られました。

危険と判断し即時実験を停止、タンク、ユニット全てを洗浄致しました。


確認のため新しいキッチンペーパーを真水で揉み洗いしたところ、水が弱アルカリ(ph7.8 [水道水ph7.0-7.4] )に変化しました。

おそらくですが紙の漂白に用いられる重炭酸ソーダ(重曹)の残留物かと思われます。そのためメロンの根から出る酸性物質(クエン酸)および養液内の成分と反応し、界面活性剤が生産されたものと考えられます。

養液の白濁につきましては弱アルカリ傾いたことで養液の成分が結晶化、溶出したものと思われます。



■新方式の充填材として

現在は培地と同様の材質(ポリウレタンのスポンジ)を新株レーン全ての支柱に充填し、育成状態を観察しております。

(未使用の育苗穴から充填、対藻策としてアルミシート貼付)


欠点としてスポンジに根が絡むと分離が困難なため、廃棄物の量が増加します。

その為、再利用可能な充填材を検討した所、次段階の充填材としまして建材(断熱材)に使用されるポリスチレンのペレットを予定しております。


こちらは廃棄建材から作られる「再生樹脂」となります。石油から製造する樹脂(バージン材)と比較して、再生樹脂の方が製造時のCO2発生量を大幅に抑えることができます。

また、根はペレット間に入り込むだけで簡単に分離することが可能です。収穫後はペレットを回収洗浄することで何度でも再利用が可能で、廃棄物の量を抑えることができると考えております。


ただ、粒状であることから、使用する場合は垂直の支柱から流れ出ないよう専用の部品が必要となります。現在実験中のポリウレタンの結果を加味しながらとなりますが、並行して部品の設計製造を進め、次回定植分(7/2予定)にて実験を進めてまいりたいと思います。


返礼が遅れており、支援頂いた皆様にはご迷惑をおかけしております。少しでも早くお届けできますよう、鋭意努力してまいります。今しばらくお時間を頂けますよう、何卒よろしくお願い致します。